Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

政治科学に属さない政治学

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金曜は、午後3時過ぎから友人のソロブと約一ヶ月ぶりに再会。今回は近所のスタバで、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題大学院サイスにてインド陸軍の民軍関係について博士論文を書いているアニットに紹介され、一時間強話し合った。お互いの論文の内容は対反乱軍戦略に関していて緊密に結びつき共通点もいくつかある。

同時に、話の内容はやはりワシントンという土地柄に影響される。こちらで政治を語る場合、私の学部内で話されるような政治を科学として扱う伝統的な政治学スタイルではなく、あくまで現実的な政策の延長としての政治の方向に傾く。その場合、私が専門とする政治科学としての政治学は必ずといっていいほど批判の対象となる。確かに「非現実的だ」やら「政治学のモデルはあまり使えない」などの批判は理解できるし学問全体としての問題点も多い。私も単に科学としての政治を学ぶだけでは自分の視野が狭くなってしまうし、自分の専門分野の地平線を広げたいと思っているため、こうしてワシントンに引越し、決して大きくはないが厚遇してくれる防衛系のシンクタンクに属し、できるだけ「現実」とにらめっこしようとしている。

ただ私がそれよりも重要だと思うのは、本当に政治学を理解し能力のある人間というのは、単に問題点を突いて批判するのではなく、それらの存在を認めつつ、その弱点を補い分野全体の質を向上させるようより真剣な研究を用いて貢献する人間だとも思っている。そしてこれを実際にできる人間はワシントンにそう多くはない。一般的な話だが、自分の立場を不安に覚える人間ほど、目の前に出された理解不可能なものに対して批判するなどして、必要以上に攻撃的に出るものだと思う。

午後6時からは、フィリーから会議のためワシントン訪問中の学部の先輩のマートンとデュポン・サークルにて久しぶりの再会。近くのレストランのフロントページで夕食。話の内容は近況情報の交換から、学部内の「政治」、人間関係、博士論文の進行状況など。マートンは私が入学したときから常に相談に乗ってくれ世話してくれている私にとっては兄のような存在である。私の入学時にはほぼ毎週金曜日にバスケをする仲だった。彼も苦労している。もう40近い彼から私よりも複雑な人生の辛い部分を正直に語ってくれた。先輩というより同期の会話という感じだった。

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明日日曜から3日間フィリーに行って健太の世話をしています。

このブログが与える誤解

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今日は昼食時に核問題に対するアメリカとロシアの世論のゼミに参加。ある世論調査会社が今日発表した結果を元に、統計の説明から始まり(英語の資料はここから)、私の今年の仕事場のボスのブルースのプレゼンで締めくくった。彼のコメントの核心は、「核兵器廃絶に向かうべきだという米ロ双方の一般世論と両政府の核政策には大きな隔たりがあり、さらにその距離が拡大しつつある」というもの。右の写真はそのときの様子。

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最近、私の研究の熱中さに関するコメントを頂くことが増えた。確かにここのところ努力と集中の毎日だし(そうしないと博士は取れない)、努力家だと思われて嬉しいのだが、そこまで凄いわけではない。知っている人は少ないが、普段私が街を歩くときはあまりの余裕にこの甘いマスクで天使の笑顔を振りまいて歩いているのである。会話が弾めば静かな場所であろうが大声で爆笑するのである。このブログだけでは誤解が生じているかもしれない。こんなの読んでるだけでなくて、一度みんな俺に会いに来たほうがいいよ。元気でるで。にっこり

コーヒー飲んでハイパーになってセルビアの煙草を思い出す

未だ時差ぼけが続いているのか、今朝は6時前に目が覚めた。今日は午後6時からワシントンの日本人研究グループのプランジェのミーティングがあり、世界経済フォーラムで勤務する土屋さんの発表に元気で参加したかったので、眠くならないよう日中はコーヒーを飲み続ける。その結果ハイパーになりすぎ午後の仕事中にも手が震えだす始末。体をガクガクさせながら発表会に参加。楽しかった。土屋さんと会ったのは2003年のワシントンでのパーティ以来。彼も私を覚えていて下さった。

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先週ヨーロッパにいたときに感じたのだが、向こうの人はアメリカ東海岸と比べて煙草をよく吸う。文明の最先端にあろう地域がである。一番強く記憶に残っているのが、2001年にセルビアのベオグラードを訪れたとき。そもそもバルカン半島には煙草を吸う人の割合が非常に高い。その気になれば吸えるが普段は全く吸わない私にとっては苦しい場所だった(ただあっちの国はメチャクチャ面白い)。

そのベオグラードで、最高にシブい軍事博物館のあるカレメグダン公園を歩いていると(写真左、http://en.wikipedia.org/wiki/Kalemegdan)、まだ生まれたばかりであろう赤ちゃんを乳母車に乗せた母親(だと思った)が、煙草をおもむろに取り出し火をつけて吸い始めただけでなく、その赤ん坊に向かって煙を吐き出していた瞬間。あまり慣れないロシア語を駆使してでも注意するべきだった…。

Random Thoughts on Paris

ようやくプリドクの申請に一息ついたので久しぶりの中身のある更新を。

東海岸に戻って2日経ち、頭の中はもう博士論文のことで一杯なのだが、12年ぶりのパリはとても良かった。最後にフランス語を使う機会は2001年のノルマンディー上陸時(イギリス側から夜行フェリーに乗った)にあったが、パリを訪れたのはは高校卒業直前のパックパック一人旅以来だった。今回、18の時に泊まったバスティーユ近くのユースホステルを徒歩で探したが見つからなかった。私が場所を間違えたのか、ホステルが引っ越したのか。ただ忘れもしないのは、あのホステルで出る朝食は毎回フランスパン一切れだけだったこと。ちなにみフランス語の「ありがとう」は Merci。日本語に直訳すると「慈悲」という意味。にも関わらず貧乏旅行をする腹をすかした育ち盛りの若者に対してなんてことを! 

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今回はブリュッセルに向かう際に初めてTGVに乗車(写真右)。鉄道ファン、そしてかつての鉄道小僧なら誰でも一度は夢見る世界一の高速鉄道である。ブリュッセルまで片道1時間半の旅行。嬉しかった。フランス北部の田舎町の景色も良かった。感動した(小泉前首相風)。

フランス語の勉強を再開して気がついたのだが、英訳に頼らず原語のまま理解しようとしていたこと。原語そのままで考え始めるのはその言葉をマスターしようとする態度の強さとその事実を示す良い兆候である。ロシア語を学んでいた時期もそうであったが、昔はフランス語で夢を見ていたこともある。今回は書いてある言葉の7・8割は理解できたし、相手の言葉も6割くらい理解できた。もちろん、こちら側からのコミュニケーションはそう簡単にはいかなかったが、ホテルのチェックインなどは当然のこと、地下鉄回数券の購入、スーパーでの商品に関する質問、パリの国立図書館での利用カードの入手のための面接10分ほど(自分の状況を説明しなくてはならない、さすがに汗った)など全て仏語でこなした。仏語を不自由なく操れる方から見ればアホらしいが、3年間勉強した言葉を8年ぶりに使う者にとっては重要な進歩なのである。

フランスにいた間は、最終日を除いてブログの更新をしなかった。現地のネットカフェに日本語ソフトが無いこともあるが、同時に自分のラップトップを海外に持ってゆくと、接続の不安だけでなくそのあまりの快適さのため必要以上にホテルに引き篭もりがちになる。経費を最小限にするため、そして社会勉強のため、私の行くネットカフェはパリでは北アフリカ人、ブリュッセルではトルコ人が経営している薄暗い場所だった。客もほぼ全て非白人である。仏語ではなくアラビア語を耳にすることもある。PCのキーボードの文字の位置も冗談抜きで違うので、英語でメールするにもよく間違えるのである。国際政治を学ぶ人間にとってはファンキーで刺激的な空間である。

好きな研究のために好きな場所へ出張にいけることは贅沢なことだと思う。来年の6月には研究の一環でマレーシアとベトナムに行ってくる。この研究のペースを維持できるよう明日も頑張ろう。今回の写真はいいのがいくつか撮れたので、時間があるときにまとめて載せます。お楽しみに。

写真http://www.wired2theworld.com/paris05day7TGV1.jpg

現実逃避したい人は…

これ聴いとき。実は昔からのお気に入りの曲。男性ボーカルの Rene は実はかなりの役者だと思う。アクアはデンマークのダンス・グループ。

パリから帰って・フランスで流行っている曲

月曜午後ワシントンに無事到着。せっかく研究旅行から帰ってきたのに、グラントの申請の締め切りが今夜12時のため、直接オフィスに向かい仕事開始。旅の疲れ、時差ぼけ、仕事のプレッシャーで辛い。左目のまぶたの痙攣が止まらない(疲労時にこうなる)。これも今夜までの辛抱。パリとブリュッセルの研究旅行記は明日以降書きます。

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今フランスで流行っている曲の一つはこれ。

Christophe willem - jacques a dit
http://www.youtube.com/watch?v=RSVJudbomR0

ラジオでいつも流れていた。ちなみに歌手は男性。

パリから

ようやく日本語が打てる環境にありついた。フランス語にも慣れた。数年前に苦労して覚えた単語や発音や文法がここに来てとても役に立っている。パリでも英語はほとんど通じないし、特に自分を英語圏の環境に置くこともない。3年間フランス語を学んだ努力がやっと証明された。しっかり勉強して良かった。

明日ワシントンに戻ります。自分の研究は大いに進んだし、満足している。良い気分転換にもなった。アメリカに戻るとすぐにプリドクの申請の準備が待っているが、今日日曜日は残りの時間はパリの観光とみやげ物購入に費やそうと思う。のりっぺは元気でっせ!

ありえん画像とバージニアの紅葉

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この写真の英語に注目!

よく英語圏外の国々では文法の間違った英文が街中至る所で見られるが(特に気にしないが)、先日ワシントンの中華街で見つけたこの宣伝には度肝を抜かれた。言おうとしていることは「中国の書道のようなステッカー…」と何となく理解できるが、あまりに変わった表現方法に一枚撮らざるを得なかった(自分の日本語に関しては自慢できないがねショック)。

シブいねー。誰か訳してみてよ。

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最近、バージニア州でも紅葉が進んできた。昨日フィリーからの下りのバスに乗っている時気がついた。もう秋だねー。秋は自分の好きな季節でここバージニアでも紅葉を楽しみにしていたが、どうもヨーロッパに行っている間に一番綺麗な週を逃しそうで少し不安。

さ、これから出発です。日本語の打てない環境におりますので、次のブログの更新はいつになるか分かりません。しばらくのご辛抱を。

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ビリー・ジョエルで一番気に入っている曲。古いで。
Uptown Girl
http://www.youtube.com/watch?v=Pf-_RwiiVT0

ワシントン→パリ→ブリュッセル

4日ぶりにワシントンに帰還。ここ数日睡眠時間が4時間ほどしか取れなくかなり体に悪いことをしている。出張前に疲労が溜まる。今は研究所に戻ってコーヒーを飲みながら原稿を書いている。あと24時間の辛抱。それが終わったらヨーロッパで一週間の(バケーション)研究生活!

今回はパリとブリュッセルに行く。ブリュッセルには私が今年所属している研究所の支部があり、そこで昔世話になっていたテロ問題の専門家のマークと4年ぶりに再会する予定。彼は今ロンドン大学の政治学部でテロ問題の博士論文を書いていて、共通点も多い(スコットランド出身のため英語のアクセントは凄い)。パリにいる間も資料集めで走り回っているが、可愛がっている元生徒の一人が会おう会おうとうるさいので夕食を一緒に食べてくる。

ここで簡単な種明かしだが、今回の出張は、松下国際財団の研究助成金のお陰です。将来を夢見る社会学者・人文学者の皆様にはこの素晴らしい機会に感謝しつつ自分の力を試してみることをお薦めします。ちなみに私の研究トピックはここから見れて、こう書いてあります。

非対称紛争後における平和構築の段階的アプローチ
?インドシナ紛争とマラヤ危機に見る政治安定化の連続性の考察?


みんなも頑張れ。

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ところで、この記事(↓)の内容、当然のことだと思う。世界レベルで奮闘するにはまだ足りないとも思う。

東大の博士院生の大半、授業料ゼロに 「頭脳」獲得狙い

「他の国立大からは「東大だからできることで、一極集中に拍車がかかる」という懸念も出ている。」とあるが、なぜ東大を真似ようとしないのか不思議でもある。

ビクトー・チャ教授による講義の内容

先週末のビクトー・チャ教授による講義の内容は、今月号の Foreign Affairs 誌に無料で掲載されています。ご参考に。

Winning Asia
Washington's Untold Success Story
Victor D. Cha
From Foreign Affairs, November/December 2007
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