Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

珍しく

金曜夜は数年来の良き友人と再会を果たし、久しぶりのキャッチアップ。リラックスして話せる珍しい相手だけに夕食も美味しく、これからもっと楽しくなるだろう。場所は初めて訪れたアレクサンドリア市の中心部オールドタウン。

遅めのコーヒーが効いたのか、眠れぬ夜を過ごす。時間潰しに博士論文に目をやると一番重要なセオリーの部分の進歩に気がつく。もうあと数週間で安保系のジャーナルに投稿できる出来である。来週はいよいよ事例の一章を自分の博論委員会に提出する。過去に数回ドラフトを見せてコメントを頂いているので相手の考え方は分かるため上手くいくだろう。

お気に入りのエンヤ:
http://www.youtube.com/watch?v=0dI_HyRnN8c
http://www.youtube.com/watch?v=Ae68NB-mOe4

久しぶりの推薦状

昨日は過去の自分の生徒と久しぶりに会い、昼食を取った。場所はワシントン中心部のマレーシア・レストラン Malaysia Kopitiam

この生徒は現在様々な奨学金に応募をしていて来年からイギリスの大学院で国際関係の修士課程に入りたいという。私がペンで受け持った生徒の中でもトップレベルの生徒で、珍しく努力家で、成績も抜群、学部生が応募可能な奨学金をほぼ総なめして卒業し、現在はワシントンにある米海軍の諜報機関で働くTS(トップ・シークレット)のクリアランス保持者である(つまり私の米政府内のエージェントあかんべー)。

昼食を前に約束していた、その生徒の奨学金応募に必要な推薦状を渡した。私もTAとして教壇を降りて一年以上経ち、元生徒からの連絡や推薦状のリクエストは特別に嬉しい物である。そして私はどの生徒にも、できるだけその生徒の要望に答え、その生徒の夢に一歩でも近づけるようアドバイスをしながら、少し誇張して推薦状を書き上げる。今回もそうし、この生徒の成功を祈っている。狙うはフルブライトでオックスフォードである。

コロンビア大での興味深いイラン議論

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今週始めにイランのアハマディネジャド大統領(写真右)がコロンビア大でから招待され講義を行った。その招待に関しては、ニューヨークのイスラエル系ロビイスト、反イラン政治活動家を中心に徹底的な抗議が繰り広げられた。日本語での記事は例えば、

米コロンビア大でイラン大統領講演、賛否巻き起こす

そしてその大統領のスピーチとその反響に関する興味深いブログを読んだ。全て英語だが、興味のある方はこちらから。

Bollinger's Belligerence: SIPA Students Respond to Ahmadinejad Talk

まず大きな問題として、表現の自由が挙げられる。私は大学に所属する身という事もあり、そして日米などでは憲法で認められている通り、思想の自由、表現の自由を支持している。もちろんそれらには制限があり、残念ながら時には政治的に利用される事もわきまえている。コロンビア大学総長が、賛否両論の様々な政治圧力を受け今回のイラン大統領の招待に踏み切ったのも、そして世界が注目するメディアを目の前にしてその大統領を個人的にも政策的にも批判する際に外部からの政治圧力の役割があったという議論も、当然理解できる。

ただ招待を許したコロンビア総長がどう批判されようが、そこに政治的計算があったのは恐らく事実だろうし、それを多角的に客観的に証明するのは至難の業だろう。いずれにしても、物議を醸すイラン大統領をキャンパスに招待し、自分自身もフリー・スピーチのスピリットで彼を批判したコロンビア総長の行為は評価する。

同時に思うのは、イラン大統領の批判がここアメリカであまりに過熱している事である。イランは核疑惑があるものの、それを阻止しようと徹底的に抑圧するアメリカから見れば弱国に値する。イラン側から見てもそうであろう。イランへの批判に関しては、反イラン派にも当然表現の自由はあるのだが、それが過度に相手国を刺激する性質であれば、両国の外交問題にも発展しかねない。本来なら避けられるべきイランとの間の政治危機、そして戦争の可能性さえも不必要に高めてしまうかもしれない。

私は弱国と強国の軍事関係を研究している事もあり、一般的な戦争の原因を追究する事も仕事のひとつである。ここ200年あまりの戦争の歴史を振り返ってみても、過度の外交的な抑圧と挑発が、結果として不必要な戦争を起こしてきた例はいくつもある。そして前世紀に入り、核開発などを通して一般的な軍事能力が膨れ上がり、人類の安全を脅かす危険性が高まるときは、抑圧の使用は可能な限り制限されなくてはならない。イラクやアフガニスタンでの派兵が続いている現在なら当然の話である。思想や表現の自由というのはこのような状況では特に政治的に利用されがちでその危険性が高く、従って非常に敏感に扱われなくてはならないのである。

写真:http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/photo/2005/06/26/PH2005062601297.jpg

ブリガム・ヤング大学での講義の感謝のメール

週が明け、金曜日に行ったブリガム・ヤング大学での講義の感謝のメールと感想が担当者のエリック(教授)から送られてきた。部分的に転送すると、

Nori, Thank you for taking time to come and talk to my students. Your presentation was informative and you have a very engaging style that the students liked very much...

こういうのって嬉しいね。にっこり

今日の音楽http://www.youtube.com/watch?v=Whw08RmUFNg

パリ出張が決定

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博士論文の研究のためのパリへの出張日が決まった。早速切符を手配。ちょうど一ヵ月後に出発し現地に一週間滞在する。

論文の事例として、インドシナ戦争(ベトナム対フランス)を研究している。別の事例のマラヤ危機と兼ねてマレーシアとベトナムへの出張は来年日本への帰国時に予定しているので、今回は地理的に近いパリを最初に選んだ。

フランス語に少し不安を覚えるので、過去3年間のトレーニングに2度の訪仏の経験を糧に復習しようと思う。初めてのフランス入りは18歳の冬、そして2度目のは2001年にノルマンディーを訪れた時である(ノルマンディー上陸作戦の地にイギリス側からフェリーで乗りつけた)。ただ仮に基本的な会話ができようが、資料収集やインタビューとなると話が違うため、どうしようかと今模索中。

写真http://www.virginmedia.com/microsites/technology/slideshow/vm-tech-gallery/7wonders/img_8.jpg

シンクタンクのソフトボール・チーム

金曜夜は現在バージニア州ノーフォークで米海軍の訓練を受ける、今年海軍兵学校を卒業したギャレットと再会。夕食を「すし太郎」で取った後、自宅に泊まらせる。あと二週間で佐世保の海軍基地に配備される彼、日本行きを楽しみにしていた。

土曜は、午後1時半から、ブルッキングス研究所の知り合いが主催するソフトボールのゲームに参加。初参加の私を暖かく迎えてくれた。ワシントンに存在する多くのシンクタンクには、研究所が集まって作るソフトボールのリーグがあり、夏の間だけシーズンでプレーする。秋からはオフシーズンのため、今日参加したチームはなんとあらゆるシンクタンクから有志が個人的に集まってできたチーム。今日はブルッキングスのほかに、ケイトー研究所Center for American Progress、そして National Democratic Institute など。自分の研究所外での友人を作る良い機会である。

私は小中と野球部だったのでソフトボールには自信がある。今日は5打数ほど回ってきたが3本のヒットに4打点は最初のゲームにしては上出来。守備はサード、レフト、センター、そしてファーストを守った。こうやって既存の殻を破って外にでて友人を作るのは楽しい。

最近聴いた曲(最初と最後のは高二の時に聴いていた):
http://www.youtube.com/watch?v=ZpucUihZ4HE
http://www.youtube.com/watch?v=XhSx8uKdD5o
http://www.youtube.com/watch?v=Ae68NB-mOe4
http://www.youtube.com/watch?v=H9vzwgI_2P0

大学での講義は成功

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金曜は午後1時からブリガム・ヤング大学のワシントン・キャンパスに赴きアフガン・イラク戦争の講義を行った。

現地到着は12時半頃。いつも通り発表前の数分前に着いてプレゼンの練習をするため。ここブリガム・ヤング大学はキリスト教のモルモン派の大学で、ビルの至る所に宗教画が飾られている。ワシントン担当教授のエリックと挨拶し、準備を進める。開始時間が近付くと生徒が入室する。流石はユタ州の宗教系私立大学、一名を除いて参加者40人ほど全て白人である。

エリックから軽い紹介を受け、講義を開始。とはいっても私のプレゼンを見た事のある方は知っているように、私のは聴衆に直接語りかけ会話をベースに講義をするスタイルで、一方通行的で退屈な講義ではない。半分コメディで笑いを取りながら進めるショータイムである。

最初っから飛ばした。例によってマッチング問題から始め生徒のウォームアップをしてから、議論を生み出すトピックを次から次へと投げかけ、生徒の反応を見ながら進めた。反応もよく議論も簡単に進み大盛況であった。

講義中に、生徒側からいくつかのシブい質問もなされた。自分の博士論文の研究内容も聞かれた。答えられるものもあったが、難しい物も、準備を必要とする質問もあった。それらも含めて、今回の講義は自分の研究に非常に良い経験になった。国際関係学や安保問題の講義の経験は過去にあったがアフガンとイラクに関しては実は初めてで、この講義のために数時間の準備が必要だったが、今後は中東問題にも自信を持って挑む事ができる。初めてで自信のない事でもチャレンジのスピリットを持ってすれば成功し、それが今後の自分を強くする事ができるのなら、これほど刺激的で自分のためになる機会はそうはないだろう。そして何よりも、生徒たちが喜んで講義に参加してくれたのには感激である。ちなみに、この講義も当然無償である。

写真:ブリガム・ヤング大学のキャンパス

イラク・アフガン戦争のマッチング問題

毎日博士論文を書きながら、金曜日の講義の準備をしている。授業の最初に、生徒の士気を高めるために行うマッチングの問題を先ほど仕上げた。私は普段の授業でもマッチングを行うようにしているが、今回のように初対面の生徒が相手で生徒のノリを上げるためにも必要だと思う。こんな感じ。

1. Petraeus - - Afghanistan
2. Blackwater - - terror threat exaggerated
3. Mueller - - surge
4. War of necessity - - security privatization
5. War of choice - - Iraq

答えは、
1. Petraeus ----- surge
2. Blackwater ----- security privatization
3. Mueller ----- terror threat exaggerated
4. War of necessity ----- Afghanistan
5. War of choice ----- Iraq

講義の準備と生徒への宿題

今週金曜に行うブリガム・ヤング大学の生徒への講義なのだが、久しぶりに教壇に登って授業をするのが楽しみで楽しみで仕方がない(最近それ位しか楽しみがないのである)。何か生徒に宿題を出しても良いと言われたので選んだ小論文はこれ。

Is There Still a Terrorist Threat?: The Myth of the Omnipresent Enemy
By John Mueller
From Foreign Affairs, September/October 2006

この論文の要点は、「テロリストなどアメリカに存在しない」、「一般に恐れられているテロの脅威など神話に過ぎない」など非常に刺激的な内容。この論文をベースに講義と生徒との対話・議論を進めていく予定。

大学講義の準備、ブルッキングスのソフトバール・チーム

今週の金曜日にユタ州にあるモルモン系のブリガム・ヤング大学の生徒のために講義をするのだが、その準備に今日は追われた(イラク・アフガン戦争のブリーフィング)。先ほど担当者の方と電話で話したのだが、コロンビアで博士を取ったある意味私の先輩で、私の学部時代の指導教官だったエンジェル教授の元同僚に当たるということで、少し話が盛り上がった。

そして今週末から、隣の建物のブルッキングス研究所のソフトボールのチームに加入する事になった。実はこのチームには4年前に属していて、今年は毎週土曜の午後に練習試合が行われるという。まさにスポーツの秋である。やっと野球ができる!
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