Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士号取得→アメリカ空軍戦争大学勤務→現在はセントルイス大学の政治学部准教授及び国際関係学科主任。専門はサイバー、国際安全保障。航空自衛隊幹部学校客員研究員(2016-18)

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今日の散歩道にて

中々珍しい白黒のガチョウのカップル。少し親子にも見えたが。

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三浦瑠麗氏の「日本に絶望している人のための政治入門」読了

三浦瑠麗氏の「日本に絶望している人のための政治入門」を読了した。総合的にはとてもよい本で、必ずしも入門レベルだとは思わないが、著者の個人的な考えが広く伝わる、有益な一冊だった。

先日書いた通り、冒頭の部分には幾つか問題がある。前例に加え、28頁から始まるリアリズムの議論も改善の余地がある。政治学の中でもリアリズムには幾つもの定義がある点、日本国内の現実主義と国際関係学のものには相違がある点など、指摘する箇所は多い。また、32頁にある「リアリズムの反対はイデオロギーだ」という主張もより深く考慮されるべきだ。リアリズムを現実主義と訳せばその反対は非現実主義、つまり理想主義になりえるし、イデオロギーの逆は必ずしも現実主義というわけなく、物質主義としても考えられる。この本の前半は特に、カタカナが入る部分に幾つかの問題がある傾向がある。

他方、36頁以降は素晴らしい論考が続出する。私は著者が施す、日本のいわゆる「右傾化」の点や靖国神社参拝に関する記述に賛同するし(54頁)、戦後日本の政党政治の変遷の説明、維新の基盤維持の説明などは納得のいくものばかりだ。更に少子化や男女差別問題など、日本が直面する問題が上手に説明されている。

しかし総じて、この本には学問的基盤が欠けているため、著者の主張に一貫性が見つからない点が残念だった。もしそれをコンパッションとするのなら、それに基づく既存の分析を挙げ、それが日本の政治にどう適応するか説明すべきだった。内政の分析は優れているが、その根幹とも言えるテーマが無いため、安倍政権時の政治問題を幾つか選んでそれを解説する作業が延々と続くという、単なる時事評論になってしまっている点が浮き彫りになっている。前半の部分を強化すれば学問の世界でも通用する素晴らしい政治分析の一冊になっていたと思う。

産経新聞「安倍氏が世界に示した先見性 尽きぬ賞賛 ワシントンポスト「改憲支持」」

この記事にある、ワシントンポストの憲法改正に関する部分に注目すべき。



これはアメリカの対日政策を変化させる可能性を持つ動きで、意外かつ良い方向性を示唆する。他の大手新聞社も追随して欲しい。

堤 未果氏の「沈みゆく大国 アメリカ」読み始め

堤 未果氏の「沈みゆく大国 アメリカ」を読み始めた。



日本ではあまり知られていないアメリカの実像を報告することは極めて大切だ。現代のアメリカがどう説明されているかとても興味がある。

東洋経済「ANAとJAL、燃油サーチャージ「空前の高値」の苦悩」

納得できるいい記事だ。



コロナに加えてウクライナ情勢で再確認したのは、海外出張や旅行は行けるときに行っておいたほうがいいこと。人生待っていると失うものが多い。

私が出張が重なった5月・6月は航空券の値段は高いとは感じなかった。それは3月及び4月という少し早めの時期に購入していたこともあると思う。一方で今の時期に値段を見ると高騰しているかもしれない。

ただ、今秋以降は状況が変化する可能性がある。今年12月の話だが、先日調べると、例えばポルトガルへの飛行機はアメリカから300ドル台で売られている。
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