Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士号取得→アメリカ空軍戦争大学勤務→現在はセントルイス大学の政治学部で教えています。政治学部准教授、国際関係学科主任、そしてアジア学科主任。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。

モレンビーク@ブリュッセル

昨年モレンビークを訪れた際のエントリーにコメントを付け加えた。


法隆寺から藤ノ木古墳までの細道

数年前、法隆寺から藤ノ木古墳まで歩いた。春日古墳沿いの細道は風情に富む。1キロにも満たない短い距離だが数十分かけてゆっくり歩きたい。

斑鳩の 大空仰ぐ 夏の木々

と、中学3年生の時に詠んだのを思い出す。

ル・カレの A delicate truth

ル・カレの A delicate truth を読んでいる。



背景は今のところ、ロンドンとジブラルタルにある。このブログにも登場する他のスパイ小説と比べて、この本は詳細に富んでいる印象を持つ。登場人物の人柄や人相、動きなどできるだけ鮮明に書いている。

今後どう展開するのか楽しみだ。

インテリジェンス・国家安全保障の学生奨学金

インテリジェンス・国家安全保障に関する論文の、学生奨学金の公募が出ています。興味のある学生の方は是非どうぞ。締め切りは今月末のようです。


最近の成果

まずは Cuboro。これはこの後更に発展させた。まだまだ行きます。
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レゴとトーマス機関車のコラボで、2階建て機関庫を建設。屋上には花も咲いている。
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東アジアにおけるNATOの動き

対中政策の一環で、NATOは東アジア諸国との関連を更に強化するとのこと。日本も他国と共に名指ししている。日本の防衛関係者は喜んでいるだろう。



NATOは過去にも増してより「政治的に」使わなければならないと言っている。しかもこれがトランプではなく、NATO事務総長のストルテンベルグから来ていることが重要。事実、日本とNATOの強力は今始まったことではない。例えばサイバーの分野でも見られる。



ただ、トランプからも批判を受けている欧州諸国の少ない防衛予算で、NATOが東アジアまで足を伸ばし重要な役割を担えるかは不透明だ。

安全保障系の国際会議で予想以上に成功する方法

安全保障系の国際会議で「予想以上に」成功するアイデアを幾つか書こうと思う。私も大学教員として就職から10年が経過し、ある程度の経験も積んできた。このエントリーでは、その経験を踏まえ、安保系の国際会議でどのように振舞えば上手くいくかをシェアしたい。

これは例として、主に欧米を舞台に、他国の軍人や外交官が出席する、2日ほどの、50名ほどが参加する学問・政策の会議・ワークショップを想定している。また、こちらは単に出席するだけでなく、実際にパネルで役割を与えられ、15分ほど英語で研究を発表をする立場であると仮定する。そしてその発表は個人としてであり(つまり自分の意見を自由に言える立場)、自分以外に知り合いがほとんどいない会議を想定している。

1.会議出席の招待を受けたら、できるだけ早く、丁寧に、そして端的に相手に返事をすること。安保関係者、特に軍人は当然のことながら、比較的時間に厳しい。我々民間人のルーズさへの理解もあるが、会議のセットアップの段階から彼らのスピードに合わせておくと物事を円滑に進めることができる。

2.主催側の代表と一対一でメールの連絡をする際は、そのメールが全くの他人(例えば会議のスタッフや同僚)に知らないうちに転送され、シェアされる可能性を留意すること。この風習は米軍では特に顕著で、例えば一人に送ったメールが30分後には10人にCCされ返事がくることがある。従って相手とのメールではプライベートの情報の共有を慎むこと。また、連絡の中で常にポジティブでいることを念頭に入れておけば、会議が始まる前からいい印象を相手側に与えることができる。

3.会議に出席するための出張費用や、誰が支払うのかなどの点は、移動手段の切符を購入する前に明確にしておくこと。

4.会議の開催地に到着し、ホテルのチェックインなど済ませ、主催側とのアイスブレーカーに参加する。この際、一番最初に主催者のところに直接赴き、自己紹介し、握手をし、今回招待してくれたことを相手の目をしっかり見て笑顔で感謝する。相手が名刺を出してくればその場で名刺を交換する。しかしこちらから名刺を出す必要はない。名刺交換するのは相手とある程度仲良くなり、近い将来再び仕事を一緒にすることになった人間、もしくは仕事ではなく友人として仲良くなり、SNSなどの別の形でも交流を深めることになりそうな人間とする。日本の名刺ルールは欧米では異なる。

5.会議当日、集合時間の5分前には集まること。

6.会場入りし、最初のパネルにオーディエンスとして参加する。私のパネルは初日ではなく、2日目だったとしよう。最初のパネルで重要なのは、質疑応答の時間を利用し自分の存在を明確にすることである。まずは挙手し、パネリストの一人に対してフレンドリーなコメントと共に質問をする。これは非常に重要な点で、自分の存在を会議の最初の時点で参加者全員に知らせることができるという利点がある。また、それ以降のパネルの最中や、質疑応答の時間でも、最初にした質問に他の参加者がピギーバックしてくるため、雪だるま式の相乗効果があるのである。

我々日本人にとってこれは特に重要である。先制することにより心理的優越性を形成することができる。最初の段階で参加者として貢献しているという雰囲気を作ることにより、自分の存在価値が会議全体に伝わり、気持ちが高まり、心理的な余裕が生まれ、他の参加者との交流が一気にしやすくなるのである。逆を言うと、この最初のチャンスを逃すと、期間中にそれを取り戻すことが難しくなるため、日本人にとっては致命的なミスになる。

7.その際は単なる質問ではなく、このようにしたらより良い研究ができるよう、アイデアを提案すると、相手からの印象も異なる。また、褒めることも忘れない。

8.最初のパネルが終わり休憩に入ると、その発表者に直接赴き、まずは発表を褒める。そして自分の所属を相手に伝え、共通の話題を探す。休憩時間は短いため、この際は会話を短めに終わらせるが、こうやって種を植えることにより、会議期間中は話をしやすくなる。また、他の参加者もこの行為を見ているため、こちらに話しかけてくる可能性が高まる。

9.自分の発表は準備万端の状態で行う。(2日目の)自分のパネルの順番が来ると、着席し、同僚のパネリストと挨拶し、共通の話題を探す。パネルが始まり自分の番が来ると、まずは紹介してくれたチェアパーソンに感謝をし、自分の発表の要点から始める。その際、ジョークがあれば良いが、なくても構わない。あくまで中身で勝負である。発表の中で、前日の発表者の意見などを取り入れると良い。そして自分のプレゼンは必ず時間以内に終わらせる。

10.パネルの合間に開かれる昼食会などでは、初見の人やグループなどにも勇気を持って一人で入り込み話をする。我々日本人には慣れないことで、日本人の上司と一緒に参加している場合はそれも気になるだろう。実際、欧米でも全員が肯定的に反応してくれるわけではない。ただ、偶然でもいい相手に当たればよい会話が生まれる場合がある。また、そうやって勇気を持って話しかけてくれるのを待っている人間は実はかなり多い。この行動は日本などではあまり上手く行かないが(みんなもっと心を大きく持つべきだ)、欧米では驚くほど効果を発揮する。もちろん、名刺など必要ない。ワイングラスを持っていき軽く乾杯し自己紹介すれば、簡単に会話が始まることがある。

11.夕食会などは必ず参加する。まずは与えられた席に付き、近くの人としっかり交流する。ただ、可能であれば一つの席に長く居座るのではなく、移動し、何人とも話し合う。二次会にも参加し交流を深める。

12.会議が終了し、解散した。その際、主催者には挨拶し、感謝の念を述べる。ただ、参加者全員に挨拶する必要はない。名刺交換する必要もない。一方で、他の参加者と約束事などをした場合は(例えば論文の共同作業の約束)、数日後に必ずフォローアップし、今後の機会を作る。

13.大切なことだが、会議の期間中は常に笑顔とポジティブな態度を維持する。そして笑うときは笑い、相手を褒める。あくまで自然体だが、これだけで会議が一気に楽しくなるし、周りの人もそう感じるだろう。どんな会議でも中身で勝負だが、社交性は極めて重要である。

Bus Snodgrass の Holding the Line 読了

先日紹介した、Bus Snodgrass の Holding the Line を読了。



雑感だが、良い点を挙げるのであれば、至る所で正直に著者の気持ちが書かれていることだろう。本人のキャリアを進めていく過程で、辛いときの感情などもそのまま書かれているため、読者として感銘を受ける部分はある。

が、本として読む価値のある詳細は少ない。マティスに関しても、国防総省に関しても、この本から学ぶことは少ない。理由はというと、基本的に書かれていることは著者がペンタゴン入りし、クビになるまでの1年半のいきさつを、マティスの長官時代のネタと絡めて書いているだけであるからである。

著者は海軍航空部隊のパイロットが本業であるため、そもそもワシントンの「住人」ではない。従ってワシントンの政治力学の理解に乏しい。また、スピーチライターとしての仕事が忙しく、ほぼ毎日ペンタゴンの小さな部屋で過ごしているため、ペンタゴンの「他の」部署とのやりとりや、ワシントン全体の人間関係などの面白い叙述が少ない。

この本に関する噂話や出版に至るまでの過程はネットで色々書かれているため特記しない。マティスに関しては他の図書をあたったほうが良いというのが全体的な感想である。

アメリカではスーパーの店員も英雄

今日行った近所のアルディというスーパーにて。スーパーの店員はコロナの危険に直接接しているため英雄とのこと。これを他人でなく、(恐らく)自分たちで作るところがアメリカらしい。
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エスパー国防長官の次の人事

エスパー国防長官の左遷の時期が近づいている。側近は回避を望んでいるが、トランプ本人は次の候補のリストを既に要求している。



リストはもちろん公開されていないが、政権に近い政治家で言えばトム・カトン(「ト」の部分はほとんど発音しない。また、「コットン」とも発音しない)辺りが有力だろう。ただ、私の場合は自分でも驚くほど予想が外れるので、別の人になるだろう。



カトンでなければ、ボーイングか、ロッキードか、レイセオンかどこかの軍事企業の重役だろう。



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