Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2007年12月

今年の国際安全保障を振り返って

所属しているライオンズのプロジェクトの一つで、2007年の国際安全保障問題の総括をしている。いずれ最終版をこのブログに載せる事になるが、今回は今年最後のエントリーということもあり、ここに短くまとめる。私の主張は以下の3点。

.世界政治の最重要問題は国際テロである。そしてそれが最も強く影響する地域は中東、南アジア、そして北アフリカの一部であり、今後研究を通してそれらの地域の見識の拡大を図る必要がある。

.その主な理由は、地域の枠組みを越えた暴力、金、人、そして技術の拡散が他地域を侵し連鎖反応を生み出すことである。また、地球化現象(グローバリゼーション)は一般的に市場経済に頼る自由主義国家に経済利益をもたらし平和を促進する一方、発展途上国には過激で暴力的なイデオロギーを生みつけ通常兵器の輸出入を通し、これらの地域を中心とする第三世界の内部に不安定なサイクルを作り出す。

.日本のインド洋からの撤退は正しい政策だが(by default ね)、イラク戦争への加担は間違っている。アルカイダもイラクの過激派反乱軍も日本の軍事脅威ではない。世界はすでにイラク戦争に反対し、イギリス(バスラから)、スペイン、イタリア、ポーランド、ウクライナなどは撤退している。「国際社会の一部としてのイラク戦争への派兵」という考え方自体が実は日本の世界からの孤立を促している。

それでは皆様良いお年を。

Class and Standard

昔も書いたように、このブログのタイトル(国境なき政治学者)の代わりを探しているのだが、なかなかいいのが見つからない。昨日、テレビを観ていて思い付いたのが Class and Standard(「気品と規範」という意)。このエリーティズム溢れるシブいフレーズに一瞬シビれたのだが、このブログにはそんな要素がどこにもないことに気づいたので却下。「ソフィーの世界」よろしく、自分探しの旅はまだ続く…。

Gymnopedies
http://www.youtube.com/watch?v=DwSyhymTSN8&feature=related

ありえねー話・ティファニー

読んでて開いた口が塞がらなかった。俺の世界とかなり違うぞ! 英語だけれど訳す気にもならん。しかもこんな時間に俺何読んでんだか(夜3時半)。ありえねーくだらねー。

http://today.msnbc.msn.com/id/22330315/?GT1=10645

気分直しにティファニー。もう20年近く前の曲。当時はかなり影響された。

Tiffany - New Inside in Chile
http://www.youtube.com/watch?v=188QPgJxejw

大学院の受験を思い出す

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今冬は博士論文の研究とプリドク(博士課程の最終年のための奨学金)の応募に明け暮れているのだが、前者だけでなく後者も大変な作業である。

今月までに4つほどのプログラムへの応募を完了させたが、まだ残っているだけでも数えて13もの準備が待っている。今までのと合わせて最終的には合計で20通もの応募をすることになる。正直ここまで多くのプリドクのプログラムがあったとは驚いたが(同時に喜んでいる)、ただ応募の締め切りが1月前半から2月前半の間と集中しているため、幾つもの願書を混乱せずにほぼ同時に仕上げる必要がある。そして競争率が高いため(世界中の政治学者が応募する)、一通一通洗練された提案書を何度も書き直しながら用意している。

こうして仕事をしていると、5年前の大学院受験を思い出す。当時も何度も何度も願書を書き直しながら、最終的に13のトップレベル校のみ受験した。その受験校の数の多さで、当時の私の自信の無さと不安が良く分かると思うが、果たして結果も散々だった。ただしアメリカの私立の大学院は入試の倍率が10倍から40倍まで上るから多くを受験して正解だった。今回は20通。どこかに当たるかね。

Support our troops.

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この寒い冬の時期、今年も国に仕えた無数の人間に感謝したい。その中でも特に海外に派遣されている自衛隊員に感謝したい。彼らの多くは国のために文字通り最前線で命をかけて働いている。外国の言葉を分かるわけでもない、いざとなったら己以外に救いを求める者はいない、少なくとも概念的には最も危険な職種である。

海外派遣の政策に問題は多い。日本での派兵のイメージは国際レベルのそれと大きなズレがあり、官僚でさえ気付いていない。そして私は日米同盟の維持という理由での日本のイラクやアフガニスタンへの派兵にも特に賛成はしない。敵国でもない国家に侵攻して逆に敵を作ることに矛盾を感じるべきである。戦争の目的は同盟関係の維持にあるべきでない。

ただしそれは自衛隊員の介入しない政治的な問題である。我々は、どんなに間違った政策に仕えていても、イラクでも、ネパールでも、ゴラン高原でも与えられた任務の達成のために多くを犠牲にする彼らに感謝するべきである。少なくとも私は彼らの味方である。

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そしてこの種のメッセージが右翼と勘違いされない社会になりますように。

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