Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士号取得→アメリカ空軍戦争大学勤務→現在はセントルイス大学の政治学部准教授及び国際関係学科主任。専門はサイバー、国際安全保障。航空自衛隊幹部学校客員研究員(2016-18)

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2008年01月

先輩に有名大学からオファー!

先ほどペンの先輩からメールがあり、今月中旬に面接を受けていた大学から教職のオファーが来たとの報告が! まだ本人の名も大学の名もここには書けないが(同業者は例のサイトなどでいずれ分かるだろうが)、この大学はアメリカの私立の有名大学。あまり面接と論文の発表が上手く行かなかったと先週金曜会った時に本人は嘆いていたがそれが見事にどんでん返し。同じく面接に呼ばれていた強敵のライバル二人を蹴散らし見事にオファーをゲット。ワ・ン・ダ・フ・ル。

彼のこの面接のために、今月上旬フィリーに行って準備の手伝いをしていた(参照:「ありがとう」のためになら…)。それが功を奏したのかもしれない。徹底的に弱点を指摘してプレゼンの向上の仕方などを話していたからね。少しでも手助けができて良かった。そしてこの先輩の経験は我が大学に良い先例を生み出したし、後輩の私にも活力を与えてくれる。私も来年には博士論文を終わらせる予定の身。頑張ろう。

早速彼に電話してお祝いの言葉を送った。嬉しそうだった。良かったねー。

フィリーには来週また戻る予定だが、その時にはディナーご馳走させたる。ノーとは言わせん。

元生徒がイギリス大学院の奨学金獲得!

先ほどペンでの教え子の一人からメールが入り、今年秋からのイギリスの大学院修士課程での奨学金(2年間の学費やら生活費やら考えうる費用全て)を獲得したと連絡があった(参照:久しぶりの推薦状)。

Hooray!
 

この奨学金はアメリカで最も競争率の高い奨学金の一つで、ペン大学内だけでも優秀な生徒の間で激しい競争があったはず。私の推薦状がどこまで役に立ったかは分からないが、この生徒は私に一番に教えてくれた。俺も自分のように嬉しいぜ。

今まで何度も数々の生徒に推薦状を書いていろいろなサポートをしてきた。普通の大学院の受験にしろ、就職にしろ、ワシントンでのインターンシップへの推薦状にしろ、留学のための推薦状にしろ、誰一人拒まず書いてきた。けれども今回のほど有名で、長期に渡って大金を出す奨学金は初めて。2年間の授業料、生活費、健康保険、交通費、プラス小遣いなど全て合わせて、それに最近のポンド高を考えれば合計金額はゆうに一千万は超すと思う。彼女の行き先はまだ決まっていないが、とりあえずロンドン大学キングス・カレッジの戦争学部には合格していると聞いている。残りはオックスフォードとケンブリッジ! 幸運を祈る!

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Enya "The Memory Of The Trees"
http://www.youtube.com/watch?v=KIpt_BIrIzM

酔っ払いのランデブー

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土曜は毎週恒例のドッジボール。場所は先週と同じケイトー研究所にて。写真はゲーム開始合図の直前(参照:暗闇のドッジボール@ケイトー研究所)。見る限り映画グーニーズに出てきそうな一面。それでもこいつら全員大人です。真ん中は最近親しくなったブルッキングスのブランドン。

仲間のトムが差し入れてくれたビールを飲みながらのプレーは酔っ払いが続出。2時間通しての遊びなので翌日の日曜と月曜は激しい筋肉痛。また、幾つか事情があり来週からはアメフトに戻ります。

ドッジボールの後はペンの同僚のウェンディらと共に打ち上げ。デュポン・サークル東のスポーツ・バーにて。泣く子も黙るランド研究所で勤務し日本語を話す方に紹介された。彼女フェイスブックやってると聞いたがどこにいるのか。

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これ私の最も好きなエンヤの曲の一つ。やっと見つけた。

Enya - Flora's Secret
http://www.youtube.com/watch?v=puu3qFXnrzM&NR=1

ケーキという名のケーキ屋さん(レストラン)

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木曜は午後3時ごろペンに到着。すぐさま学部長のエイブリーに幾つか頼み事をし、新任教授のマイクに少し相談事をし、図書館に赴き必要な文献をチェックアウト。

6時からは博士課程の定期生徒会が開催された。今回は上級の博士候補生にとって重要な関心事がアジェンダに多くあったので私も数ヶ月ぶりに参加。夕食には寿司が振るわれた(かつての生徒会長としての権力を乱用し私が提案。「たまには寿司食わせろ」)。生徒会の参加者は15名ほど。同期のメレディス、ステファン、ウィリー、デイブ、後輩のメラル、ズラル、エリック、ラハマン、ク、ダレイ、ティムも参加。会議は2時間に及び、その後はデイブやメレディスらとしばらく談笑。

翌日金曜日は午前9時から指導教授のジェニファーと朝食会議。場所はフィリー北部のレストランでその名も「ケーキ」。上の写真にあるこのレストランは温室を改造した珍しい建物で、インテリアにはもちろん植物が多く並べられ外からは太陽の光が直接入ってくる、とても明るい場所だった。そこでジェニファーが1時間半もの間、政治学会の話を混ぜながら私の研究提案書のドラフトを撤退的に書き直してくれた。教授から見れば悲しいほどナイーブな提案書だったろうが、文句一つ言わず、そして私が頼んでもいなかったのにここまで懇親的に指導して頂いて感激。帰りにはこのレストランにあるラズベリーケーキをお土産に頂いた。

その後は電車に乗りフィリーに戻り、H-Mart というアジア系デパートにて食材を購入、正午過ぎペンに到着。午後2時半から「エーミックス・クラブ」のいつものメンバーで集合。今回は後輩のダレイの博士論文の計画書(プロスペクタス)の内容について議論。数ヶ月前もこのブログに少し書いたが(大切な後輩たち)、彼は非常に面白いトピックを選んだのだが、そのアプローチの仕方にまだ問題があったため、先輩のジュー、後輩のクと一緒に問題点を多く突いてその解決法の議論をした。2時間。可哀想にダレイも疲れたろうがこのような過程は博士論文の成功には必須だと思う。彼にも頑張って欲しい。

5時、フィリー中心部からバスに乗りワシントンへ。

昔の教え子からの褒め言葉

3週間ぶりのフィリーから。

久しぶりに学部ビルの院生ラウンジに戻ると後輩のズラル(トルコ出身)と再会。彼女の方からやたら話したがっていたので聞くと、どうやら彼女の友人が私のかつての教え子だったらしい。その生徒は私からAは貰えなかったようで悔しがっていたらしいが、それでも私の授業を気に入ってくれて最高のTAだったと褒めていてくれたようだ。

先日も似たような事を書いたが(4つの嬉しいこと)、こう聞くと教職を選んで嬉しく思うし自信につながる。毎日毎日頑張って準備して本当に良かった。

米軍系情報をいくつか

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1.イラク開戦後のアメリカの対反乱軍戦略で一躍名を馳せた米陸軍のジョン・ナーグル中佐、今年で退役し8月からワシントンのシンクタンクへ。

行く先は最近有名になってきた Center for a New American Security

High-Profile Officer Nagl to Leave Army, Join Think Tank
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/01/15/AR2008011503359.html

:理解はできるムーブだがあまりいい案だとは思わない。陸軍にとっては大きな痛手になるだけでなく、それ以上に彼個人にしてもまだ早すぎると思う。

2.イラクでの米軍司令官のぺトレイアス将軍(写真)、イラクの次は中東を離れヨーロッパの北大西洋条約機構でのトップに就任か。ブッシュ政権と合わせて今年の終わりまでにイラクを去る可能性が高い。ナーグルにしろぺトレイアスにしろ、アメリカのイラク軍事戦略の変遷の兆候か。

Pentagon Weighs Top Iraq General as NATO Chief
http://www.nytimes.com/2008/01/21/washington/21military.html?_r=1&oref=slogin

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今週は木曜と金曜にフィリーに行ってきます。

当ブログの紹介

とあるウェブサイトの紹介によると、このブログはこんな感じらしい。

「ペンシルベニア大学政治学部、William Penn Fellow (国際関係学)、で、弱国と強国の軍事関係を研究している博士の卵である管理人が運営するブログ。日常の日記から政治学、国際関係学、安全保障、教育問題などの話題まで幅広く展開。国際政治の分野で鋭いエントリーも。」

:このブログでのエントリーはほんの序の口。私が本気になったら凄いの書けまっせ。ウインク

それにしても良くまとめられているなと関心した。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=500&o=23229&p=0

博士論文の進め方・安保系の友人コンタクト

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先月半ばフィリーに行った際に、私の博士論文に関して指導教授のエイブリーと話し合う機会があった(4つの嬉しいこと)。その後一ヶ月の間、昔の文献や新しく薦められた図書を読み研究し、他の人の意見も取り入れて考え通した結果自分なりの考えを出すことができたので、昨夜彼に長いメモを送った。そしたら数時間後にはアドバイスぎっしりの返事が返ってきた。まだ問題はあるがそれも少しずつ解決されてきたし、反応は良好。

博士論文を進める過程で、教授陣との関係の維持と、彼らとの対話がいかに重要であるか分かってきた。論文終了まであと一年の予定。このペースを崩さず頑張ろうと思う。

「国際紛争において弱者がどう強国を倒すか」というありえないほど難しいパズルも、信じられないだろうが苦労を重ねてゆくうちにこうして答えが出てくるのである。

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先週参加したコロンビアのレセプションで知り合った後輩学生数名から安保系のコンタクトの依頼をされた。そこでコロンビアの同期で今回参加できなかった旧友の何人かに連絡したところ、米陸軍将校のデービッドから返事が。去年までは韓国の米軍基地に配備されミサイル防衛を担当していたのだが、今年からバグダッドのイラク内務省の情報局に配備されたのこと。別の旧友マイクにしろ(彼は国防省所属の情報機関に勤務し爆発物処理の研究をしている)、周りの人間でイラク行ってる人って結構いるのね。

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大学バスケで応援しているトップランクのノースカロライナ大のター・ヒールズが今期初めて敗北を喫した。相手だったメリーランド大は強敵だがそれでも信じられん。ハンスブロー…。悲しい

ちなみに2m6cmのハンスブローが彼より25cm高いジョージ・ケニーの上からダンク決めた伝説のビデオはここ。

http://www.youtube.com/watch?v=xXK7wnR_V2c&NR=1

http://www.youtube.com/watch?v=fnBkMz-kpsg&feature=related

小さい奴が強敵を倒す劇、これぞまさに非対称戦争。博論に響くぜー。

写真http://www.mrtarheel.com/snews.gif

暗闇のドッジボール@ケイトー研究所

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土曜は午後からいつもの連中と再会。先週まではアメフトだったが最近寒くなってきたので今週から室内ドッジボール。1時半にケイトー研究所に集合。

室内とはいっても場所は研究所の地下の駐車場にて。ここに大の大人14人が詰め掛けて2時間以上ボールのぶつけ合い。ボールは同時に4つ使った。メチャクチャ盛り上がった。

写真はゲーム開始直前の模様。ボール4つをコートの中心に置いて開始の合図と同時にそれに向かって駆け出す瞬間。ドッジボール・マスターと公私共に認められている俺様は後ろに控えて葉巻をくわえて余裕のワンショット。写り悪くてすみません。

途中、あまりに燃えていたのでコートの中心で相手チームにいた友人のジェークと正面衝突。メジャーリーグのオリオールズ傘下のチーム、ブーイ・ベイソックスでイベント・マネージャーをする巨体を持ち、体のサイズは文字通り私の倍はあろう彼に突っ込んでいった私は頭とお腹を強打。倒れこみ意識を一瞬失うも数分後には見事復活しゲームの勝利ドッジボーラーに。スポーツっていいねー。また来週!

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ヒラリー2連勝(クリントン氏連勝)。ブラボー。

コロンビアのレセプションとブルッキングスでの新しい友人

木曜日は加藤教授のプレゼンの後、3時半からお隣ブルッキングス研究所で研究員をしているキャロラインと会ってコーヒー。彼女はエール大歴史学部の博士候補で、普段毎週末に一緒にアメフトをしている共通の友人ブランドンに紹介してもらった。いろいろ質問があったのだが優しく答えて頂いた。

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午後6時半、雪の降る中フォーシーズンズ・ホテルに赴き、コロンビア大大学院のレセプションに参加。参加者は数百人の立食パーティ。私も珍しくスーツで参加。残念ながら私の同期を一人として確認することはできなかったのだが、私が昔専攻していた国際安全保障政策を勉強している現役大学院生数名と知り合った。つまり私の後輩である。彼らはこの狭いワシントンの中で頑張ろうと、一般的に「あっ、安保の人ね」と偏見交じりで言われ続ける学問的少数派として、金はないが夢と希望と誇りを持って努力する数少ない同士でもある。彼らと話していて少し驚いたことはコロンビアで安保を勉強しているアメリカ人に日本に興味のある人が多かったこと。必ずしも親日というわけではないだろうが(反日系の知日派は多い)。

また、今回知り合った人の中に日本の外交官が一人いたので話してみると、外務省での共通の知り合いを数名確認。世界は狭い。彼との話の中で日米同盟を叩いて更に今回のインド洋再派遣のことで攻めてたら(彼自信は不関与、「補給支援法が成立」参照)「あまりいじめないで下さいよ」の一言…。ごめんねー。

いずれにせよ、残念ながら卒業後は私は政策から離れ学問の世界に足を踏み入れたが、後輩のためにできることがあるなら努力する。何らかの形でサポートができればと思う。
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