木曜は正午から同じビルにあるカーネギー国際平和研究所にて、東大の加藤淳子教授の講義に参加。議題は Do Politicians Matter in Japan? (日本で政治家は重要か?)。写真では数人しか写っていないが、参加者は50名ほど。大雪という中、そしてここ数年のジャパン・パッシング(passing)を考えればこの数は多い。日本人参加者は10名程。今回は私が聴いていて思ったことをいくつか。
1.タイトルの答えは明らかで、より良い議題の立て方があったと思う。普通に「政治家は重要か」と尋ねるのではなく、いつ、どのようにして、そしてどの状況で重要かという質問の仕方のほうが「重要」だと思うし理解しやすい。政治学者のハロルド・ラスウェルが「政治とは誰が何をいつ、どこで、どうして得るかの問題」と言ったのは70年も前の話! せめてそこから話を進めて欲しかった。
2.海外の博士号を持つ東大教授の多くは英語を満足して話せない。これはアメリカのトップレベルの大学院で博士になった方々を含む。日本ではあんなに態度のでかかった人でもワシントンに着いた途端に縮こまるのはこれに部分的に起因するのでは(逆も然り)。
3.教授の講義はよく準備されていたのだが、ワシントンの聴衆にとっては学問的過ぎたと思う。ここは政策の街であり、大仰で詳細な歴史的なテーブルを出されても理解できる人間は多くなく、理解する時間もなく、興味を持つ人間は更に少ないはず。あと、これは重要だがどのような場合でも、プレゼンで準備のノートを読み続けてはいけない。聴衆の目を見てもっとダイナミックに進めるべきだとも思った。
4.最後に、講義の内容は東大などで教える講義の英語バージョンであるような気がした。単に日本の政治の変遷とその歴史の話をして当たり前の議論をしても意味はない。プレゼンをする人間は、最新の議論を研究し、もっともっと相手の目の先を読んで論じるべきなのである。
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もしも今日見たプレゼンがアメリカで博士号を受けた日本人政治学者のスタンダードなら、私にさせれば聴衆の度肝を抜くプレゼンができると思うし、そう努めてきた。専攻は違うが。