Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士号取得→アメリカ空軍戦争大学勤務→現在はセントルイス大学の政治学部准教授及び国際関係学科主任。専門はサイバー、国際安全保障。航空自衛隊幹部学校客員研究員(2016-18)

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2008年02月

珍しく多忙

日曜にフィリーに来てから毎日が大忙し。睡眠時間6時間を切る夜もある。けれどそれもあと数時間で終わります。

土曜日のオフィスでパシャっとな

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土曜日、毎週末恒例のアメフトのゲームでは数週間ぶりに大学での同僚で友人のウェンディと再会。新しい友達が何人かできた。その後は仕事場に戻り少し済ませて急いで帰宅、翌日日曜は午前5時起き(今さっき)でフィリーへ向かう。

今後10日ほどはワシントンから離れています。

写真:ゲームに行く直前。仕事場にて。

音楽ATB - Hold You
http://www.youtube.com/watch?v=g1mZsaROYro

最近気になる世界の国々3

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前回に続いてシリーズ第3弾。過去ログは

最近気になる世界の国々

最近気になる世界の国々2

を参照のこと。

1.コソボ

先週日曜、予定通り独立宣言を貫いたコソボ。その一方的な動きはセルビア側の反対運動を起こし、独立を承認したアメリカの大使館をインフェルノへ導いた(写真)。西洋国家の多くは首都プリシュティナの独立を承認するも、独立運動の連鎖反応を恐れるロシアは反対。これを機に、世界各地で独立を目指す政治指導者は「コソボ・モデル」の採用を検討を開始。パレスチナのアッバス氏は独立宣言を思考中。そして国民主義の波は中東だけに収まらず、グルジアのアブハジア、ナゴルノ・カラバク、そしてもちろんチェチェンなどでも一方的な独立宣言の噂が立ち始めた。世界政治のドミノ論。

2.パキスタン

先週の議会選挙で大敗を喫したムシャラフ大統領、自身の進退問題には発展しないだろうが、ここ数年の国内・外交政策の不人気を痛感せずにはいられない。今回の圧勝で議会内での多数派を得た野党側は、少しずつお互い歩み寄って連立の動きあり。ただその長期的な安定性には不安が残る。一方で対テロ戦争の一環としては南西部のワジリスタンを中心に不安定が続く。

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3.アメリカ

水曜夜、従来の衛星軌道から離れてしまい地球に不時着する可能性のあった人口衛星に対して、イージス機能搭載した米海軍駆逐艦レーク・イリーがスタンダード・ミサイル3を発射し衛星の破壊に見事に成功。思想的な平和主義者は、この例に見る軍事兵器の「平和利用」を認識すべし。

もちろん重要な問題は残っている。有害物質を含む燃料タンクの破壊を確認するには時間を要するのと同時に、アメリカ主導のミサイル防衛計画に反対する中国は即反発。ポーランドやチェコ共和国へのミサイル防衛配備に反対するロシアの動きが遅いのは正直意外。

4.キューバ

今週政界からの引退を宣言したコマンダンテ・カストロ。その引退は単にキューバ国内の政治・軍事指導の変化を表すだけではなく、影響は西半球全体(北米、中米、南米)に及ぶ。キューバの「心と魂」を勝ち取るべくライバル意識を散らし始めたのは隣国アメリカと、最近南米で急進的に目立ち始めたベネズエラのチャべス大統領。

写真

http://www.msnbc.msn.com/id/23277147/

http://www.usatoday.com/news/washington/2008-02-19-satellite_N.htm

教え子との再会

昨日木曜日は仕事場の同僚2人と元同僚の4人で近くの日本料理屋「寿司太郎」で昼食を取った。4人ともアジア人という事もあり話題はほとんどがアジア系のネタ。例えばキョンシーとか、テンテンとか(知ってる?)。

午後6時、今年イギリスの大学院の幾つかに合格し、修士課程の奨学金まで勝ち取った元教え子と再会(参照:元生徒がイギリス大学院の奨学金獲得!)。この大健闘を讃えるためデュポン・サークル近くの地中海レストランでお祝いを兼ねてご馳走した。進学先をまだ決めかねていてそれに関して相談に乗ったが、恐らくロンドンに落ち着くと思う。この元生徒は若干22歳にして米政府のTS(トップシークレット)のクリアランスを持ち米海軍の諜報機関で働く強者。仕事も上手くいっているようだった。

フィリーでの夕食会

先月ある私立大学から教職のオファーを貰った先輩から、来週私がフィリーを訪れるのに際してグループで夕食会を開いてくれる事になった(参照:先輩に有名大学からオファー!)。何て嬉しい。あんなにプレッシャーに押されていた先輩を諦めずに励まし続けて良かった。お礼など考えてもいなかったが(こちらの学問はそういう世界ではない)、良い事っていうのはこうして連鎖すると思う。今週末フィリーに行くのが楽しみだ。

私は努力して苦労に立ち向かう人間に対してはサポートを惜しまない。6年前のワシントンの時も、去年春に東京での客員研究職を探していた時も(参照:夏の客員研究先が決まりました!)、多くの人間が苦労している私に目も向けなかったが(諦めるよう促す人間も多かった)、その中でもいつも必ず救いの手を差し伸べてくれる人が少なからず必ずいた。私もそんな素晴らしい人間の仲間入りができるよう、彼らの行為を手本にしてこの手助けのサイクルを後輩の代に伝えたい。

オバマの「問題」

ネガティブ・キャンペーンは好まないがオバマに上院での実績がない事実は重要。

"Hardball" Way Too Hard for Obama Supporter Kirk Watson
http://youtube.com/watch?v=jj4VK9wVAi0

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プリドクの応募、まだまだ続く。長い。疲れてきた…。

米軍関係のプレゼン・ナーグル中佐

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火曜は午前10時から米軍関係のブリーフィングに参加。最近ワシントンで急速に巨大化している Center for a New American Security と、ここ数年で世界でも有数の高級雑誌に様変わりした Foreign Policy の共催によるもの。場所は Willard Inter-Continental Hotel にて。トピックは最新号に掲載されている米軍の軍事指標について(The U.S. Military Index)。

今日の注目は、最近米軍を退役しCNASに文民の研究員として加わる事になったナーグル中佐(参照:米軍系情報をいくつか)。CNASデビューである。彼は将来の米軍を代表する頭脳の持ち主で話も上手だが、それが今後どの程度、そしてどの期間ワシントンで通用するかはわからない。来年のアメリカの新政権(ペンタゴンとホワイトハウス)への参加を思っての決断だろうが、大統領選挙の動向がこれほど予想不可能な段階で、私にとっては今一そのギャンブルに同意できない。これに関しては何人かの米軍通と話したが、彼らはナーグルの立場とこのタイミングを理解する一方(私も理解はできる)、では「軍に残っていたらどうなっていたか」との半事実の質問をすると納得のいく答えは返ってこない。

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昼食前にはホテルを後にし仕事場に向かった。週末明けで溜まっていた作業を片付けた。

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写真:ナーグルは右から2人目。

来週日曜から10日ほどワシントンを離れます。

天使の微笑み

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今日、コロンビア時代の同級生で友人の一人がご結婚なさる(改めておめでとう!)と報道されたので検索してみると、彼女のウェブサイトに私の当時の写真を見つけた。

場所はここから(「あがり」の右側をクリック)。そんなに気に入ってたのかあの一枚。卒業式にて。

音楽:カリンカ

http://www.youtube.com/watch?v=ClG2IIh4I3c&feature=related

海軍兵学校でラテンアメリカを語る役

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年末に参加が決まっていた今年4月の米海軍兵学校での学生会議の件で詳細が送られてきた(参照:祝!3年連続でアナポリス海軍兵学校へ!)。ある士官候補生からのメールだったが彼らと連絡する時は、その礼儀正しさにいつも感動する(私の事を間違って「のり教授」と呼ぶ点も含めて)。

今年の会議を担当する主任教授のレベッカとは去年の会議で知り合い、今年の会議にはその時に招待されていた。そしてレベッカは私の博士論文の指導教官の一人と大学院時代からの友人で、共通の友人という事で話もすぐに打ち解けた。

ただ少し気になる点は、今年の会議で焦点を置く地域が、私の専門からは程遠い南米である事。旅行で一番近くへ行った所とは言ってもメキシコ(中米)とプエルトリコ(カリブ海)である。私の研究内容とのギャップを理解してくれたのか私の状況に同情してくれたのかは知らないが、担当するパネルは私の専門に最も近い「ラテンアメリカの軍事作戦」にしてくれた。それに関してもあまり知らん。だから今から少しずつ勉強して、参加者の期待に応えられるようにしっかり頑張るよ。

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素晴らしい曲。もっと早く知っておきたかった。

Billy Joel - Honesty
http://www.youtube.com/watch?v=rgmJ1miBzek

イメージ: http://www.soaw.org/presente/images/stories/thumbs/colombiansoldier.jpg

政治学会の討論者に!

untitled.bmp先日の学会発表の合格の知らせに加えて(参照:「学会でボストン行きが決定!」)、今年の学会のパネルで討論者の役割を頂けるとの連絡を受けた。

これは普通のパネリストとしての発表とは違い、一つのパネルを構成する4?5人の研究者の論文を予め読んでコメントを用意し、本番の学会で聴衆の前でそのコメントを発表する役目。

私が担当するパネルは unconventional war strategies (非通常戦争での軍事戦略)で、私の専門の通りである。こんな重要な役割を与えられる事は名誉な事でもあり、嬉しく思う。同時にいつもより余分なプレッシャーがかかるだろうから準備はしっかりしていこうと思う。
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