Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2008年10月

大統領選挙、コンタクト、オバマの組閣内容

金曜はニューヨークタイムズ紙にオバマ支持の社説がようやく掲載され、民主党の大統領選挙勝利の風向きがさらに強まった。今日現在ではフロリダやノースカロライナ州でさえ民主党寄りなのである(参照:http://electoral-vote.com/)。ここまで差が広まるとは思っていなかった。

ただ同時に、アメリカ政治を専門にしている民主党寄りの同僚の大学院生数人に話を聞いても、返ってくる返事は注意を喚起するものである。その通り、「油断」できない理由はいくつもあり、例えば正確な予想の不可能さ、選挙日当日の投票率(turnout)や天気、気温などの要素、そして投票者の抑圧(voter suppression)や偽情報のでっちあげ(disinformation)など共和党の細かい選挙戦術の有無と効果などが挙げられる。

私個人は日に日に楽観的になっているが、実際にはそれが現実となる11月4日までは何が起こるかわからないのである。

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このブログではここ最近大統領選挙のネタが多いせいか、このブログの読者で、選挙に関わる日本の方々からのコンタクトが増えた。仕事を依頼される場合もあり嬉しいのだが、私の職は研究者であり、専門は国際関係学であり選挙政治やアメリカ政治でもないためほとんどの場合は残念ながらお受けできない。

同時に私の選挙に対する関心と専門性に限りがあるのは明らかで、ここで書かれていることをそのまま鵜呑みにすることは著者本人がお勧めしないという事も理解して頂きたい。

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一方で、私がここ数日興味ある問題はオバマ政権の組閣内容である。最も重要な国務、国防、財務などのポストへの候補者の数は多く同時に流動的なため、現時点での想像が非常に難しい。国務長官や国防長官で名が挙がっているのは、

国務:Bill Richardson, Anthony Lake, Richard Holbrooke, Susan Rice(低確率), そして信じがたいが2004年時の大統領候補であった John Kerry。

国防:Robert Gates, Richard Danzig, Sam Nunn, Chuck Hagel らが挙げれている。

グラマン社のポスター

トマス・シェリングの威圧論が海上にお目見え。
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war game

その名の通り戦争ゲーム。

今日の授業では普段のディスカッションにスパイスを加える形で内戦ゲームを展開。クラスを3つのグループ(政府・政府の転覆を望む反乱軍・内戦の拡大化を阻止する国連軍)に分けそれぞれに特別な任務を与えた。トピックももちろん「どうしたら内戦を防げるか」などという陳腐な物ではなく、私の独断で「どうしたら政府を転覆できるか」「どうしたら反乱軍を壊滅できるか」などである。各々のグループの政治目的を達成するための計画、そう戦略の比較のエキササイズである。

普段の私の授業は非常に構造化されているのだが(準備通りに進めること)、今回はシナリオ作りをほぼ生徒全員に与え、属するグループの目的を完遂するための戦略作りをさせてみた結果、予想以上に想像力豊かで、知的な刺激に溢れる素晴らしい議論ができた。どのグループが一つでも問題発言をすると対するグループの反論の猛攻が始まる。今日出た、興味深い意見を並べてみると、

1.国連の介入などあてにならず、特に必要でもない(社会主義系反乱軍の代表意見)。

2.政府に加担する人間は殺害する(基本的な文民に対するテロ行為)。

3.内戦加担者(反乱軍と政府軍)の要請なくとも国連軍は国家主権を無視して介入すべき。

など。

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ニヤリ。

今冬の帰国予定

12月下旬から3週間ほど東京におりますわ。

パウエル将軍がオバマを承認!

ブッシュ政権で国務長官を務めたコリン・パウエル将軍が今朝、民主党大統領候補のオバマをついに承認。ほぼ決まりかけていた民主党の勝利へのドライブもこれでさらに加速するだろう。

パウエルは数多い米軍の将軍の中でも私がその総合的な判断力を信頼する数少ない人間である。この下のインタビューはほんの数時間前に撮られたもので、ただ単に今日のアメリカの政治経済状態をまとめてあるだけでなく、パウエル本人による魂の篭った非常に良いスピーチでもある。

Colin Powell Endorses Barack Obama for President
http://www.youtube.com/watch?v=efv3Vr8T9MA
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