Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2009年04月

印税の正しい使い方

印税という言葉を聞いて最初に思いつくのはもちろん、われらが毒舌王の有吉が猿岩石時代に得た印税をどう使ったのかという事である(=生活費)。

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今日の大学新聞から。

Prof's textbook sales aid charities

担当教授のエイブリーが、授業で使った本人の著作の印税を慈善事業に募金している。ここ3年続けているこの習慣が記事になった。本人に聞くと、生徒一人の購入で1ドル強入るという。クラスは全体で250名位だから、1学期で約300ドルの収入。それを「アメリカ赤十字」や「国境なき医師団」に送り国際協力に貢献し、一方で生徒本人が望む場合はその1ドルを本人に返すというもの。とてもいいアイデアだと思う。



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そんな彼に今日、夏の間に日本の大学で講義をすると伝えた。彼の返事は、

「あんまり問題起こすなよ」

世界でここにしかないフード・トラック

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世界ではここにしかない(似たようなのはあるだろうが)、その名もフード・トラック。これが何十と大学のいたる所に置いてあり、昼食時には学生らで賑わう。

後ろの建物は大学の学生寮。

愚痴るジョセフ・ナイと学問と政策のギャップ

もう一週間も前の記事になるが、ハーバードのナイ教授が政治学と政策のギャップについて論じている。

Scholars on the Sidelines
By Joseph S. Nye Jr.
Monday, April 13, 2009; Page A15

内容は、最先端の研究をする政治学者の多くが政府入りに興味を持たず政策への貢献を拒んでいるというもの。ナイはこの問題の根本は、政策面での研究・経験を報わない傾向にある学問の側にあるとし、政治学部はその態度を改め、学者を政府にもっと送るべきだと主張する。

学問もしくは政策に携わる人間ならどこでも聞く議論である。もちろん、これはナイ自身の過去の政権での経験に部分的に基づく、それなりの立場のある人間がすればより効果的に聞こえる、つまり自分の立場を利用した(と言われかねない)主張でもある。私に言わせればもちろんそれも正しいのだが(そして自分の状況にも当てはまる)、ただ一方でそれは「我々」のみの問題でもない。

政府やシンクタンクなどにも学問に対する懐疑論は根強く、私自身過去において結構なハードルに直面している。それらの懐疑論は基本的に個人的な意見と経験に基づき、どちらかと言えばデフォルトの部分によるものが多いと感じている。

しかし本来あるべく形はもちろん、学問と政策の協調、そして一致である。この2つの間には雇用、研究、資金などで未だに大きなギャップがあり、その溝を埋めるべく双方が努力をすべきだと思う。

日本の現状にも当てはまる興味深い議論である。私ももちろん将来は防衛・外交面での政府の仕事に興味があるが、その考えが本格的に現実的と成りえるのは本当に何年先のことだろうか。研究所にいる今年の6月、この面での更なる経験と新しい考えに晒されることを願いたい。

これは観るべし

http://www.youtube.com/watch?v=vMVHlPeqTEg

からかわれながらも怒らず、自分の実力のみで世界を変える瞬間。こういう映像に人生のインスピレーションを感じる。

ここに出ている歌手のスーザン・ボイルのウェブサイトはこちら

アメリカ民軍関係の講義に参加して

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木曜は午後から、デューク大政治学部教授のピーター・フィーバー教授が来校。講義の内容はイラク戦争における surge 「戦略」にまつわるアメリカの民軍関係について。教授はブッシュ政権中にホワイトハウスでアドバイザーをしていて、その当時の経験を元に個人的な意見を発表した。とても面白かった。

質疑応答の時間では、イラク戦争開戦直前のシンセキ将軍のコメントとその「政治」に興味あったため、質問を二つさせて頂いた。シンセキ含む軍人とラムズフェルド・ウォルフォウィッツら文民の当時の関係に関するものと、シンセキが引退する間際にラムズフェルドに送った手紙の意味合いに関して。

ちなみにシンセキに関して研究されたい方は、場所は幾つかあるだろうが、その中でもカーライルの陸軍大学にも資料があると聞いている。

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イメージ:シンセキ将軍の問題発言の直後、火消しに回るウォルフォウィッツ。
http://video.thinkprogress.org/2008/02/wolfowitzshin.320.240.jpg
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