Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2009年07月

イラク戦争と日米同盟依存論

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論文のドラフトを提出後、金曜日からはイラク戦争の章の執筆を開始。実質的には結論の章となるこの部分、数ヶ月時間をかけてゆっくり仕上げられる余裕がある。現在進行形の紛争であるため短絡的な分析を避けるよう注意して研究・執筆したい。

イラク戦争に関しては既に多くの専門書が書かれているが、その中でも数冊を厳選。今読んでいるのがコブラ2だが、自分のリストには他にも、

On Point
On Point II
The Gamble, Tom Ricks
The Iraq War, Williamson Murray and Robert Scales

などがある。

私の博士論文はここに書いてある通り、世界レベルにおける軍事史の長期パターンの比較分析に基づくものであり、歴史分析を元に、現代の一戦争を直接、タイムリーに分析することもできるが、残念ながらそれを主な目的としていない。その分このイラクの章は現実味をより強く感じられとても楽しい。



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新聞を読んでいると、近い将来また日米同盟のネタで盛り上がりそうである。日米同盟の再定義が日本側から提案され、アメリカ側もその考えに応じる姿勢でいるようである。日米関係の将来に関しては、オバマ政権からは既に何度も reassurance のシグナルが出されているのにも関わらず、今後のワシントンの東アジア政策があまりに不安に感じるのだろう、同盟関係を文書の上で何が何でも維持しようとする必死さがよく伝わってくる。

このブログの定期的な読者の方々はご存知のはずであるが、日本の安全保障政策の中心的役割を担っている意味でいう、極度の同盟依存論は大きな問題であると認識している。先月の防衛大学での経験もそうだったが(参照:防衛大での講義から学んだ事)、そしてもちろん、防衛大内部でのヘゲモニーは当然として否定するが、どこを見ても、同盟関係への依存心はあまりにも強く日本社会に根付いている。

そして今回の動向に関しても問題点は多い。

その中の一つを挙げると、一番下の読売の記事が強調するように、日米安保条約締結50周年という単純に記念的な意味で同盟戦略の在り方を考慮するという考え方は鳥肌ものである。同盟関係という重要な決断は、時間的な機会にコントロールされるべきものではなく、本来実在する軍事脅威に対等する政治知覚に基づくはずである。政府は50年前の冷戦期の戦略視点が今日の東アジアの軍事バランスにどう関係しているかを明確にし、それを我々に的確に説明し納得させる必要があると思う。そして一方で、なぜその考え方に対抗する姿勢を政治家や政治を専門とする学者が持たないのかも思う。

日米同盟、再確認の必要性示す 米国務次官補
http://www.asahi.com/politics/update/0717/TKY200907170219.html

米国務次官補と朝日新聞会見 要旨
http://www.asahi.com/politics/update/0717/TKY200907170418.html

日米安保50年に新文書…米国務次官補が意向表明
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090717-OYT1T01131.htm



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よくいくスタバで必ずかかっている曲。

Jason Mraz - I'm Yours [Official song]

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イメージ:
http://www.veteranshour.com/31Mar03508thGuardingRoad.jpg

論文提出にワシントン!

木曜は朝9時から大学へ。合計150?に及んだ博士論文の大切な章を3つと2つの別表を印刷して、4人の担当教授に提出。夏休み中なので誰もおらず誰とも直接話せなかったが、達成感は十分ある。

その後は軽く昼食をとってから正午からワシントンに出発。計算してみるとこの街は10ヶ月ぶりだった。到着後はユニオン駅で休みながら別の論文の執筆をし、午後6時、スミソニアンのモールに到着。ランドのチームメイトとの久しぶりに再会に喜ぶ。ベン、クリスティ(キャプテン)、カーター、ステイシーらと談笑。プレイボールは6時半

今回は友人で副キャプテンのベンの(多く打席が回ってくるという良い意味での)はからいによって1番を任されて3打数2安打1得点。守備ではレフトで数回難なくこなした。試合は7点差で大敗。泣く

ゲーム後はチームメイトと再会を約束し、午後10時フィリーに向かう。自宅到着は午前1時過ぎであまりの疲れでしばらく寝付けなかった。

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明日のブログの予告:イラク戦争と日米同盟

論文提出まで24時間

フィリー帰還から今日まで博士論文の執筆に没頭して、このブログも少し疎かになっていた。執筆に集中すべしと、書きたい政治ネタも書けなかった。北朝鮮のミサイル発射に核開発、G8の更なる形骸化、そしてもちろん、そのまんま東の芸に騙され続ける宮崎県民と一部の自民党員など、ここ数週間重要なトピックが新聞を騒がせてきた。よく我慢できたと我ながら関心する。

そんな博士論文も提出まであと24時間。提出後は今月下旬に日本に行く同期のメリディスとコーヒーして正午のバスに乗ってワシントンへ。ランドのソフトボールの試合に久しぶりに参加してきます。

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お気に入りのドイツのテクノユニットATBのアルバム。

The First Tones/Emotion - ATB [Mini Megamix]
http://www.youtube.com/watch?v=x2cZFuhW2B8&feature=PlayList&p=F249B18FF0BA010B&index=0&playnext=1 続きを読む

gadgets

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海外出張を控えて、今回は研究に必要な機械の調達。今日2つ届いた。

一つ目はカメラ。キヤノンの PowerShot SD1200 IS。軽っ。

そして二つ目はPC。デルのミニノートの Mini 10。安っ。

この2つと共にディエン・ビエン・フーの古戦場を匍匐(ほふく)前進し、ラオス国境を秘密裏に突破し、マラヤのジャングルを駆け抜けてきまっさ!

自宅近くの壁絵

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このブログにも数回出ている(前回)、フィリー名物の一つの壁絵。今日は自宅近くを散歩している際に見つけた。

近くにはこの辺りで有名なラナーク・ダイナーがある。
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