Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2010年03月

今年のアメリカ政治学会@ワシントンDC

今年夏に開かれるアメリカ政治学会。会場はワシントンDC。今年も対反乱軍戦略の論文の提案書合格の通知が来たのだが、それと同時にパネル・チェアとパネル・ディスカッサントの役の通知もきた。

ディスカッサントの役は2年前、ボストンでしたときに、やりがいはあるのだが、これほど大変な仕事はそう多くはないと強く実感した。チェアの仕事は初めて。ディスカッサントの役割と比べると圧倒的に楽なのだがそれなりのステータスのいる仕事。いわゆる newly minded Ph.D. の私なんかに大役を任せて大丈夫なのだろうか。

ただ今年はスケジュールの予定で、学会参加は無理そうな予感。学会に提案書を出した時点では大丈夫だと思っていたけれど、人生方向が結構変わるからね。けれども学会開催中の週末に私の番が来れば大丈夫!

ハート・ロッカー続編

先日ここで書いたイラク戦争映画の「ハート・ロッカー」。アカデミー賞での成功に伴い、映画監督の以前の結婚生活と元旦那とのライバル関係などに焦点をおいているメディアの数々

ただそんな事に注目して欲しくはない。この映画はどこにでもあるグループワークに存在する人間関係やその問題を、バグダッドの爆発物処理班という限られた背景で示している、他には多くはない類の良い映画である。私が普段から注目している政治問題の存在は最小限に留められながらも、その映像や話の方向など興味深い点が多く、2時間の間やみつきになってしまった。もちろん、戦争ならではのシーンも多く、国際政治や安全保障問題に興味のある方にとっては必須の作品であるとも思う。

従ってこの映画に関しては、その監督の個人的な背景などよりも、その映画の内容に注目すべきだと思う。

ニューヨークとシンガポール

春休みを利用して明日は一日ニューヨークで過ごす予定。気温が13度まで上がるから久しぶりに散歩を堪能できそう。メッチャ楽しみ。

シンガポール行きの計画が舞い込んできた。ひょっとしたら今月末か来月上旬、太平洋を飛び越えて世界有数の「都市国家」へ。去年マレーシアに行ったときはスケジュールの都合でシンガポールへは行けなかったし。招待もんだしこっちもメッチャ楽しみ。

イラク戦争の映画: The Hurt Locker

アカデミー賞から今年9つのノミネートを受けた映画、The Hurt Locker を観た。舞台はイラク戦争真っ只中の2004年のバグダッド。主人公は米陸軍のEOD (Explosive Ordnance Disposal、爆発物処理) ユニットに配属されたチームリーダー。

内容はもちろん省くが、この映画の特徴は、戦争とはいえ政治からできるだけ切り離されたいわゆる「戦術」「作戦」レベルでの技術と人間観の精神的葛藤が細かく表現されていること。私にとっては興味のある題材だったし、当時のバグダッドの状況を間接的にだがより深く理解することができてよかった。ただ、爆発物処理班の人間がいきなりスナイパー役になったりと、少し映画ならではの独立性が許容されすぎていたのではないかとも思うが、結果として満足のゆく作品だった。

同じ「戦術」「作戦」レベルの戦争映画では例えば The Black Hawk Down も挙げられるが、この映画は人間関係さえも切り離された、ひたすら軍事面に焦点を置かれた作品であるため、比較的な視点からも、The Hurt Locker は良かったと思う。今後イラク戦争に関する映画がどう発展するのかは分からないが、現時点では must see として扱われるべき一本だと思う。

ふと、コロンビア時代からの友人のマイクを思い出した。彼はイラクのIED処理をトピックに博士論文を書いた。連絡してみよう。

夏休み

新しい月に入り、卒業式まであと2ヶ月ほど。卒業のために必要な過程は全てクリアし、後輩からも今までとは違って「ドクター・のり」と親しみを込めて呼ばれ始めているのだが、本格的な実感はおそらく卒業式を終えてからようやくやってくるのだろう。

5月の卒業式の後の帰国をとても楽しみにしている。例年に比べてやや短い夏休みになるかも知れないが、密度の濃い、楽しい休暇にしたい。今までできなかった日本国内の旅行をしたいと思っているし、中学の同窓会もいつも通りやりたいし、家族や友人との時間も大切にしたい。また、今まで忙し過ぎて会えなかった人々とも会いたいし、再会もしたい。

そして同時に、今夏ほど自由に過ごせる期間はもうしばらくやってこないのかも知れないと心の中で準備もしている。少しずつだけれど予定を入れ始めよう。
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