Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2010年07月

こんなケーキは初めてだよ

GetAttachment発表会直前で食べる機会はなかったけどさ…。

慣れ

ほんの半年前までは、まさか星条旗を横に、自分の右手を挙げて、アメリカ憲法に対して忠誠宣誓をする自分がいるなんて思ってもいなかった。意外な事の連続である。それでもここ最近は朝5時半起床の生活にも慣れたし、オフィスではエンヤを聴いてるし、夕方5時に基地中に流れる国歌に向かって一時停止する習慣もついた。そんな毎日です。

この大学は昨日が始業式で、今年の私のゼミに入る16名の生徒と初めて顔を合わせた。同じ軍人だが専門や出身が著しく異なる人間の集団に強い親近感を感じた。ゼミの外では数名と個人的に話す機会もあった。今まではポロシャツで大丈夫だった出勤もこれからは背広を着る機会が増える。私の授業は10月上旬から始まるが、それまではカリキュラムの形成とシラバス作り、9月上旬に迫る政治学会のための論文執筆などの仕事に追われる毎日である。

コーネル大学の客員のポストも正式に認められた。その名に恥じぬよう、たゆまぬ努力を続けたい。

久しぶりの授業 、ブログの認可、コーネル大での客員教授のポスト

今日は久しぶりに授業をする日だった。とは言っても相手は大学生ではなく、現役の空軍・海軍大佐と民間人の教授のミックスで合計14名。新入りの私のための teaching practicum として、我が国際安全保障学部の同僚が集まってくれた。実際の授業では、前線から戻ってきたばかりの空軍中佐を中心とする15名の生徒を相手にする。今回は準備をした甲斐もあって授業はスムーズに進み、同僚からのコメントも肯定的なものばかりだった。そして大切なことだが、今までは年上の先輩教授としてしか見れなかった人たちが、この時初めて、自分の同僚と感じる事ができた。

プラクティカムが終わると、これまた初めてとなる教授会に出席。和気藹々と30分ほど楽しむ事ができた。

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話は変わるが、このブログに関しては、大学の上層部から正式に認可を頂いた。このブログの再開を相談した時、実はその要望が却下されるのではないかと心配していたが、返ってきた答えは逆で、大学における academic freedom の一環として、この種の表現方法を今後は奨励したいと言われた。もちろん、ブログの頭にも書いてある通り、このブログはあくまで私個人の表現であり、米政府、国防総省、空軍、空軍大学、そして空軍戦争大学のものではないが、その懐の大きさに良い意味で驚いた。

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また話が変わるが、今年後半にはアメリカ各地の空軍基地で研修を受けてくる。来年上旬はフィリピン、マレーシア、タイへの出張。生徒数名を連れて2週間、この3国の防衛省、外務省や大使館を回ってきます。

最後になるが、ニューヨークにあるコーネル大にあるプログラムから、客員教授になるよう招聘があった。所属組織からも認可があり、今後は同大学での faculty associate に就任する予定です。

外国の軍隊で働く事

歴史を振り返れば、他国の軍隊に招聘され活躍してきた人間が数多くいる。それは参謀から傭兵まで多くのレベルに渡っている。そんな彼らが共通して思う事のひとつに、その希少性の生み出す、国家の枠組みを超えた個人としての誇りが挙げられよう。私にとってもそれは同じで、母国以外の軍隊に雇われる事を誇りに思う。おそらくそれは安全保障を専門にする研究者にとっては当然の事であろうし、またその所属機関が世界最強の軍隊であればなおさらであろう。

そんな仕事を決める際はもちろん近い人間に相談し、自分の人生とキャリアにとってこの選択で本当に正しいのか、真剣に考えた。ただし結論への過程は意外と簡単なものであり、遠い将来のことは誰も分からないが、少なくともここ数ヶ月の間は自分の決心に満足している。私を一生懸命引き入れてくれた学部長らに深く感謝するのと同時に、毎日感じる彼らからの期待を裏切らないよう、最高を尽くしたいと思っている。

面白い発見もした。スワモスやランド研究所での仕事など、このブログで何度も書いてきた、私にとっては研究者としての自信の源となっていた「経験」も、一度入隊してみると、それらは実は特に重要性の高くないものだという事を、ここ数日で思い知らされた。

そんな立場にある私でも、鷲のマークの付いたカムフラージュ色の軍服を着る先輩教授陣に囲まれて仕事をする生活には、少しずつだが慣れてきた。あとは私よりも10歳ほど年上で、数度のコンバット・ツアーを経験した私の生徒の期待にそえるよう、努力していくだけである。

ブログの復活

上記の新しいディスクレイマーが付き、内容は前にも増して制限される事になるが、こうしてブログを再開できて嬉しく思う。更新を止めた後も毎日ここを見続けてくださった方々に少しでも楽しんで頂ければ幸いである。

最近は新しい環境に慣れるべく、同僚と食事に行ったり街中をドライブしたりプールでリラックスしたりしている。友人も多くできた。同僚はとても優しく、私にとってまだ慣れる事のない組織への順応を促そうと、私を温かく受け入れアドバイスを沢山くれる。学部長宅でのBBQも楽しかったし、大学学長との会話も弾んだし、これから毎日接する事になる多くの現役将校との交流も最高である。

ここ数日は新任教官のためのオリエンテーションに出て、それが終わると少しずつ授業の準備を始める。今年の夏は仕事で一杯だが、9月にはアメリカ政治学会のためにワシントンに行くし、10月はフロリダのディズニーワールドにも行ってくる。同じ月から私の授業が始まる。この組織には珍しい外人教官として誇りを持ち、多くの困難にもめげずに頑張ろうと思う。
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