Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2011年01月

仲間入り

アメリカの政治・国際関係学会の若手の安全保障グループにメンバーとして名前が掲載された。嬉しく思うのと同時に、最新の研究を出版し続ける周りのメンバーに負けないくらい頑張りたい。

授業の評価と来年の新しいクラス

ここ最近の仕事場のアップデート。

担当している東南アジアの授業は早くもその半分にさしかかろうとしている。先日は上の方からの担当者が再び私の授業を訪れ、私の教え方を見て記録し、生徒からの反応なども考慮して分析した結果、私は高い評価を受けることができた。私にとっては初めて教えることの多いトピックが多いため毎回手探り状態で授業を進めているのだが、こうして良い評価を受けると自信も沸いてくる。

来年、私個人が担当することになるもうひとつの授業の内容が決まりつつある。アメリカの安全保障基盤と東アジア各地の軍事問題を直接つなげ分析し、将来の軍事リーダーシップの養成に貢献するためのこのクラス、履修する生徒がどれくらいいるのかやどのような経験を持ってくるのかはわからないが、それに全力を注ぐことを楽しみにしている。それと同時に授業で使うための文献を少しずつ集め始めている。

研究の面では、前年ここでもお知らせしたマラヤ危機に関する論文が、イギリスの軍事ジャーナルにて発表される。つい最近最終的な見直しを行って相手側の了承を得た。あと数週間で出版されるのでその時にここにて連絡致します。

こうやって授業を進める

アメリカの南部と言えど、冬は厳しい。

金曜日の午後は授業の後、フロリダで週末を過ごすため早めに帰ろうとする同僚から半分無理やりエスプレッソを分けてもらい、話に付き合ってもらった。そのためもあり、少しずつだが時差ぼけも直ってき、深夜に目覚める毎日から開放されつつある。ただし時差ぼけのあとは今年最初の雪の予報。ここは南部と言うこともあり比較的雪に慣れていない地域のため、街中が動かなくなるのではないかと懸念している。

今週から始まった授業は既にフルスロットルで回転中。今回は新しい授業を自分一人で担当している。文献の選択を含むシラバス作りからゼミの進行、そして試験の採点まで全てを一人でこなすのは、予想していた以上に大変な労働だということに気がついた。拍車をかけるのは、卒業して一年目で学部生を教えるのではなく、20年ほどの年齢を飛び越えた軍事問題のプロを相手に、いきなり修士号の授業を担当しているという事実もある。

私のゼミは10数名の少人数で、その半分が中佐ではなく大佐である。普段はとてもフレンドリーな雰囲気でゼミを構成するが、授業の真剣な話になると彼らもコンバット・ムードに入る。エリート軍人というプライドとプロフェッショナリズムを兼ね備え、丁寧にゼミに参加する姿勢は学部レベルではあまり見られないが、対照的に授業の内容は極めて濃いものであり、ゼミの中でも数回は必ずといってよいほど生徒からのチャレンジがある。そのチャレンジを私もできるだけ冷静に対応し、知的レベルをできるだけ高く維持しながら彼らとの意思の疎通に努める。それを実践し続けるのは、一方では楽しいものだが、その一方では、こうして書いて表現できる以上に難しい技術と努力を要するものでもある。

生徒には私の名前はファーストネームで構わないと言ってはいるが、親しみを込めてドクターKなどとも呼んでくれる。また一方で、私のオフィスを囲むように仕事をする私の同僚のインストラクター陣からは、これまた親しみを込めて、ただやはり空軍でもあるように、コールサインも頂いた。「ザ・ジャッジ」というある種のこのあだ名、その由来はいつか適切な時期にしたいと思う。

イギリスの学問ネットワーク

イギリスの大学のある研究機関から、海洋政策学の Associate のステイタスを頂いた。これでコーネル大学に続いて2つ目の学外タイトルを得ることになった。

基本的に私の専門分野は陸上での紛争が主だが、今後は少しずつ航空や海上での軍事問題も視野に入れていきたい。また、この地位を使ってイギリスでの学者とも交流を深めていきたいと思う。

アメリカに戻って

新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

予定通りアメリカの自宅に戻ってきた。3週間にも渡る休暇を頂き、家族と共にとても大切な時間を過ごし、多くの思い出を作ることができた。私にとっても大きな意味で人生の進歩を果たし、嬉しく思う。

明日は久しぶりに職務を再開するが、今週後半からはもう授業が始まる。東京での移動中にはほとんどの場合文献を読んだりノートを取ったりして準備をしていたため、最初の数日のゼミの指導の仕方は部分的にだが既に頭の中に入っている。あとはこれを完全に洗練して教室で私の生徒に全てを与えることである。

休暇中には多くの方にお世話になった。コロンビア時代の同窓や、研究所の方々、中学の同窓から家族の方々。毎日東京中を走り回り、多くの人にご挨拶をした。また、時間が足りなくて会えなかった方々もおり、すみませんでした。ご迷惑をおかけしますが次回は予めご連絡下さい。お願いします。

写真は同僚が最近買い始めた犬、ガスター。

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