Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2011年08月

久しぶりの緊張

今週も大忙しの毎日が続く。月曜日は午前中をフルに使った教授会で今年度の授業の打ち合わせ。4時間の議論のあとの打ち上げは基地から30分ほど離れたBBQのレストランでみんなで昼食。議論も白熱し充実した時間だった。

翌日は新しく着任した基地の司令とあいさつ。同僚のデイブとシェーンと一緒に、大学の司令のハンソン少将に紹介される形でファドック中将と数分話す。だが、せっかく自分をアピールする機会だったにも関わらず、珍しく緊張してしまい、会話の英語の文法もメチャクチャになるやら汗って文章を終わらせなくなってしまうやら、一人だけ恥ずかしい思いをした。同僚が前年度の教員の賞状のネタで緊張を和らげてくれ、中将からわざわざ祝福をしてくれ握手を求められ嬉しかったが、次からはもっと落ち着いて話せるようにしたい。

まそういう時もあるよ。

アメリカ政治学会@シアトル

来週はアメリカ政治学会が開かれる。開催地のシアトルへ出発するまであと数日。

今回はベニンでの戦争の研究論文の発表と北朝鮮のパネルのチェアを務める。ベニンの戦争の論文は去年ワシントンでの学会で発表した研究プロジェクトの延長にあるもので、軍事戦略などの広域にわたる点での新しい論点は特にないが、当時のダホーメイの反乱軍がどのように軍事戦略を選び、どのような効果を出したのか、などの実証的な点がメインである。なのでこのブログを読んで下さっている研究者の方に有益な情報は少ないが、アフリカに関連するパネルで初めて発表することになる私にとっては面白い経験になるだろう。

一方で北朝鮮のパネルも私にとっては楽しみな体験。普段は北東アジアはかじらないが今年上旬には日本の北朝鮮政策のパネル発表もしたし、自分にとっては新しい地平線を広げるいい機会になる事を望んでいる。

今回は学会のパネルに参加する傍ら、初めて行くシアトルの街も楽しみたい。毎年恒例の日本人政治学者の夕食会には参加できなさそうだが、マリナーズの試合を観に行くし、大学院のレセプションも出るし、和食も試したいし、地元のワシントン大学のキャンパスも歩きたいと思っている。

去年の学会に関するエントリーはこちら

マニラのビジネス街

今回はフィリピン出張時に撮ったビジネス街の写真を数枚。首都マニラの貧富の差が見れる。

Ortigas Center 辺り
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Quiapo market
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マニラの世界遺産、San Agustine Church

今月上旬、マニラ滞在中での週末。

その日は休みを取ってマニラ中心地へ。マニラ一の観光エリアのイントラミュロスに入る。前回の訪問では見れなかった San Agustine Church に入って内部を見物。素晴らしい教会と芸術品が納められており、極めて荘厳な雰囲気。歴史の説明を読んでも、内部にこれほどとばかり展示されている像を見ても、さすがは世界遺産。
 
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最近の図書

最近読んでいるのは Maria Ressa の Seeds of Terror: An Eyewitness Account of Al Qaeda's Newest Center of Operations in Southeast Asia。初版は数年前にさかのぼるが内容は他では見つからない貴重なものも含まれている。今進めているフィリピンでの反乱軍戦略の論文に使える情報が含まれている。

そして今週読んでいて素晴らしいと思った論文は、Michael Walzer の On Humanitarianism。数多くの良い研究を出している彼の最新の論文のひとつで、災害活動や基金活動などの人道主義の2面性を彼の経験談も含めて面白く表現する。ここ数年のトレンドである国際協力やら人道支援やらに関わる人間の考え方をより鮮明に表し、彼らの動機をより慎重に分析させる効果を秘めている。人道主義を duty と morality に一度分けて同化させる彼の見方には同意しないが、この論文を読んでいて共感する部分は多かった。おススメ。
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