Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2013年07月

テネシーから帰って

テネシーへの小旅行から無事帰宅。充実した三日間だった。

当日は車で3時間ほど北上すると最初の目的地であるチャタヌーガに到着。昼食は Cracker Barrel へ。内装もしかりだが、やはり南部独特の外観もサマになっている。レストランの隣は可愛いお土産屋さんになっている。ここでは牛肉のハンバーガーにホットケーキを食べた。
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その後は車でチャタヌーガの中心部に入り、チャタヌーガ・チュー・チューという昔の汽車がメインの観光名所へ。ここで電車を見たりお土産を見たりして、再び車に乗り込んだ。
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そこから2時間弱でノックスビルに到着。町西部で簡単に買い物をしてから更に東に向かい、その日の宿泊地にチェックイン。

前回のエントリーで書いたように、翌日はスモーキー・マウンテン国立公園へ。車を30分ほど走らせ展望台の駐車場に車を置き、 Laurel Falls という滝に向かって山道を歩くこと20分(1.3マイル)。今回はハイキング用のウェアもシューズもしっかり揃えていたので、予想以上にハードな山道も余裕で楽しむことができた。

その後は50分ほどドライブし、目的地の Cades Cove に到着。レンタルサイクルで全長11マイル(約18キロ!)のループを一回りするのに2時間かかった。園内の所々に野生動物が放牧されており、我々も自転車に乗りながら馬や鹿を近くで見ることができた。
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その日は疲れ切ってホテルで就寝。翌日はホテルをチェックアウトしてからノックスビルを目指して西に向かう。1時間ほどで到着。サンスフィアの塔からノックスビルの町を一望できる。
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最後はノックスビルの中心部、マーケットスクエアでの市場から。週末の朝ということもあり大混雑。市場には野菜の店やら小物の店などが並んでいた。我々はお土産に現地で取れたばかりのトウモロコシを買った。
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その後はアトランタを経由して自宅へ。帰り道は合計6時間ほどで帰宅時にはヘトヘトだった。

スモーキー山脈国立公園

今回の休暇で滞在しているのはテネシー州東部の町。今日は1日かけてスモーキー山脈国立公園を車で走った。

写真はその公園でも特に有名な、Cades Cove というところ。ここで自転車をレンタルし、2時間かけて2人で走った。文字通り山あり谷ありの連続で疲れきって、最後は美味しいアイスクリームで終わり。自然を思う存分楽しめて良かった。
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いざテネシーへ!

今週は後半から休みを取り、5時間かけてテネシー州までドライブ。スモーキー・マウンテンでリラックスしてきます。

写真は先日のハワイにて。ハレ・コアのビーチサイド・バー。
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モガディシオでの話

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職場の同僚は軍人生活が25年を越すのが多い。従ってありとあらゆる戦場の経験談を聞く機会がある。昨日はたまたま同僚教員のオフィスで生徒の個人面談をしていて、休憩の最中に壁にかかっているヘリコプターの絵の話をした。その絵にモガディシオを書いてあったので、彼に聞くと「ああそれはね」という感じで、かつて陸軍レンジャー部隊のユニットで一緒だったと簡単に答えていた。
 
その夜の食後、いつものように家でゆっくりテレビをつけていた。観ていたのはミリタリー・チャンネル(アメリカにはこういうのがある)の陸軍レンジャー部隊のドキュメンタリーだった。偶然、20年前のソマリア侵攻(米兵死者18名を出したモガディシオの戦闘)を報道していたのだが、突然、さっきまで一緒に話していた(20年前の)同僚がその戦闘の際のインタビューを受けていたのが映された。
 
まさかと驚いて調べてみると、彼は事実その作戦に参加し、一番最初のブラック・ホーク、スーパー64が墜落した場所の数十メートル先にいて作戦実行中だったということが分かった。彼は同時に別のヘリコプター(チョーク1)も指揮しており、無秩序極めるモガディシオという危険な場所で大変なミッションをこなしていたのが分かった。
 
なので今朝、彼のオフィスに行きその話しをすると彼本人が少し驚いていたが、その経験が書かれた本(マーク・ボウデンの「ブラック・ホーク・ダウン」、映画版はこちら)について少し語ってくれた。彼によるとその本の中身はほぼ真実に近いが、その中であまり良くないように叙述されているレンジャーとデルタ・フォースの関係は実はとても良かったらしい。その理由はデルタ隊員のほとんどが元レンジャーであり、2部隊の間の結束力は極めて強かっただからとのこと。

そしてその作戦は当時24歳だった彼にとってどうだったかと聞くと、「あれは与えられた任務をこなすだけだった」と素っ気なく言っていた。また、このモガディシオの戦闘の前には7度別の任務をソマリアで行っていたこと、当日は午後3時ごろの任務開始の約2時間前にインテル含むブリーフィングを初めて受け、その任務を理解したということ、そして当時は普段から普通にそのような状況を想定してのトレーニングを受けていたとのことである。
 
その後自分のオフィスに戻り、「ブラック・ホーク・ダウン」を手にとって見てみると、その同僚の名前が至る所に書いてあった。数年前に読了したこの本、また読まなくてはならないと思う。

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上の写真はここから。この戦闘が行われた日に撮影された唯一の写真で、私の同僚もこの一枚をオフィスに飾っている。

今回の選挙が外交にもたらす意味

今回の選挙における自公の圧勝、そして「ねじれ」の解消は誰もが予測する結果だったと思う。それが日本の外交と安保政策に与える意味は何なのだろうか。

まず考えられるのは日米同盟の強化、つまり日本の防衛をアメリカからの抑止に頼りつつ、自国の防衛力を向上させることである。憲法9条と集団的自衛権の議論が今後活発化し、96条を含め改憲を支持する力が国内で強まるだろう。在日米軍との結びつきも強化され、軍事訓練もより頻繁に行われるかもしれない。米韓関係があるため竹島の問題はともかく、尖閣においては中国に対し明確な路線を見せることになるだろう。ただそれはもちろん自民党側の思惑であるところも大きい。

アメリカ側は日米同盟の強化だけでなく、そして時にはそれ以上に、東アジア全体における安全保障面での安定を望んでいる。従って日本側に「引きずり込まれ」ないよう、できるだけバランスを取りながら自民党を折り合うことになるだろう。この流動的な背景において、オスプレイの問題や沖縄の基地問題などが交渉の一部として扱われることになる。今回の自公の圧勝は、日米同盟をある意味一方的に推し進める関係省庁の力を増強させる意味を持つため、必ずしも沖縄含む現地の方にとってはいい報ではないかもしれない。

韓国、そして特に中国にとってはねじれの解消は自民党の安保面におけるより強い政策を意味する。韓国や中国の政策エリートは個人レベルではもちろん、自民党政権の強化が必ずしも日本の右傾化を意味していないことは理解しているが、政治的にはそれが各々の国内における「政治カード」として前にも増して有効になることも理解している。従って今後我々が予測できるのは、韓国や中国が領土問題等で日本の右傾化「の問題」を挙げながら、日本の外交そして安保政策を牽制する動きが活発化するだろう。まずはもちろん、今後数時間のうちに各々の外務省を通して日本の右傾化を再懸念する声明を発表し、日本国内ではこぞって朝日・毎日系統のメディアが必要以上に大体的に報道するだろう。

一方で学問の世界では、日本における多くの外交・安保問題の専門家に取って喜ばしい結果になったと思う。先日、道下徳成・リチャード・サミュエルズ氏の共著論文を読んでいたのだが、2011年の調査で、日本の安保専門家の半分以上が日米同盟路線を支持していたと言う。実務の世界では、外務省のアメリカ・スクール、そして防衛省のアメリカ派の勢力は前にも増して元気づけられただろう。簡単にまとめると、今回の選挙はその同盟路線を強化する意味合いが最も強いことが認識できるのではないかと思う。
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