Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士号取得→アメリカ空軍戦争大学勤務→現在はセントルイス大学の政治学部准教授及び国際関係学科主任。専門はサイバー、国際安全保障。航空自衛隊幹部学校客員研究員(2016-18)

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2014年02月

連載一本目

連載一本目の論文は先週終了。空軍の審査を経て数日後オンラインで掲載される予定。

来月分は出張の時期と被るので既に執筆開始。家で冬季オリンピックを見て日本勢を応援しながら(浅田真央次も頑張れ!)ゆっくり書いている。今回は私が担当している東アジアの政治経済の授業をベースに、ここ最近の日本の安全保障を地域的な視点で分析している。過去にアジアで撮影した写真も数枚載せる予定。

在米民族グループの政治的役割

先日の読売の記事に興味を引くのがあった。「韓国系による政治ショー「東海」併記法案可決へ」というもので、アメリカに多い韓国系アメリカ人の政治的役割を示唆する記事だった。

どのグループが韓国系アメリカ人を組織しているかは研究の余地があるが、極めて有効な手段であるのは間違いない。日系アメリカ人コミュニティとのサイズの差を大いに利用した戦術で、似たような戦術が有効そうな州は他にもある。今後もその手を止めないだろう。

記事が示唆するのは、在米日本人コミュニティは存在するが政治的なつながりは極めて弱いことである。原因の一つはもちろん韓国系のと比べて日本人共同体は小さい事。更にそれだけでなく、アメリカに永住する日本人のほとんどが、高等教育でしっかりと日本の領土主張や東アジアの戦後史などを日本で受けておらず、結果として日本の政治力として扇動するのが難しいというのがある。

私が高校生だった時は政治経済は選択科目であり、私は世界史を専攻した。なので高校で戦後日本の領土政策や中国や韓国との歴史問題などを学んだという記憶は皆無に等しく、アメリカの大学院で学び始めた以外は、ほとんど独学である。仮に高校で政治経済や日本史を選んでいたとしても、今の日本人にとって最も重要な戦後日本の知識は比較的乏しかっていたのではないかと思う。

韓国などの隣国を見るべきである。日本政府が好まない種の歴史教育をしているかもしれないが、しっかり国益に沿ってカリキュラムを立てている印象がある。日本の歴史教育制度は難しい問題に目をつむり過ぎで、現実逃避をしているとの感がある。国が主体となって教える日本の歴史に、なぜ国益を直接反映させた内容を取り組まないのか不明である。隣国からの反対などを予め予想し、「気を使っている」のだろうが、国際政治にその種の心配など通用しないのである。ただ問題は、日本の良い大学でさえも、そんな簡単な事実を大学生に十分に教えていないのではないかとも思っている。

関連省庁は数少ない日系アメリカ人のメンバーを少しでも有効に活用するために、幾つかのインセンティブを取り入れたらどうだろうか。そこまでする必要はないと思うかもしれないが、では有効な国策はこの場合具体的に何が挙げられるだろうか。今回のバージニアの件は佐々江大使が直々出たのにも関わらず失敗に終わっている。ここ数週間の間で前にも増した頻度で大使は様々な所で講義を行っているが(それは我々にも伝わってくる)、それが現実的な結果として出てくるかはまだ分からない。

アメリカ南部で業者を呼ぶと…

家の庭にある大きな木。20メートルはあるだろう。色々気になることがあったので、今回業者に頼んで切ってもらうことになった。

金曜日の時点では翌日の土曜日の正午辺りに来るとのこと。

土曜日昼、待っていたが一向に来ず。こちらから連絡はしたが業者からは何の連絡もなくその日は終わる。

日曜日朝、何の連絡もなく突然5人の男が現れ、こちらに挨拶もせずに何も言わずに木を切り始める。私は傍で監視している。

2時間後、木を切り終わる。家の中で食事をしていた我々には何も言わずに車で去ってゆく。後を追って捕まえ話すと、残りの切り株を抜くために、明日戻ってくるとのこと。ちなみにその時は我々が家にいる必要はないという。

日本では考えられないだろう。ちなみに今回の費用は150ドル。値段に相応するサービス精神である。
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