Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2014年08月

アメリカで最も礼儀正しい大学は?

3beec4c1アメリカで最も礼儀正しい大学は?

The 10 Most Polite Colleges, According To GrubHub's 2014 Ranking

トップはなんと我が母校のペンシルベニア大学。

多くの大学の中から選ばれるため意外と言われれば意外だが、同時にわかるような気もする。

2位はイェール大。ランキングを見ると東海岸の大学が多い。

ビン・ラディン殺害の新しい論文

Political Science Quarterly の最新号に掲載されている面白い論文から、ビン・ラディン殺害に関して幾つか新しい情報を得た。年末に読了した No Easy Day などの既存の情報と重なる部分もある一方、今回初めて知ったことも幾つかあるのでここに記したい。

1.ビン・ラディン探索に関してはその大部分がまだ公になっていない可能性が高い。

2.ビン・ラディン殺害作戦が行われた夜には、他に11にのぼる数の夜襲が別の場所で行われていた。

3.探索中は、西洋のスーツを着て髭を切った状態のビン・ラディンのイメージを作り、それを様々な場所に配った。

4.アルカイダの指揮官たちは、必ずしもビン・ラディンの居場所を知ってはいなかったが、ビン・ラディン本人からは通達を得ることができる状態にあった。

5.元々はロシア・バルカン半島の分析官であった「ジョン」という男性が、ビン・ラディン探索の中心人物の一人であった。映画「ゼロ・ダーク・サーティ」に出てくる女性の分析官はジョンの部下である可能性が高い。

6.アボタバードのビン・ラディン宅と同じ道路にある家を、中央情報局から雇われたパキスタンのエージェントが借り、そこを秘密の情報収集場所としていた。

7.ビン・ラディン宅に同居していた密使(この場合は「ペイサー」と呼ばれていた)は、携帯電話をかける際は家から車で1時間半ほどの離れた場所に移動してから、携帯のバッテリーをそこで初めて入れて電話をかけていた。後者の理由は、バッテリーの入ったままの携帯は遠隔操作により盗聴器として機能することができるため。

8.ビン・ラディン宅の近くには水路があり、トンネルを掘って夜襲を仕掛けることは不可能であった。しかし同時に、ビン・ラディン宅には逃走用のトンネルがないであろうということも推測できた。

9.ビン・ラディン殺害の数日前に、ニューヨークタイムズ紙がその紙面でアボタバードという場所を名指しして、アメリカがそこに興味を持っているというウィキリークスの情報を報じていた。

10.ビン・ラディンを殺害したのはご存知の通り海軍の特殊作戦部隊だが、殺害作戦自体は公式には中央情報局により完遂され、軍事作戦ではない。

11.アボタバードのビン・ラディン宅に、最終的にビン・ラディンが本当に住んでいたという確証は、作戦が始まる前は存在していなかった。

12.2009年にはカリフォルニア大学ロサンゼルス校の教員と学生たちがチームを組み、ビン・ラディンがどこに住んでいるかという調査をした。結論は Parachinar という場所で結果としては間違っていたが、諜報分析官にとっては印象的な調査であったようだ。

アメリカ政治学会に向けて

来週から始まるアメリカ政治学会に向けての準備を進めている。今回の仕事はパネルのチェア一本と、ポスターでの研究発表なので仕事量は比較的少ない。ただ学会の最中はいくつかのミーティングを入れているので準備を怠ることはできない。

今回は口頭では発表しない論文も一度終わらせ、信頼できる知り合いの専門家に読んでもらっている。どのような反応が返ってくるのか楽しみだ。

映画:トランセンデンス

Transcendence2014Poster今週末観た映画は「トランセンデンス」。批評家の間では酷評されているようだが、我々は意外と楽しめた。人間の倫理観、感情、愛、技術の進歩、そして死などの点で物語が進む。

最後は悲しく終わるため私個人はあまり好まないのだが、人工知能と将来の人類像に関して色々考えさせられる。

学生との個人面接

今日は今年のゼミで担当する学生16名全員と個人面接をした。一人十分間の面接で16人ぶっ通しで3時間ほど。さすがに疲れたが全員と話すと一人一人の個性が伝わり面白い。

今年のゼミには空軍はもちろん、陸軍、海兵隊、そして民間人が2人いる。やはり陸軍の人間が平均的に経験が深く、個人レベルの自信が強い傾向があるが、サービス間での違いは特に強くは感じなかった。

それよりも面白かったのが、同じ軍人でも色々な個性があるということ。最初からイケイケで、「俺はもう世界最強の野郎だからー」のような感じの強気な人間から、「僕はどちらかというとシャイなんでー」とも言いそうな、人前で話すことにあまり慣れてない緊張するタイプの人間まで様々である。そしてその個性を一人一人正直に私にぶつけてくるので(隠されるよりはそちらの方が良い)、こちらもしっかりボールを返さなくてはいけない。

また、去年とは違いこのゼミにはアジアに興味がある人が比較的少ない。去年のゼミは3人ほどがこの時点で既に、私の授業を取って3月の海外出張の際には日本に行きたいと宣言していた。イラク、ガザ、ウクライナなどの状況が多少なりとも影響しているのだろうか。
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