Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士号取得→アメリカ空軍戦争大学勤務→現在はセントルイス大学の政治学部准教授及び国際関係学科主任。専門はサイバー、国際安全保障。航空自衛隊幹部学校客員研究員(2016-18)

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2016年05月

近所のガチョウの成長

昨日、近所の池に行ってみると、一ヶ月前はまだ小さかったガチョウの子供たちが成長していた。

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子供たちの首元にはまだ産毛が付いている。前もそうであったように、親が両サイドを固めて子供を守りながら移動する。子供たちが親離れするのはいつごろだろうか。

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「戦争・平和・政治」の授業

秋の授業では新しいクラスを教える。「戦争・平和・政治」という国際安全保障学のクラスである。自分が今まで最も教えたかったトピックで楽しみながらシラバスを作っている。相手は高学年の学部生と大学院生である。

授業では国際安全保障で最も重要だと思われるトピックを選んでいる。クラウゼウィッツと孫子の兵法から始まり、戦争(と平和)の原因、戦争における勝利の収め方、サイバー戦争、テロ、核戦略、ドローン作戦の是非、中国の軍事力などを含み、そして次期アメリカ大統領の安保政策の日は、11月上旬の大統領選挙の週に充てている。

アメリカ空軍戦争大学のコイン

アメリカ空軍戦争大学の今年のコインを頂いた。コレクションは続く。

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「アメリカン・スナイパー」の軍歴詐称の疑い

去年のこの時期に観て感想を書いた映画「アメリカン・スナイパー」。そのモデルになった実在の人物が、実は自分の軍歴と表彰を作り上げていたことが分かった。もし事実なら残念なことである。彼が所属していた海軍が調査を始めたとのことである。

軍人に対して社会全体で敬意を表するアメリカのようなところでは、軍歴はその人間のキャリア、そして時には人格でさえも大きく形成する。就職の面でも軍人は民間人よりも優遇されるポジションが、特に政府の中に多い。私の友人や知り合いの中にもその影響を受けた人間は多い。元軍人ならではの職もある一方、必ずしもそうでない場合でも軍人が優遇される場合があるため、希望の通らなかった民間人からその種の話を聞く事がある。

しかし同時に、表彰されたメダルの数が2個ではなく5個だったからといって大きな違いを生むわけでもない。要はその経歴をどう使うことができるのか、自分の中でどう受け止めるのか、そして自分の利益や国益にどう反映させるかである。私も米軍を辞める際、予想もしていなかった名誉を頂いて嬉しかったが、今のところはそれが家宝になったくらいで、具体的にどのような恩恵を得られたかは私自身も不明に感じているる。

アフガニスタンのタリバンの司令官交代について

米軍は先日の爆撃で、アフガニスタンのタリバンのマンスール司令官を殺害した。パキスタン国内での爆撃に、イスラマバードに知らせることなく、そして許可を得ることなく攻撃を実行した。ビンラディン殺害のやり方に似ている。違いと言えば5年前は海軍のシールズを送ったが、今回はミサイル攻撃だったことである。早速タリバンは次の司令官を発表した。活動は今後も続くだろう。

アメリカとパキスタンの関係は対テロ戦争における必要上維持されてはいるが、信頼関係はほとんどない。中国と近いパキスタンは、ビンラディン殺害の作戦で不時着したブラックホークをまず最初に中国関係者に見せている。マイク・マレン・統合参謀本部議長はパキスタンのカウンターパートだったカヤニ陸軍参謀長との信頼形成に力を注いだが最終的に失敗したと認めている。アメリカの政治ドラマ「ホームランド」のシーズン4の舞台はパキスタンだが、そこでもアメリカとの極めて微妙な外交関係が上手に描かれている。

パキスタンが南アジア政情で重要な国であるのは今後も変わらない。そして限られた経験上の話だが、政治関係の教育は質が高いとの印象を持っている。米空軍では自分が担当した「アジアの世紀」のゼミでパキスタンからの留学生を教えたが、礼儀正しく優秀で、アメリカ人の優秀な佐官でさえも授業で何度も論破していた。

エコノミストによる潘基文・国連総長の評価

エコノミスト最新号による、潘基文・国連総長の評価は以下の通り。過去の総長の中でも最悪レベルだと評している。私の見方に近い。

South Korea’s Ban Ki-moon, his outgoing successor (pictured above at the UN’s headquarters in New York), is viewed as the dullest—and among the worst.

In Mr Ban’s defence, he is decent and dogged. He can claim some credit for new development goals set last year and for overseeing a climate-change agreement in Paris in December. But he is painfully ineloquent, addicted to protocol and lacking in spontaneity and depth. Even after nine years in the job he is apt to stumble, most recently by calling Morocco’s presence in Western Sahara “an occupation”. Though most unbiased observers would agree, the diplomatic lapse gave the Moroccans an excuse to kick out UN staff trying to keep the peace in the area.


日本の国益の視点からも高い評価はできない。そもそもこうなると半分分かっていながら、なぜ強く反対しなかったのか。当時の政策決定に関わった人間の説明責任を求めるべきだと感じる。

今年のアメリカ政治学会

今年9月の3日にフィラデルフィアで開かれるアメリカ政治学会で研究を発表する。話す議題はアメリカのアジア政策で、オバマ政権の政策を批判的に考察する。同じパネルには知り合いが3人もいて中々盛り上がりそうだ。

フィリー訪問はもう5年ぶりになる。前回はアラバマからペンシルベニアのカーライルに車で行ったときに、時間を見つけてフィリーまでドライブした。今回もあまり時間がないため長居できないが、楽しい時間を過ごしたいと思う。

ステーキと地ビール

昨晩のステーキと地ビールをセットで。ステーキは近所のスーパーで柔らかくて美味しいのが安く手に入る。ビールは地元セントルイスのもので、のどごし良く日本人が好む味である。それの夏バージョン。

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トランプ候補にツイートされました(笑)

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ちなみにこのサイトに行けば同じようなのを作れます。

航空ショーの続き

前回のエントリーの続きで、航空ショーの模様を添付する。写真の無断使用は禁止させて頂く。

会場中心部に置かれたC17輸送機。その周りを観客がゴザを引いてショーを楽しむ。
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C17輸送機の内部。コックピットを見る列は数十分待ち。我々はそれをスキップして内部のみの見学コース。10分ほどで入れた。
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ちなみに去年見てきたC130輸送機の模様はこちら
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B29爆撃機。世界で唯一まだ飛ぶことのできる FIFI バージョンである。
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B29爆撃機の裏の滑走路を飛ぶF22戦闘機。
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カナダのスノーバード。
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今度は米空軍のブルーエンジェルズ。
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会場の売店。ホットドック、レモネード、ビール(バドワイザーのみ、セントルイスの地ビールのため)、ジャイロなど。
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