Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士号取得→アメリカ空軍戦争大学勤務→現在はセントルイス大学の政治学部准教授及び国際関係学科主任。専門はサイバー、国際安全保障。航空自衛隊幹部学校客員研究員(2016-18)

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2016年08月

ゲートウェイ・アーチ@セントルイス

セントルイスに引越して一年が経ち、この街のシンボルの一つであるゲートウェイ・アーチを観光する機会があった。普段は中々行く機会がないが、今週末に大学院時代からの友人が我々を訪れてくれ、みんなで楽しく一緒に行くことになった。

街の中心部に車を止めて歩くこと10分。アーチの足元から見上げて一枚撮った。
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そして予め買っておいた切符を使い、「トラム」と呼ばれるケーブル式のゴンドラに乗って約4分、頂上に到着。頂上での降り口はこのような感じ。
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頂上はあまり大きなスペースではないが、100人くらいは入れるのだろうか。
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天気に恵まれたこともあり、良い景色を拝むことができた。ミシシッピ川を挟んだこちらがイリノイ側。
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そしてこちらがミズーリ側のセントルイス。
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セントルイスのアーチ屋上からの景色

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国際安全保障のゼミ開始

今週は国際安全保障のゼミを行った。受講者は15名。大学院生は4人。

普段は初日は授業に関する事務的な説明で終わる場合がほとんどなのだが、今回は初日から宿題を果たし、2時間ほど議論をこなした。授業の内容は世界各地の安全保障問題に関する論文を6種類考察し、現在世界のどこで重要な安保問題があるのかというものだった。

私の大学では安全保障の授業はあまり進んでいないため、学生の多くが苦労するだろうと思っていたが、授業をしてみると良い意味でその予感が裏切られた。初っ端から極めてレベルの高い議論と情報の交換が行われた。大学院生はさすがに知識は幅広く、多くの場合で議論を引っ張ってゆくのだが、大学生も数名それにしっかり付いていき、堂々と自分の意見を述べていた。

来週はクラウゼウィッツ、孫子などを話す。簡単なクラスではないが頑張る生徒にはしっかりと付いてきて欲しいと思っている。

大統領候補に与えられるインテリジェンス・ブリーフィング

先週水曜日に行われたトランプ候補へのインテリジェンス・ブリーフィング。6月に遡るが、CIAの元副部長のそれに関するインタビューで有益なものがあった。

当然のごとくクリントン候補とは様々な面で異なるブリーフィングのようだ。

海外出張に関する大学記事

先月下旬より行った海外出張に関する記事が、大学の新聞に掲載された。この夏に教員がどのような研究をしたのか、というシリーズの一環である。これが少しでも日本の知名度の上昇、そして自衛隊への理解へつながればと願っている。

アメリカの政治学者は大統領選挙をこう予測する

Pollyvote というサイトによると、678人のアメリカの政治学者のアンケートによると、クリントン大統領候補の勝利を予想している。当選するために必要な270の選挙人票のうち、既に347票を取る(トランプは191票)と予測されているのである。選挙まで2ヵ月半あるが、トランプがこの差を返すのは難しい。

同じデータにある州レベルの予想を見ると、クリントンはカリフォルニアやワシントン以北を票を強固にしている。気になるミズーリ州は選挙人は9で、40%の確立でクリントン勝利である。つまりトランプが有利な州なのである… となると大統領選挙と同日に開かれる知事選でも共和党寄りなわけである。ミズーリのような中西部の田舎の州には海軍シールズの経験以上のものが求められる。

授業開始!

大学では今週から秋学期が始まる。3ヵ月半教室から離れており、久しぶりの仕事にワクワクする。今学期は国際関係学の入門と、国際安保のゼミを担当する。

学期開始前の週末は休みにあてつつ、R&R (revise and resubmit) を受けていた論文を終わらせ、月曜の朝にジャーナルに再投稿した。良い結果が出ることを祈って。

査読の依頼:ミャンマーとタイ

査読の依頼が来た。前回は先月に日本を含む東アジアの軍事状況の論文を査読したが、今回は東南アジア、それもミャンマーとタイの政治比較である。つい最近ミャンマーに行ったこともあり(タイは空軍の仕事で過去数回ある)、中々興味深い。

三冊目の本は両国含む東南アジア諸国の安全保障をトピックに考えているので、色々新しいアイデアを得ることもある。

大学で見つけた新しいビリケン像

先日キャンパスで見かけた我が大学のマスコット、ビリケン。1年も経つと慣れてきた。

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ちなみに大学のスポーツジム近くにあるビリケンはこんな感じ。

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そして防衛省近くにあるビリケンは。

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ヒラリー・クリントンの圧勝シナリオ

ヒラリー・クリントンの圧勝シナリオは日に日に現実化している。今回の出張ではシンガポールでも、ミャンマーでも、そして日本でも毎回聞かれたが、私の答えはクリントンが7・8割近くの票を集めての圧勝だと見ている。トランプに対する懸念はある程度理解できるが、クリントンにとってはあまりにも簡単すぎる選挙である。トランプを倒すよりもサンダースを倒すほうが難しかったと思う。

クリントンの圧勝を不可能にし兼ねないシナリオも幾つかある。それらに関しては来月に出版される「治安フォーラム」の連載の記事を参照にして頂きたい。

次期クリントン大統領の準備を本格的に進めるべきである。クリントンのTPPに対する反対は現時点では政治的なものであり、当選後はTPP批准に向けて徐々に動き始めるとみている。トランプもTPPに反対しているが、それは政治的でなく直感的な態度だと思う。
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