Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2017年02月

秋学期の授業「アメリカ外交政策」

今秋の授業の予定が決まった。教えるのは大学院の授業が一つで、内容はアメリカの外交政策。主に政治学専攻の4年生と大学院生を相手にする、週一のゼミである。

自分にとっては新しいタイトルの授業だが、内容自体はかなり前から教えているものである。大学院生だったときはTAとしてこのコースを教えていたし、空軍でも5年に渡って外交政策決定過程の授業をしていた。違いはと言えば今回初めて最初から最後まで自分で決められるということである。

トランプ政権になりアメリカの外交政策は大きな変化の中にある。安保政策から経済、サイバー、気候変動から世界の移民・難民問題まで今年に入って急激に動いている。

学生がどれほどこの授業に興味を持つかは分からないが、分かるのは特にトランプ政権に入り学生の間でも政治的感覚が敏感になっていることである。アメリカ国内も大事だが、国外の状況とそれが意味するアメリカ政治にも学生は興味を持っている。そう考えながら秋の授業のシラバスを作るのは楽しいことである。

セントルイス大学新聞での記事

セントルイス大学新聞の記者に先週インタビューを受けていた。その記事が新聞のサイトに掲載されている。

先月出版された論文に関する内容で、今後の米中関係の方向などを論じている。

季節はずれの春@セントルイス

ここ数日のセントルイスは春日和が続いている。季節的にはまだ冬だが、気温は今日のように25度に達する場合もある。授業の帰りにキャンパスを歩くと、このような景色だった。

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混乱続く国家安全保障会議

トランプ政権の国家安全保障会議の西半球担当者が左遷された。原因はオフレコの場でトランプとバノンの悪口を言ったことのようだ。日本を含む東アジアの担当のパティンガーがどれ程安定しているかは不明だが、ここ数日の政権の不安定性と不確定性を考慮すると、情報収集の必要性が更に高まった。

フリン大統領補佐官の免職劇

フリン大統領補佐官の免職劇は予想以上に早い時期に起きたが、それ自体は十分想像できたことである。アメリカでは既に次に辞任・免職されるのはどの閣僚かという話が出ている。私はマティス国防長官、プリーバス主席補佐官、ポンペオCIA長官の可能性を見ている。

理由はいくつもあるが、主な理由はホワイトハウスの実質上の政策決定過程を牛耳るバノン、ミラー、カシュナーと異様な距離があることである。また、大量に閣僚入りしているウォール街の億万長者というタイプでもない。強い米軍を再構築するというトランプとの共通の目的を持ちつつも、トランプ本人を囲む政治マシーンに徐々に奥に追いやられている退役軍人の一人だからである。

先月の訪日をきっかけに日本で脚光を浴びているマティスだが、ホワイトハウスの時に支離滅裂な指示をいつまで聞き続けることができるのか不明である。バノンやミラーと思想的に衝突するのは時間の問題で、その場合は彼のような名誉と節操を重んじる人間が辞任する姿が想像できる。元CIA長官のウールジーが1月にトランプ・チームから辞任した理由にも重なる。

近い将来、重要な国防や諜報の分野で閣僚入りする可能性の高い人間といえば、ペトラエウスやジュリアニのような、よく言えば政治的な柔軟性に富んでいる人間だろう。私がワシントンの大使館の人間だったら彼らのような人材に今の時点から投資をしている。
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