Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

2018年02月

大学の写真

大忙しの日々が続く。今日は所用のためキャンパスを横切った。その時に撮った写真がこれ。

普段は綺麗な芝生に何らかのメッセージが書いてある。読む時間さえなかったが、この一面にある青いものは風に揺られてキラキラ光っていた。

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大学のスタバ。朝の授業前に行くと学生でごった返している。
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北朝鮮の講義@ワシントン大学

昨夜はワシントン大学にて北朝鮮の講義に参加した。講師はミズーリ大のグライテンズ教授

渋滞のため到着が少し遅れたが、大学のキャンパスは相変わらず美しい。講義の建物の前にはメディアが多く待ち構えている。たった3時間前にミズーリ知事の旦那が起訴されたばかりだったからである。

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講義の内容は北朝鮮からの難民で、とても良い話を聞くことができた。80人ほどが参加し、質疑応答の時間には私も質問をした。

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その後は夕食会に招待されていたため、グライテンズ教授を含めた6人の教員でイタリアンの Acero で夕食を取った。彼女との間には共通の友人が多いので、話も盛り上がった。

彼女には護衛が常時付いており、夕食の際も距離をとって我々一向を監視していた。

北朝鮮に脅威を抱くアメリカ人

今月行われたギャラップの世論調査で、アメリカ人の対外脅威のアンケートが行われた。ロシア、中国、イラン、北朝鮮の中で、どの国が最も脅威的であるか、というものである。

調査の結果は、半数以上のアメリカ人が北朝鮮を最大の脅威と見ているそうだ。日本でならともかく、こちらアメリカでも、最大の脅威はロシアのサイバー攻撃でも中国の軍事力でもなく、北朝鮮の軍事力なのだそうだ。

顕著な点は、この大きな変化は過去1年の間に起きていることである。つまりトランプ政権になり、北朝鮮からの脅威が増幅しているとの見方が強まったのである。

その原因には幾つかの要素がある。もちろん北朝鮮の核開発や長距離ミサイルの発展はアメリカ本土に脅威をもたらす。また、そもそもその脅威を増幅させたのはトランプ本人の威嚇声明などにも基づいているとも思う。どちらがどちらを起こしたか、という因果関係を証明するのは難しい。

しかしトランプ政権の言動にも多くの問題があるのは明らかである。そして今回のこの北朝鮮への見方も、トランプ政権の扇動が関係しているはずである。そして更に、トランプのこの扇動がアメリカ人の対外関係の見方に影響を与えているのは、あまり良い発展とは言えない。

加えて、アメリカに対する脅威は国家以外にも存在する。アルカイダやイスラム国、ロシアのファンシー・ベアからアノニマスまで、様々な脅威が存在する。それらを包括的に考慮すれば、より複雑な対外分析ができるはずである。





アメリカの中国人留学生を監視するFBI

先日行われたFBI長官の議会証言で、アメリカにいる中国人留学生をアメリカ政府が監視をしている、との記事があった。The Chinese Student Threat? と題された Inside Higher Ed の記事は詳細に詳しい。

アメリカでの大学教育に関わる者なら普通のことだが、我々の周りには中国からの留学生は多い。大学院でも先輩にも後輩にも何人もいたし、今の大学でも授業で教えている。

この記事によると、中国からの留学生に対してはアメリカ政府以上に、学問の人間が特にこの脅威に対する危機感が緩いようである。FBI長官は、naïveté on the part of the academic sector about this を指摘している。特に孔子学院を例にあげ、中国政府による投資がアメリカでの教育を不当に影響していると示唆している。

しかしこの記事の後半でも述べてあるように、留学生全般にはビザの取得の時点で既に厳しい審査が行われているのが現実で、これ以上具体的にどのような措置を設ける必要があるのか、などについては詳しく述べられていない。

また、留学生とは言っても専門分野でその性質が異なる。政治学を学ぶ留学生と、STEMを専門にする学生は異なる。更にこの記事に関しては、中国からの留学生によるスパイ活動が疑われている一方、特筆すべき具体例が挙げられていないことも問題の一つであるといえよう。


拙著「アメリカ国務省で起きている変化」が治安フォーラムに掲載されました

拙著「アメリカ国務省で起きている変化」が治安フォーラムの最新号に掲載されました。

昨日のエントリーに関することですが、今回の記事では国務省で起きている様々な変化がアメリカの外交力をいかに弱め、それが日本にどう影響するかについて検討しています。特に多くの高官の辞任やトランプ政権の外交面での暴走が、ここ1年のアメリカのイメージを弱めたことについて言及しています。

興味のある方は是非ご覧下さい。
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