Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士号取得→アメリカ空軍戦争大学勤務→現在はセントルイス大学の政治学部准教授及び国際関係学科主任。専門はサイバー、国際安全保障。航空自衛隊幹部学校客員研究員(2016-18)

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2020年03月

セントルイスも月曜から「ロックダウン」

月曜日からセントルイスも部分的な「ロックダウン」が始まることになった。基本的には、一部の外出禁止令である。

食品などのスーパーや薬局などの移動は生活必需品に関するため、許可されるらしい。

うちの大学に行くことさえもできなくなった。自分のオフィスに入るには大学の許可が必要になった。

ニューヨークなどの大都市の例にならったものである。それにしても、ここまで至るまでなぜ未然に防げなかったのか。アメリカの場合は中国や日本の例から学ぶ時間が相当あったにも関わらずこの有様である。学べなかった、というのではなく、なぜ学ぼうともしなかったのか、というのが問題だろう。

コロナ肺炎の危機の際、どのように授業を教えるか

例年より長めの春休みを終え、来週からオンラインでの授業が始まる。私にとっては初めてのことだが、将来のトレンドに合わせる形では良い経験になるだろう。

しかし準備は中々難しい。4年生らを相手にした国際安保のゼミのほうは、アメリカ中に散らばった生徒全員と連絡がついた。おかげで5月上旬までの授業の見通しがついた。具体的には書評一本と研究論文一本で、自分の講義を録音し、それを生徒に配るということはしない。

もう片方の授業が大変だ。22名が在籍する、2年生用のアジアの政治のクラスなのだが、その中の数名とは未だに連絡が取れない。メールを数本送っても、彼らのアドバイザーに直接連絡をしてもらっても、全く返事がないのである。なのでこのクラスも、オンラインの授業を行うのではなく、書評や論文を果たすことが考えている。私に簡単なメールの返事さえもできないのなら、今後1ヵ月半の間、録音した講義さえも観てもらえない可能性があり、教員としては生徒を公正に評価するためには、それは大きな問題になるからである。

幸い、大学の方からは多くを求めてきていない。この危機を打開すべく、できるだけ生徒の環境を理解することが大切だからである。正直に言うと、私は今学期の成績は全てパス・フェイルにすべきだと考えている。他の大学と、他の学期などと比べて今学期の学生はどうみてもまともな授業が受けられないことが明らかであるからである。アメリカの大学の一部はすでにそう決めているようだが、うちの大学がそれに移行するという話は聞いていない。

アメリカの大学院(政治学)を受験する際に考えること

今年下旬にアメリカにおける政治学の博士課程を受験する際に考えるべきことを幾つか並べる。私は教育学の専門家ではないので責任は持てないが、少しでも参考になれば幸いです。

今回これを書こうと思ったのは現行のコロナ肺炎が長引き、アメリカ国内で不況が続けばどのような意味合いがあるか、自分でも考えているため。このエントリーの対象は基本的に奨学金付きの博士号を目指す方で、政治学の修士号ではない。

1.アメリカでは不況の際は一般的に、大学院受験者数が増える傾向がある。これはリストラや就職活動難のために、より多くの20台・30台の若者が大学に行き・戻り、不況後のステップアップを目指すため。

2.しかし大学側は不況で教員の相当数は増やせず、奨学金付きの入学が出しづらい。結果として受験生の競争率が高まる。

3.このような背景で受験する場合、私は一般的に、公立大学よりも私立大学を薦める。不況が長引けば税金の依存率の高い公立大学の資金調達が特に厳しくなる。一方で、修士課程を持つ私立大学は資金源の一部がそこから来ることもあり、比較的潤沢な資源を持ち、奨学金付きの入学を出しやすい。

4.国際関係学や比較政治の枠で受験する場合、どのようなことを願書に書くべきか? 今回のコロナ肺炎を含むパンデミックなどを中心に研究を提案し、願書の中でアピールするのは良い。ただ他の受験者も同じことを考えるため、受験者独自のトピックにパンデミックをつなげる研究のほうがニュアンスがあり良いかもしれない。例えばパンデミックが地球温暖化にどのような影響を持つのか、などは多くの人が興味を持つはずだ。

5.博士課程ではなく修士課程を受験する方は、奨学金は出ないが合格率は上がるかもしれない。多くの大学院にとって修士課程は大切な資金源だからである。しかしその分、教員の数が増えるというわけでもない。従って一クラスのサイズが例年よりも大きくなる可能性があり、教員の注目を引きづらくなくかもしれない。

アメリカの現実@コロナ肺炎編

アメリカではここ数日の間、春休みである。武漢コロナが猛威を振るっている時でも、フロリダの海岸では多くの人が海水浴を楽しんでいる。これがアメリカの現実(の一部分)である。


アメリカの学生・就労ビザの面接が停止

アメリカ留学や就労を希望・予定している方へのニュース。

日本のアメリカ大使館や領事館などで行われる、学生ビザ、就労ビザなどに必要な面接が一時的に中止になった模様。



これで渡米などの準備やタイミングに影響を受ける人がでるだろう。一国も早く現状を打開する必要がある。

米陸軍強襲ヘリ・パイロットの最新証言

2011年のビン・ラディン殺害作戦に関する新しい証言が出た。過去にはこのブログでも何度か最新研究などを記している。今回はそれに加わる形の新しい情報である。



この兵士の証言によると、Operation Neptune Spear 以外にも多くのヘリ強襲作戦に参加しており、米陸軍の中でも相当の腕前のようだ。

 

興味のある方は是非どうぞ。

アメリカ政治学会には参加予定@サンフランシスコ

先日、アメリカ政治学会から連絡があり、今年9月に開かれる予定の年次学会に私の提案書が通ったと知った。

コロナ肺炎の関係で実際に行われるかはわからないが、研究や出版の件でキャッチアップすることは色々ある。

旧友や仕事仲間との再会は楽しみだ。久しぶりのサンフランシスコ訪問も楽しみにしている。


House of Cards 全シーズン鑑賞完了

House_of_Cards_title_cardここ数年かけて観ていた House of Cards の全シーズンを完了した。

ホームランドでもそうだったが、やはり最初の方のシーズンが面白かった。House of Cards では特に第一シーズンだったろうか。途中で主役が変わり最後のシーズンもやはり苦戦した印象がある。シナリオも結構でたらめで、エピソードごとのつながりは大体あるのだが、大きな詳細を抜いたり、最後の最後の部分でも雑さが目立つなど、ドラマならではの誇張も多かった。

結論としては、House of Cards の一番良い観方は最初のシーズン後に止めることだが、そのシーズンが一番面白いので、そのまま観続けてしまうことになってしまうだろう。

世界政治学会@リスボンの参加も断念

今月下旬の国際関係学会に加え、7月に参加予定だった世界政治学会@リスボンの参加も断念した。

サイバー関係の論文を発表予定だった。残念。また2年後。

加えてリスボンは思い出の街。米空軍に入り、当時の学部の予算を消化するために(もとい、研究です)急遽行くことになった。予想以上に過ごしやすい街で、日本人にも合っている。再訪を楽しみにしていた。




「オランダ国防大学で語られた日本の軍事抑止力」を執筆完了。

連載させて頂いている「治安フォーラム」の6月号に提出する原稿が完了した。

題名は「オランダ国防大学で語られた日本の軍事抑止力」。

先月オランダで出席した会議で話したことをまとめたものである。

今回も楽しみながら書くことができた。
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