Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士号取得→アメリカ空軍戦争大学勤務→現在はセントルイス大学の政治学部准教授及び国際関係学科主任。専門はサイバー、国際安全保障。航空自衛隊幹部学校客員研究員(2016-18)

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2020年08月

誕生日のためにパレードが開かれ、消防車に乗ってお祝いする儀式

週末は近所の男の子の7歳の誕生日で、自宅前でパレードが開かれた。

そう、パレードである。

アメリカの都市近郊地域におけるコロナ期の誕生日会は、ソーシャル・ディスタンシングなどもあり、友達を自宅に招待して一緒に祝うという伝統が中止されているところがある。

代わりに、友達ら家族が自家用車に乗り、待ち合わせ場所で一列に並び、その子の家の前を一列で通りながらクラクションを鳴らしたり、窓の部分にメッセージを書いたりしながら、お祝いするのである。

我々ははす向かいに住んでいるので車には乗らず、自宅前で祝いながらそれを見ていたのだが、今回のパレードの目玉は消防車。男の子の父親が消防隊員なので、同僚に頼んだのだろう。パレードの先頭でやってきて、例のサイレンを大音響にして祝っていた。

もちろん苦情を言う家などない。

ユタ大学へのサイバー攻撃と身代金

全米でも大型の大学になるユタ大学が、先月ランサムウェアのサイバー攻撃を受け、総額5千万円近くの身代金をハッカーに払ったようだ。



幸運にも保険をかけていたため、支払いが部分的にで済んだようだが、大きな額である。

また、他の大学にとっても人事ではない。コロナの混乱に乗じてこの種の攻撃は増えており、今後もサイバーディフェンスは重要であり続ける。

保険会社としても支払額を最小限にしたいため、公での取引を嫌がる傾向にあり、必要であれば裁判を起こして保険金を受け取ろうとする企業もある。

査読二本完了

ここ一ヶ月ほどで論文二本査読した。

一本目はR&Rを薦めたが、エディターはリジェクトを選んだ。確かに問題は多かった。

私としてはコメント欄に訂正すべき箇所を多く指摘しておいたので、結果はどうあれ著者がそれを有益に使ってくれれば幸いである。

また、今回はもう一人の査読者のコメントも読むことができて良かった。

二本目もR&Rを薦めた。結果はまだ出ていない。ここでもコメントは沢山出したので、エディターも著者もそれを大いに使って頂ければと思う。

ハイブリッド方式の大学授業

今週から授業が始まった。私は月曜日に3時間のゼミを敢行。教室で開くいわゆる「インパーソン」の授業だが、体調の関係で3名が自宅からの参加となり、ズーム同時配信の授業になった。ハイブリッド方式の大学授業である。

結果から書くと、予想以上に問題なく進めることができた。ズームの使い方はこの3ヶ月ほどで実践で学んでいたため私としては問題なかった。パワーポイントのスライドをシェアする技術(ボタンを押すだけ)さえ学べば、基本的には上手くいく。

ただ、大学のコンピューターがしっかり作動するよう確認する作業は必要で、それは開校数日前にチェックする必要があった。その後も、オンラインで授業を受ける生徒全員がズームができるよう予め確認し、授業当日も30分前にズームで「集合」し、授業のリハーサルを簡単に行った。それでもその時点でズームに問題がある生徒が発覚したので、予め物事がうまく行かない可能性の自覚が必要だった。しかし教員は10年も勤めていれば、そんなことにも慣れている。

ゼミ形式の授業では対面で議論を行う重要性が極めて高い。ただコロナの時期ではそれに限界がある。今後もズーム形式の授業は増えるだろう。

大学生のコロナ感染率が判明

大学から連絡があり、先週行ったコロナ感染検査の結果報告が送られてきた。

私の大学では、入寮生全員の約3500名を検査した。その結果、陽性は22人で0.6%の割合。大学は1%から2%を想像していたようで、予想より低かったとのこと。私の予想よりも低い数値だ。

この種の情報公開は正しいと思う。仮に予想以上の数値だったとしても公開はしていただろう。

もちろん、検査には色々な問題がある。まず、入寮せず通学する生徒や教員・スタッフのほとんどが検査していない。

また、タイミングの問題もある。聞くところによると、先週末はソーシャル・ディスタンシングを守らない学生のパーティが幾つか開かれていたようだ。

感染率が高まるのは時間の問題だが、それが具体的にいつ学校閉鎖(つまり教室での授業からオンラインへの移行)に導くかは分からない。大学としては授業料や保護者の意向などの関係で、閉鎖はできるだけ引き伸ばしたいだろう。

コロナ記の髭剃り

今日は大学に行く日なので髭を剃っていた。が、よく考えてみると、髭剃りの必要がないことに気がついた。理由は、
  • キャンパスの屋外を歩くときはマスク必要ないが2メートルのソーシャル・ディスタンシングが義務。
  • ビルの屋内ではソーシャル・ディスタンシングに加えてマスク着用。
  • 自分のオフィスにいるときはマスクを外すがそこには自分しかいない。
嗚呼コロナ。

「現代ビジネス」記事:五能線に伯備線…ローカル線で行く日本全国「絶景」の旅がエモすぎる

「現代ビジネス」のこの記事が素晴らしい。鉄道好きの方に薦められる。




大学と約束したにも関わらずマスク着用を拒否し、教室から出るよう教員から促されても拒否して授業を受けようとする場合、その教員は何ができるか?

大学の教室で、大学と約束したにも関わらずマスク着用を拒否し、教室から出るよう教員から促されても拒否して授業を受けようとする場合、その教員は何ができるか?

この種の疑問をこの数週間考えていて、学部長とも相談していたが、その答えが今日、大学から与えられた。その旨は以下の通り。

1.まず、大学生は全員、教室含む屋内にいる場合はマスク着用(とソーシャル・ディスタンシング等)が義務付けられた。

2.ADAの基準を満たせば例外として認められ、屋内でもマスク着用の義務が無くなる。しかしその場合、条件無しで教室で授業を受けられるというわけではなく、教員らと相談し対応を決めなくてはならない。

3.マスク着用を拒否する生徒に対して、教員はマスク着用を促すことができるが、強制することはできない。

4.それでも着用を拒否し授業に参加しようとする場合、教員はその授業を中止し、生徒を家に返す権利がある。その場合、拒否した生徒を大学の上層部に通告し、今後の対応を決める義務が発生する。それにより、生徒の退学に至る場合もある。

とのこと。これは私の大学の規則で他の大学に適応するわけではないが、私の中では納得のいく政策ではある。

これ以外のシナリオも考えられるが、とりあえずはこれを念頭に来週の授業をこなす予定。

物議を醸した米軍トップへの公開レター

影響力ある退役軍人による公開レターは、トランプが選挙に負けホワイトハウスからの「撤退」を拒否する場合、米軍トップに前代未聞の動きをとるよう促している。が、レターの宛先が的外れとの指摘もある。



今後数ヶ月の間はアメリカの民軍関係に大きなインパクトを与える議論に成熟するかもしれない。

マスクを着け始めた大学生

一週間ぶりに勤務先を訪れた。来週から授業が始まるため、教室のネット環境とズーム含む技術の確認のためである。初日の授業は自宅から受ける生徒がいるため、ゼミを行いながらそれを遠隔操作で同時配信する技術をマスターしなければならないからである。

大学の駐車場から学部ビルまで歩いた。今週は入寮の時期なので、家族連れで大学を訪れ自室に持ち込む荷物を運んでいる生徒が多い。

そこで気付いたことは、合計百人以上見た歩行者の全員が、マスクを着用していたことである。これは以前とは大きく異なり、人間はこんなに簡単に変わることができるのかと少し安心した。
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