前回の続き。

金曜日4時起床。発表を控えていたため、午前中はスライドの準備。11時半から、3月にオックスフォードで知り合ったウォルターと再会し、近況報告。

正午よりケイモスの年次会議に参加。議長のアイク・ウィルソン中佐の指揮のもと会議開始。議題は少なかったが、今後の運営の方針を参加者全員で確認。そして私はこれからのウェブサイトの係を担うことになった。これは今後私がアメリカ政治学会の軍事系研究員に今まで以上に近付く事を促進する役割で、プリンストン大助教授のジェイ・ライオールと共同で進める事になった。また、アイク、ジェイ、私の三人は研究分野も非常に近く今後ともよい関係を築けそうだ。

私の発表は2時開始。前日再会を果たしたスコット、ウォルター、そしてオハイオ州立大のトム、そして日本の防衛大の教授らが客席に座る前で(来るなと言ったのに)、15分ほど博士論文の最重要の部分を発表した。もう少し内容にキレがあってもよかったが成功には違いなく、ある程度の達成感を得た。

私のディスカッサントはジョージタウン大学のエデルスタイン教授で、批評的で名高い彼からマイルドな賞賛の感想を頂けたのは良かった。それよりも更に建設的なアドバイスを頂けたのも嬉しかった。

発表後、前日再会を果たしたコーネルのジェニファーと待ち合わせ、我がペンシルベニア大政治学部国際関係学科のレセプションに招待し、4時過ぎから参加。メキシコ料理の高価ビュッフェに感激、学部の同僚らとも数ヶ月ぶりの再会を果たす。

2時間ほどで御暇し、今度は逆にジェニファーに招待されコーネル大政治学部のレセプションに参加。似た研究をする博士候補生数名に紹介され楽しいひと時を過ごす。

少し外で休むと、今度は去年のスワモスで一緒だったシカゴ大のネギーンと再会、そのままシカゴ大のレセプションに招待され、そこでも新しく友人を作った。

学会とは結局はこのような社会的な交流が中心で、そこでこうした簡単な同窓会を開いて今度の展望を語り合うというフォーラムという役割が強い。

土曜日:午前中はぶらぶらして、午後から教授職の面接に参加した。そう書くと驚く方がいるだろうが、私の研究はまだ就職の段階に到達しているわけではない。今回は実はアメリカ全国の大学の5・6校から面接のお誘いが来ていたのだが、その中でも特にオハイオ州のある大学から熱望され、一度事情を説明して断ったのだがそれでもというので、そして私も個人的に将来的に有益かと思い、2時から個人面談に行ってきた。

現在の研究から教育観などの質問にすらすら答え、こちらからもいくつか質問すること30分、面接は非常にスムーズに進みかなり気に入って頂いたような感じがした。相手方からの視線が熱いのである。今年は特に考えていないが、いずれ何かの縁があればと思う。いずれにせよ今の時点で重要なのは博士論文を進める事なのだ。

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このブログの読者の中には今後の私の進路に興味のある方が多いと思う。ここで詳細に明記する必要はないため簡単に書くが、私は将来の就職先は世界中全ての場所を見て考えている。アメリカとヨーロッパもよく見ているが、もちろんアジア諸国や日本も考えている(興味の強さは一方的だろうが)。いずれにしても一番重要なのは、学問だけの発展ではなく、私自身の家庭とのバランスなので、今後時間を使って慎重に決めてゆくつもりだ。