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まだ私は博士課程在籍中の身だが、自分が子供の頃、そして一般的に若かった頃、まさか自分が留学し米国の大学で博士候補として勉強する人生を歩むことになるとは思わなかった。今こうして毎日研究をし、「現実の世界から離れている」と批判されながらも自分の夢をかなえようと努力し、指導教官と毎日のようにコンタクトを取り、同じ大学院に通い私よりも数倍頭の良い同僚らと会話する自分など、数年前の私には想像することさえできなかった。

コロンビアで修士課程にいた頃、ベッツ教授のアメリカ外交政策のゼミを取り、彼のような教授に憧れ、博士課程に進学し少しずつ大学で教鞭を取ることを夢見始めた。彼の授業は徹底的な努力重視のゼミで(スワモスという彼が引率する夏季軍事演習講座でもそうだった)、自己訓練の重要性を学ぶ一方、努力を続ける限り学問での成功はありえると信じ始めた。ペンの博士課程に進学する前に一年間ワシントンのシンクタンクに一時的に体をうずめたが、それもベッツ教授のアドバイスによるものである。

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ペン入学後、実際に2年間TAとして生徒を担当し授業を教える経験をした。この過程で、教師という立場、そして職業が、自分の夢にここまでマッチしているかとも、今まで思ったことはなかった。ベッツを知る者はこのブログの読者の中にもいると思うが、私も彼と同様、努力する生徒に対しては最大の敬意を示し、できる限りのサポートをする。授業でのスタイルもそうである。ゼミではとことん生徒に絡み、彼らを刺激し新しい考えを注入しそれに対して挑戦させる。生徒個人の元々ある知識や訓練などにはあまり注目しない(過去に似た授業を取ってきた生徒は結構多い)。より重要なのは、その授業内で学問に敬意を示し、新しいことを得ようと努力し、授業に貢献するその態度を見せることであり、そのような者に対しては私も最大級の賛辞を送る。そしてまさか自分がそんなスタイルの授業をすることになろうとは昔は一度も思わなかった。小学生の頃はレストランの経営者になるのが夢だったからね。

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そしてこの写真にあるように、まさか自分が研究の一環としてパリに行くことになるとも思わなかった。フランス語を勉強していた学部生の頃はどちらかというとミーハー色が強かったから(それでも3年勉強した)。

写真上はセーヌ川から見るシテ島、下はエッフェル塔を背にしたフランス軍事学校(Ecole Militaire)。1750年開校、ナポレオンも卒業生の一人。