所属しているライオンズのプロジェクトの一つで、2007年の国際安全保障問題の総括をしている。いずれ最終版をこのブログに載せる事になるが、今回は今年最後のエントリーということもあり、ここに短くまとめる。私の主張は以下の3点。

.世界政治の最重要問題は国際テロである。そしてそれが最も強く影響する地域は中東、南アジア、そして北アフリカの一部であり、今後研究を通してそれらの地域の見識の拡大を図る必要がある。

.その主な理由は、地域の枠組みを越えた暴力、金、人、そして技術の拡散が他地域を侵し連鎖反応を生み出すことである。また、地球化現象(グローバリゼーション)は一般的に市場経済に頼る自由主義国家に経済利益をもたらし平和を促進する一方、発展途上国には過激で暴力的なイデオロギーを生みつけ通常兵器の輸出入を通し、これらの地域を中心とする第三世界の内部に不安定なサイクルを作り出す。

.日本のインド洋からの撤退は正しい政策だが(by default ね)、イラク戦争への加担は間違っている。アルカイダもイラクの過激派反乱軍も日本の軍事脅威ではない。世界はすでにイラク戦争に反対し、イギリス(バスラから)、スペイン、イタリア、ポーランド、ウクライナなどは撤退している。「国際社会の一部としてのイラク戦争への派兵」という考え方自体が実は日本の世界からの孤立を促している。

それでは皆様良いお年を。