ここ数ヶ月の間、巷を騒がせている日米核密約問題。今日、ジョージワシントン大の National Security Archive が、民主党率いる調査団にとって役に立つであろう日米間の密約に関する情報を公開した。

Nuclear Noh Drama
Tokyo, Washington and the Case of the Missing Nuclear Agreements

更に、未だ機密解除されていない文書があると指摘し、オバマ政権に対しても解除を求めるようマイルドに提言している。日米安保関係の将来に興味のある研究者にとっては朗報であろう。

ただ同時に、なされるべき事も残っている。私が少し懸念するのが、日本側の情報公開に対する抵抗がまだ強く残っている事と、関係書類の調査をする日本側の代表団が、外務省関係者で構成されている事である。特に後者の点については、史実をできるだけ忠実に分析し、バイアスの少ない状況判断のできる人間が集まるべきである。すなわち現在と近い将来の日本の政治状況に利害関係を持たない個人が、政治とはほぼ完全に独立した形で調査を進めるべきであると思う。従ってこの調査団は外務省管轄の外にあるべきであると思う。

日米核密約の真実が少しずつ明るみにでるに従って、過去の自民党の政治判断に対する見方にも変化が現れるだろうし、私はそれを強く望んでいる。同時に、アカデミックの安全保障学の研究者にとっても、今までと違った日本の安保政策、そして核拡散の理論に対する新しい見方も生まれると思う。