博士課程も大詰めとなってきたこの頃、アメリカの政治学がいかに厳しい世界である事が、部分的にだが少しずつ見えてきた。博士課程の世界に入るためには、10倍、20倍、そして30倍もある入試を突破するだけでも大変な事なのに、入学後の世界はもっと厳しい。

入学後は、学部内でのサバイバルに勝ち抜く事、ファンディングと教授との関係を確保し続ける事、博士論文を上手く進め終わらせること、そして厳しい就職競争に勝ち抜く事などの全てのチャレンジが待っている。そられ全てを考慮すると、入試の段階以前描いていた理想の「教授像」に近い形で卒業できる政治学者は事実上、応募者総数の何千人に一人の割合なのではないか。

アメリカ、イギリスのトップ校のプログラムに在籍する生徒を見る限り、もちろん彼らの総数が多い分、卒業数も(卒業する割合も)比較的多いのだが、そんな中でさえも最高の理想の形で卒業できる人は本当に少ない。ほとんどの生徒は職探しの段階で予想以上に強い競争を強いられ、その多くが予定していたゴールを再設定させられ、ある程度の妥協をしながら将来を模索するのである。

このブログの主旨の一つはもちろん、努力とそれが生み出す結果には一定の比例関係が成り立つと主張し証明する事である。そして過去にも何度かここに書いたように、実際の世界ではその法則には様々な限界があり、多くの場合妥協させられ、多くの場合夢を諦めさせられる。理想が現実に打ち負けるとき、人は悲しみ、苦しみ、休み、そしてその壁を越えようともがく。私は今、少しだがそんな世界にいる。

それでもそのうち光は見えてこよう。それまではじっと我慢して、歯を食いしばって苦労を乗り越えようと思う。