歴史を振り返れば、他国の軍隊に招聘され活躍してきた人間が数多くいる。それは参謀から傭兵まで多くのレベルに渡っている。そんな彼らが共通して思う事のひとつに、その希少性の生み出す、国家の枠組みを超えた個人としての誇りが挙げられよう。私にとってもそれは同じで、母国以外の軍隊に雇われる事を誇りに思う。おそらくそれは安全保障を専門にする研究者にとっては当然の事であろうし、またその所属機関が世界最強の軍隊であればなおさらであろう。

そんな仕事を決める際はもちろん近い人間に相談し、自分の人生とキャリアにとってこの選択で本当に正しいのか、真剣に考えた。ただし結論への過程は意外と簡単なものであり、遠い将来のことは誰も分からないが、少なくともここ数ヶ月の間は自分の決心に満足している。私を一生懸命引き入れてくれた学部長らに深く感謝するのと同時に、毎日感じる彼らからの期待を裏切らないよう、最高を尽くしたいと思っている。

面白い発見もした。スワモスやランド研究所での仕事など、このブログで何度も書いてきた、私にとっては研究者としての自信の源となっていた「経験」も、一度入隊してみると、それらは実は特に重要性の高くないものだという事を、ここ数日で思い知らされた。

そんな立場にある私でも、鷲のマークの付いたカムフラージュ色の軍服を着る先輩教授陣に囲まれて仕事をする生活には、少しずつだが慣れてきた。あとは私よりも10歳ほど年上で、数度のコンバット・ツアーを経験した私の生徒の期待にそえるよう、努力していくだけである。