アメリカは日本をどう見るか。

今夏帰省中に防衛大学校と慶應大学にて講義をするのだが、今回はこの問題に少し焦点を置いて話をしてみたい。日本の新聞やその他媒体を読めば邦訳されているアメリカ人による論文や、アメリカで数年過ごした日本人専門家の意見が書かれているが、ではアメリカ政府や米軍が日本の外交や安全保障政策をどう見ているかについては情報が比較的乏しい。この3年間米軍で教えて経験したことや感じたことを可能な限り伝え、将来の安全保障問題の専門家に役立つ講義をしたい。基本的に安保の面では情けないほどアメリカ側に擦り寄る日本の態度だが、アメリカ側は必ずしも日本をそうは見ておらず、より複雑で力動的な過程が存在する。

そこで読んでいるのが、Jeffrey Bader 氏の Obama and China's Rise。2011年まで2年間に渡りオバマ政権のアジア政策を担ってきた人物であり、政権を離れてから比較的早くこの本を出版している。タイトルから分かる通りこの本は日米関係を中心とするものではなく、著者本人も日本ではなくどちらかというと中国、米中関係の実務家である。従って日米関係に関する記述は比較的薄く、2章ほどしか直接割り当てられていないのだが、読む価値はある。

日米関係において日本が形式と建前にこだわる傾向があること、政権交代のあとはできるだけ早くアメリカを訪問し、その種の態度をアメリカ側にも期待することなど、一定の文化的側面の理解も伺える。他の章もしっかり読んで来年度の授業で使えるか考えてみたい。