今回の選挙における自公の圧勝、そして「ねじれ」の解消は誰もが予測する結果だったと思う。それが日本の外交と安保政策に与える意味は何なのだろうか。

まず考えられるのは日米同盟の強化、つまり日本の防衛をアメリカからの抑止に頼りつつ、自国の防衛力を向上させることである。憲法9条と集団的自衛権の議論が今後活発化し、96条を含め改憲を支持する力が国内で強まるだろう。在日米軍との結びつきも強化され、軍事訓練もより頻繁に行われるかもしれない。米韓関係があるため竹島の問題はともかく、尖閣においては中国に対し明確な路線を見せることになるだろう。ただそれはもちろん自民党側の思惑であるところも大きい。

アメリカ側は日米同盟の強化だけでなく、そして時にはそれ以上に、東アジア全体における安全保障面での安定を望んでいる。従って日本側に「引きずり込まれ」ないよう、できるだけバランスを取りながら自民党を折り合うことになるだろう。この流動的な背景において、オスプレイの問題や沖縄の基地問題などが交渉の一部として扱われることになる。今回の自公の圧勝は、日米同盟をある意味一方的に推し進める関係省庁の力を増強させる意味を持つため、必ずしも沖縄含む現地の方にとってはいい報ではないかもしれない。

韓国、そして特に中国にとってはねじれの解消は自民党の安保面におけるより強い政策を意味する。韓国や中国の政策エリートは個人レベルではもちろん、自民党政権の強化が必ずしも日本の右傾化を意味していないことは理解しているが、政治的にはそれが各々の国内における「政治カード」として前にも増して有効になることも理解している。従って今後我々が予測できるのは、韓国や中国が領土問題等で日本の右傾化「の問題」を挙げながら、日本の外交そして安保政策を牽制する動きが活発化するだろう。まずはもちろん、今後数時間のうちに各々の外務省を通して日本の右傾化を再懸念する声明を発表し、日本国内ではこぞって朝日・毎日系統のメディアが必要以上に大体的に報道するだろう。

一方で学問の世界では、日本における多くの外交・安保問題の専門家に取って喜ばしい結果になったと思う。先日、道下徳成・リチャード・サミュエルズ氏の共著論文を読んでいたのだが、2011年の調査で、日本の安保専門家の半分以上が日米同盟路線を支持していたと言う。実務の世界では、外務省のアメリカ・スクール、そして防衛省のアメリカ派の勢力は前にも増して元気づけられただろう。簡単にまとめると、今回の選挙はその同盟路線を強化する意味合いが最も強いことが認識できるのではないかと思う。