今日は furlough と呼ばれる、国防総省内で行われている例の強制休暇の日を充てたので、仕事をしないという名目で自宅休暇。「仕事をしない」というのは給料の発生を防ぐためのものだが、もちろん我々研究者にとっては執行しづらい条件でもある。事実、今月下旬の政治学会で発表する論文をあと数日で仕上げなくてはならない。

日本ではほとんど記事になっていない、この休暇が何かというと、7月の最初の週から国防総省内で働く民間人(いわゆる「軍人」ではない、軍服を着ない人間)にほぼ一斉に強制される休みのことである。基本的には毎週一週間のうち1日だが、場所によっては2週間に2度というように柔軟性が与えられている。先週末のテネシーでの休暇には木曜日と金曜日に行ったが、それはその2週間分の休みを一気に取り、事実上の4連休を取るためだったのである。

この強制休暇の背景には国防予算の縮小があり、この論文がそれに詳しい。日本でいうところの防衛省にあたる、アメリカの国防総省に仕える65万人以上の民間人がその対象になっている。例外もあり、特に造船所で働く民間人(船の維持はあまりにも重要なので休ませるわけにはいかない)や、海外の基地などで働く外国籍の民間人に当てはまる。おそらくそれには日本国内の米軍基地で働く日本人も対象だろう。

もちろんある程度の混乱も起こしている。一つの職場で毎週誰かがそれぞれ別の日に休むのだから、仕事に支障が発生する。全員出席するべき会議には欠席者が出るし、共同で進めているプロジェクトも遅れる可能性が出てくる。私の職場も例外ではない。今年行われるはずだったクラスがいくつもキャンセルされているし、今までは民間人がやっていた仕事を軍人が代わりに行うという現象も起きている。

また、各々の給料にも違いは発生する。この休暇は現在のところ11週間の予定なので、年間のうち11日の分の給料が出ないことになる。どこかに「20%の減給だ」と書いてあるがそれは間違いで、連邦政府内の今年度内の終わりまでのこの11週間の間のみが20%減俸ということであり、年間で計算すれば小さなものである。更に、この11日が最終的に6日間になるよう削られる可能性も最近高まってきた。

実際、その休暇をどう使うかによって、それに対する考え方も変わる。先週末の休暇もそうだが、外出しない場合の休暇は自宅で過ごすことになる。今日のような感じである。私は毎週5日の勤務日のうち、水曜日に強制休暇を充てるようにすることにより、月曜日と火曜日の仕事の分、体を休めるようにしている。今日は午前中は家の中でゆっくり過ごし、午後は一緒に買い物に出かけた。要は時間の使いようである。うまく使えば、家族との時間も多くなり、生活のバランスもうまく取れるようになるのである。