木曜日は陸軍大佐のジミーと共に、次期駐日大使として指名されているキャロリン・ケネディ氏の上院外交委員会の指名承認公聴会に出席した。議会のハート・ビルに戻ってきたのは何年ぶりだろうか、ワシントンに住んでいた10年ほど前に何かの機会で入ったのを微かに覚えていた。

公聴会には早くから日本のメディアが多く集まり、会議室に入りほどなくすると佐々江駐米大使をはじめとする、大使館属の外務省職員が5人ほど前の席に陣取った。多くのカメラのフラッシュを浴びながら議会のスタファーや国務省の役人と会話をし、ケネディ氏の到着を待っていた。ケネディ氏の家族も数人席についていたが、彼らと直接会話する人間は必ずしも多くはなかった。開始時間の10時過ぎ、ケネディ氏が上院議員らと一緒に会議室に入ると写真のようにたくさんのシャッターが切られた。

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公聴会の内容は多くのメディアが伝えている通りだが、伝えられていない議題も多い。例えば、この種の議会での答弁の裏での政治的な動きや、答弁や質疑応答時の返答のニュアンス、答弁の中身の有無、そして上院議員の数名が佐々江大使の目の前で、そしてメディアの場で日本に対する期待や問題を述べたことなど、ネットや新聞では伝わらない側面をしっかり見て聴くことができた。また、尖閣諸島における国際法の役割や、ワイオミング州の炭酸ナトリウムと日本の問題も書かれていない。

今回の公聴会を通して、アメリカ側から日本へのメッセージも幾つか伝えられたと思う。議員からの意見の幾つかは、ケネディ氏ではなく佐々江大使本人の目を見て発せられたものもあり、ある種の外交劇場が、短い間ながらも披露された感がある。