ミズーリ州に引っ越してきて3ヶ月近くが経ち、アラバマでの生活と比べるときがある。第一の目的であった、生活の質は明らかに向上した。他にもいくつかある。

まずは大学の同僚との関係。面白いことに、今の大学の同僚との会話はそのほとんどが学生と授業の方法、大学関係の事務に関するものである。教員はそれぞれお互いの研究内容が異なるため、研究や世界情勢や政治の話はほとんど出ない。これは空軍大学のときとは大きく異なる。空軍では同僚との会話がアメリカ政治や世界の軍事状況、あとは大学内の政治や人間関係だった。それは教員の研究内容が比較的重なる部分が大きいためだろう。それに比べると、今の環境は非常にサッパリしている。

また、前の職場と比べて今の職場は、月水金の週3の勤務であり、また、基本的に一日に1時間ほどしかない授業のために職場に来る。従って教員同士のコミュニケーションは人間同士の会話ではなく、メールで行う場合がほとんどである。同僚の中には火曜と木曜のみの勤務の人もいるため、毎週会うというわけではなく、月に一度の学部会議でしか顔を合わせることがない人もいる。

更に、今の大学のほうが透明度が高い。前回の軍隊では私のようにジュニアの教員に入ってこなかったような情報がこちらでは、その事項が決定される前に入ってきて意見を求められる。軍隊は階級制度が確立されており、情報管理がしっかりされている一方、透明度は低い。

もうひとつ、生活の上で大切だと思うことに、健康保険がある。私が空軍にいた際は Blue Cross Blue Shield を使っていた。今は大学が契約している別の会社なのだが、こちらのほうがサービスが良い上に大学の補助金も出ているため、コストも低いことがわかった。連邦政府のブルークロスもカバレッジは良いが、コストが高い。また、セントルイスのような、大学病院が多い都市型の環境は医療制度も整っており、便利である。

前にも書いたが、空軍を辞めることによって失うものがあると覚悟している。そのリスクを負いつつも、生活の意味では得るものもあったと思う。あともうひとつあるのであれば、それは気候。こちらは今夜の最低気温が1℃まで下がる。秋も深まってきた。明日はドライブがてらセントルイス中心地のフォレスト・パークに行ってこようと思っている。