「ペンタゴンで働く日本人」の興味深い記事がある。

当事者の正式の立場は日本政府の代表としてのペンタゴン「勤務」であるため、不必要な誤解を招くタイトルだ。決して多くはないが、ペンタゴンでは日本から外交官や防衛駐在官、日本語を話す日系アメリカ人の軍人らが毎日のように歩き回っている。

一方で記事の中身は面白い。ペンタゴンで働いて朝早い生活になったというのは理解できる。私がいたアラバマの空軍基地でさえ朝は早く、特に軍人は朝の5時起きで朝食前に数マイルのジョギングをしてから7時ごろに教室に入る、というパターンで生活していた者もいた。

更に、幾つかのアジアやアフリカ諸国との代表と話す場合、中学生レベルの英語で会話が成り立つのは本当である。こちらがどんなに高い能力を持っていても、向こうがそうでない場合があるからである。ただ誤解すべきでないのは、これは専門英語をマスターされた人間だから余裕を持って言える点だ。私の意見では、国際政治で通用するためには、そして大切な国益が絡む重要な案件を話す際には、相手のイントネーションや反応などを読み取る必要もあるため、極めて高度の語学能力が必要だと思っている。

ペンタゴンを含む米軍の重要な組織へのアクセスを持つ日本人は少ない。非常に貴重な能力と経験を持つ方なのは明らかで、日本の防衛に今後も貢献して頂ければと思う。また、日本の防衛をペンタゴンにより上手く伝えるためにも、今後とも有能な人物を派遣し続けるべきである。広報だけでなく、整備、運用、戦略、諜報の分野まで幅広く交流ができればと思う。