ここ最近日本各地で発見され、話題になっているヒアリに関して経験者として書けることがある。

私が刺されたのはアメリカ南部のアラバマにいた時である。この地図から分かるように、アメリカ南部にはヒアリ(ファイアーアント)が広く生息している。2012年の春、いつもの蚊に刺されたような感じの痒みが徐々に痛みに変わり、患部が少しずつ大きく腫れてきていた。普通に市販の痒み止めをぬり、気にしないようにしていた。

それを本格的に意識し始めたのは刺されてから2日後くらいのハワイへの出張の道のりだった。米軍の輸送機の中で比較的涼しい場所に移動し、患部を冷やしながら10時間ほど過ごし、ホノルルに到着した。

ホノルルでは治療のための薬を一人で探したが見つからず、仕方がないの観光仕事に専念することにした。 結局はホノルルで治す事ができず、次の訪問先だった韓国のホテルで同行していた医務官に話をした。すぐに抗生物質をもらって飲み始めると、数日で治った。

様々な種類のヒアリがあるだろうから一般論として語ることは難しい。私の場合は、刺されて数日間は死ぬほど痛いというわけでも無かったが、あれを放っておくと悪化し更に苦しんでいただろうということは確実だ。私の場合は市販の痒み止めでは限界があったので、専門医に診て貰う必要があった。治療するための十分の準備がある限り問題は酷くないとの認識もあるが、これが数千人単位の被害者となると深刻な問題であるのは明らかだ。