妻の提案で、ここ最近は夕食後の明るい時間に家族で近所を散歩している。夏のセントルイスは午後8時ごろまではまだ明るく、気温も20度くらいである。赤ちゃんを体の前に抱き、数十分間歩き続ける。

とても安全な地域に住んでいるので歩いていても安心できる。事実、近所の家を見ると夜になっても庭に遊び道具を置いておいたままにしているし、車庫のドアも開いたままにしている。車を駐車するのもガレージの中ではなく、その外に置いており、路中もしている。

人種的に言えば住人の95%は白人のエリアであるため、散歩の途中で会って挨拶をする人たちもほとんどが白人である。こちらが赤ちゃんを抱きかかえているため安心するのだろう、向こうも積極的にこちらに寄ってきて、赤ちゃんを見て挨拶してくる。そこで自然に会話が生まれる。わが子はまだ気付いていないが、赤ちゃんの持っているパワーは凄い。

先日は中国人だと思われるアジア人の家族に遭遇した。「ニーハオ」と我々に話しかけてきた。向こうも稀に見るアジア人家族を見て話しかけたくなったのだろう。遭遇とは言っても数メートルの道を挟んでの挨拶だったため会話は生まれず、また次回への持ち越しとなった。このエリアではアジア人はほとんど見ないため、アジア人家族の間ではある種の共通意識が自然に生まれる。

昨晩は近所を散歩していて、日本に3年ほど住んでいたという白人の女性に会った。人見知りが始まり鳴き始めるわが子をあやしながら、数分間の楽しい会話が生まれた。妻の出身地やいつごろこちらに引っ越してきたのか、どこに住んでいるのか、という話である。その女性は餅と団子が好きなのだという。明らかに親日で、また近い将来会えることを楽しみにしている。