トランプ政権の不安定性は今後も続く見通しであり、悪化の一行をたどる可能性もある。それに伴い様々な変化が起きている。国務省を含む政府機関に優秀な人物が入らなくなってきているのである。

私の元同僚だったアンは政府系の奨学金を受賞し、1年間の契約で国務省で仕事をするはずだった。専門はイスラム教とアメリカの外交で、国務省の宗教と国際関係のオフィスで働くことが決まっていた。ところがトランプ政権はイスラムに対して極めて不条理な政策を発表し、国務省の予算も30%近く削減する方針を発表した。

案の定、アンは国務省での仕事を諦めた。ワシントンのシンクタンクに収まった。

この種の変化が今後アメリカの国益に有益に働くはずがない。トランプ政権内の人事は凄い勢いで変化が続いているが、この人事が安定しない限りは政策の安定も見込めない。現在ホワイトハウスで実権を握っている(はずの)ジョン・ケリー、マクマスター等の人物に少しでもまともな方向にトランプを引っ張ってもらいたい。