ビクター・チャの駐韓大使就任断念のニュースはある意味驚くべきことだ。

北への攻撃反対、韓国系の米駐韓大使起用を断念


話によると彼は1年以上前からトランプ政権に自分をアピールし、少なくとも一度は政権内のポストのオファーを受けるも、納得ができなかったため断念した経緯がある。そして今回ようやく駐韓大使にノミネートされ喜んでいたものの、政権内で繰り広げられた対北政策の議論に反対し、就任を断られたという。彼ほど共和党に精通する人間なら政権の問題点も理解していたはずなのに、大使の任命まで行き、そして結果としてそれを壊してしまうほど計算が外れていたのである。

しかしより重要な点は、彼には残念なことだが、今回のニュースは日本の国益のためになる点である。3月に出版される「治安フォーラム」で詳しく述べるためここでは割愛するが、彼のここ数年の研究を読むと至る所で反日の要素が見られるためである。そのような見解を持つ人物が東アジア政策の重役に就任すれば、政権内でも反日の政策決定に貢献するだろうということが簡単に想像できる。

数ヶ月前、ワシントンにいた時に日本の外務省の高官にそれを示唆した。それほどまで私は懸念していた。

ただ、駐韓大使の話がなくなったとは言え、彼がワシントンの東アジア政策コミュニティで影響力があるのは変わりは無い。今後も政策、そして学問の世界で影響力をふるい続けるだろう。それは彼にとって必ずしも悪いことではないと感じる。

しかし日本にとってより長期的で大きな問題は、アメリカの首都のワシントン、そして国際政治の中心地である土地に彼のような日本人がいない点である。政治学の博士号を持ち政策に精通し、アカデミアとポリシーの両方の世界で影響力を振るう日本人が誰一人いないのである。シンクタンクに所属する幾つかの日本人は学問的な権威を持ち合わせておらず、今回のようなポストに任命されるような本来のエリートの間での会話では出てこない。テレビなどの大手メディアに出て強烈な議論を行える力もないのが現実なのである。

この状況は変えなくてはならない。