韓国のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)撤退は日本よりもアメリカへのダメージが大きい。韓国はそれを良く理解している。なのでメッセージは東京ではなくワシントンにある。韓国はまた、日本は韓国には強いが、アメリカには弱いことを知っている。この問題を2国間の問題ではなく、3国間の問題にしようとしているのである。

日本への直接な被害は限定的だが、我々が懸念すべきは、アメリカからの外圧に官邸が耐えられない可能性である。韓国のトランプ政権への根回しは今のところあまり成功していないが、徐々に強みを増している。トランプ政権の経済チームは対中交渉で忙しいため日韓関係には踏み込んでいないが、今後はこれが変わる可能性がある。

アメリカからの外圧に河野外相は耐えられるだろうが、官邸はより複雑な力学に直面している。私は河野外相も世耕経産大臣も、今回の件では今のところ高く評価している。両氏に関しては来月半ばの内閣改造でも留任させるべきだが、別の人に代われば官邸の考えが変わったことを示し、懸念材料は増える。