ウィズ・コロナが幕開け数か月、学者としての今後の仕事の仕方を考える機会が多少あった。今後とも変化し続けるだろうが、現在の自分の見解を書こうと思う。

1.学会はズームなどで無料でできる事が確認されたので、今までのような参加費だけで数百ドルかかるような学会は廃れるか、参加費が下がるだろう。

2.また、長距離の移動をして学会に行くことも減るだろう。ズームなどのリモート技術は距離感を克服するからだ。大学の事務側はそれを知っているため余分な研究費を削るだろう。

3.私の大学は秋学期のキャンパスでのイベントは全てズームになった。学部会議や教員の研究発表も全てズームである。授業は教室で行うのが今のところは大半だが、学期の途中にオンラインに動く可能性は高い。

4.研究に必要な要人とのインタビューなども出張で行くのではなく、ズームもしくはメールだろう。私のように質的手法を使う研究者は出張が大切だが、最近はアーカイブもデジタル化され、自宅からでも見れる。

5.講演の謝礼の額も下がるかもしれない。ズームができるようになるため、招待側の予算は限られる。また、ズームでやるなら、なぜ謝礼を払うの?とも思われるだろう。

6.普段の仕事の場所も、大学に加えて自宅のオプションが増えるだろう。アメリカの場合は教員などは都市から近郊へ引っ越す動きが強まるのではないかと思う。都市住宅の魅力は多様性や便利さがあるが、消費者技術でそれが補えるし、少なくとも中短期的にはコロナの影響で都市住宅の魅力は減少したはずだ。郊外に住めば分かるが、綺麗で、安全で、静かで、便利な場所は多い。