Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

国際関係学のススメ

トランプ政権のオフショア・バランシングの可能性

今学期教えているアメリカ外交政策の授業では、来週トランプ政権の外交政策について授業をする。

去年の11月の大統領選挙からほぼ一年経ち、授業で使える文献も徐々にだが増えてきた。授業のシラバスを完成させたのは夏であるため、実際には夏の時点での文献で授業を構成するのだが、それでも有益な視点を生み出す貢献は多い。

その中でも重要なのはやはりオフショア・バランスに対する見方だろう。ここ10数年に渡りその戦略を唱え続けてきたミアシャイマーとウォルトは、この数ヶ月の間にトランプ政権に対してもその戦略を薦めている。

来週の授業ではクラスを半分に割り、オフショア・バランス賛成派と反対派に分けて議論をさせる予定である。

尖閣諸島沖における中国の最近の活動

尖閣諸島沖における中国の活動は前にも増して進んでいる模様。CSIS による

A busy summer for Beijing's East China Sea Rigs

の報告で明らかである。今回の衆院選でも取り上げられるべき問題である。

国際関係学教授の採用

私の学部では国際関係学の教員を公募したのだが、その最終候補が3人、決まりそうだ。今朝、Search Committee のメンバーが集まり3人に絞り、それを学部のメンバー全員に提出した。中々バランスの整ったトリオで自分でも満足している。この中から一人しっかりした人に決まればいい。

SCでの仕事は中々大変だが、やりがいはある。今朝のように授業の無い日でも集まらなくてはならない場合もあるが、自分にとって学ぶことも結構ある。

ワシントン大学での研究発表会

今日は家族でワシントン大学に赴き、研究発表会に出てきた。

発表者はコーネル大のアンディ・マーサ教授。中国とカンボジアの力関係を多角的に分析する面白い発表だった。

妻だけでなく娘も一緒に発表を聞き、娘は発表中にご飯を食べるなど自由で助かる環境だった。

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生徒の研究論文@アメリカ外交政策

アメリカ外交政策の授業は順調に進んでいる。今学期は期末試験の替わりに論文の執筆を課題で出した。論文のトピックを決めるまでまだ数日残っているが、生徒の中には中々面白いトピックを提案してきている。

幾つか挙げると、

東アジアにおける中国の台頭をアメリカがどう止めるか。

EUの枠組みで米英関係がどう発展し、Brexit がそれをどう変化するのか。

アメリカはケニアとジンバブエに対して経済援助をどう使ってきており、今後どう使うべきなのか。

アメリカとスペインの関係はどう変遷してきたか。

などである。論文執筆の条件としてトピックには必ず「パズル」を入れるように言っておいた。質問形式にしておくと、それに対する生徒の研究意欲も沸き、研究の過程でその質問の答えを出すよう努力するという単純だが基本に忠実な構成で進めることができるからである。

また、論文の後半には必ずアメリカの外交政策の意味合いを考察するよう、言っておいた。これは意外と難しいエキササイズで、トランプ政権の現状を分析してのみ、完成することができる。
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