Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

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ワシントン大学でのワークショップ

今週は近くのワシントン大学で開かれた、東アジア学のワークショップに参加してきた。今回は主催者側からの招待で、スピーカーとして自分の研究の話をしてきた。

議題は日本の北朝鮮政策である。2ヶ月ほど前にノリッチ大学で似た発表をしたが、今回はそれよりもインフォーマルなセッティングで、セントルイス地域の東アジア専門家を集めた会合だった。

インフォーマルとは言え仕事には変わらない為、当日は朝からしっかり準備をし、会合の最中はパワーポイントのスライドを用いて政策を説明した。

参加者からの反応は良く、質疑応答の場面でも中々難しい質問が寄せられた。今後の研究に役立つ、有益な発表会だった。

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ワークショップの後は短い時間を使ってキャンパスを歩く。この時期のセントルイスは紅葉が綺麗である。

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大学の図書館にて。

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10月の訪日を振り返って

先月の日本訪問からは幾つか大切なものを得た。今回は久しぶりに京都を訪れ、嵐山を中心に各地を回り気分転換することができたのは大きかった。関東でも同様、有意義に時間を過ごすことができた。

今回の訪問先の一つは目黒基地だった。ここでは航空自衛隊の幹部学校(空幹校、写真下)の副校長への表敬挨拶から始まった。今回は挨拶の際に、自書を空幹校の図書館に寄贈させて頂いた。実は去年、空幹校の方からメールがあり、その本を研究で使いたいが入手できず苦労されているとのことだった。寄贈することにより、空幹校で行われる研究に少しでも助けになればと思う。

挨拶の後は航空研究センターに赴き講演をした。ここでは2016年から2018年の2年間、客員研究員としてお世話になった場所である。議題は日本のサイバー面での抑止戦略で、今進めている研究の一つである。20分ほどのプレゼンテーションを済ませると、研究員の方々から多くの意見と質問を頂き、時間内で非常に有益な議論ができた。講演後は研究員数名と恵比寿で懇親会を行った。初めてお会いした方々だったが共通の友人が多いため話も弾む。お忙しいところ外部の人間にここまで付き合って下さって恐縮である。

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翌日は朝4時半時に起き、始発に近い感じの電車で横須賀に向かった。目的地は横須賀地方総監部である。JR横須賀駅で降りると約束の時間まで少し時間があったので、横須賀中央に近いスタバで仕事の準備をした。当日の会合で聞くべき質問のおさらいと、返答に十分に対応できるだけの情報と背景を頭の中でしっかり理解しておく必要があるからである。コーヒーで頭を覚ませ予定の時間に連絡官と会い、徒歩で総監部に入った。

まずは地方総監への表敬訪問を行い、その後は別室で横須賀基地のブリーフィングを頂いた。ご挨拶での話が弾んでしまい時間を取ったので、ブリーフィングは凄い勢いで終わらせたが、それ自体はしっかり行って頂いた。その後はブリーファーと連絡官の3人で「いずも」の横に歩き、護衛艦DDG171「はまかぜ」(写真下)に到着。

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「はまかぜ」に乗るとすぐに艦長にご挨拶。今回はお忙しいところお時間を作って下さっただけでなく、丁寧に私の質問にも答えて下さった。艦内では当艦のブリーフィングを受け、すぐに甲板に出て船外と船内を回った。隊員の方々にもご挨拶をする機会があり嬉しかった。艦内ツアーを終えると、会議室のような部屋に通され幹部の方々と懇談。予め渡していた質問に丁寧に答えて頂き、それに付け加える形で幾つかのフォローアップの質問もさせて頂いた。今回は艦長や地方総監部の代表だけでなく、市ヶ谷の海上幕僚監部からも数名がこのために駆けつけて下さり、非常に有益な意見交換をすることができた。今回の訪問をセッティングして下さった海上自衛隊の方に感謝しきれない。また、当日の訪問を可能にするべく頑張った下さった方々にもとてもお世話になった。

「5分間だけ」お願いしお土産を買わせて頂き基地を出て、JR横須賀駅に着くと電車の本数は意外に少なかった。都心からこちらに来るのと、こちらから都心に向かうのは状況が違う。自宅に着くまでは乗換えを含め数時間を要したが、約束の家族との夕食には間に合った。帰りの電車では、充実した一日を過ごしたことから来る満足感が強かった。

クレイトン高校での講演

先週末、セントルイス近郊にあるクレイトン高校で講演した。今回は同僚で学部長のエレンに加え、アメリカ外交政策を専門にする近郊の大学の教授と、元アイルランド大使と一緒のパネルで行った。私の仕事は東アジアにおけるアメリカ外交政策を語ることで、特に中国と北朝鮮に焦点を置いた。

講演が始まる前に少しだけ時間があったので高校の中を見て回った。比較的施設の整っている公立高校である。

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私は2番目の講演者で、持ち時間は15分。まずは簡単に東アジアの重要性を述べたあと、中国と北朝鮮の話題に移った。最初からジョークを飛ばしリアクションもいい感じだったのが手伝ってか、話もスムーズに進んだ。話の内容は、米中の「貿易戦争」は今のところはそれほど圧迫感あるものではないこと、中国の軍事力増加やサイバー活動には注目すべきこと、北朝鮮の核開発再開の可能性、今後の米朝交渉の方向性などについてである。

質疑応答の時間には何人から中国に関する質問が来た。他にもアメリカの外交政策全般に関する質問を振られたので答えたりした。その中でアメリカの現在の外交力については「降下気味」と答えたのに対し、元アイルランド大使は「アメリカはいつも世界のリーダーだ」との精神論的な意見を吐いていたのは興味深かった。ちなみに「降下気味」の外交力と「リーダー」であるアメリカは必ずしも相反はしない。下降気味のリーダーは存在し、それが今のアメリカに近いものだからである。また、その元大使が6月のシンガポール・サミットは米朝両方とも、「全くの準備をせずに行った(ため、注目する必要がない)」と言っていたのが残念だったが、彼はそもそもオバマ政権に仕えた民主党員ということもあり、また、大使には大使なりの見方もあるのだろう。

今回のように高校で講演を行うのは珍しい。事実、来週は地元のワシントン大学で日本の北朝鮮政策に関する講演を行う。しかしこうやって声をかけて頂くのは非常に名誉なことで、似たような活動を今後も続けていくことができればと思う。

補足:横須賀地方総監部を訪れる

今回は先日のエントリーに加える形で。詳細は来年1月号出版予定の「治安フォーラム」にて書く予定です。

まずはJR横須賀駅を降りると最初に目に付く「いずも」から。
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目を凝らすと見える潜水艦。
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ヴェルニー公園」にて。綺麗な場所である。横須賀中央方面に向かって歩けばスタバを見かける。私は当日約束時間の前に準備をするためにこのスタバに入った。店員は日本人だったが、客の大半はアメリカ人だった。
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横須賀総監部に飾ってある戦艦大和。口頭での許可を得て撮影した。
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護衛艦「はたかぜ」にて。
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横須賀地方総監部を訪れる

横須賀地方総監の渡邉海将と。詳細は後ほど。

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「いずも」。

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