Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

教育・TA・学部

今学期の授業を終えて

時系列的には卒業式の前に来るべきトピックだが、今学期の期末試験を採点して思ったことを少々。

教えた2つの授業のうち、国際関係学入門の授業は学生も活発で、授業に対する姿勢も肯定的なものが多かった。この授業をして3年経つこともあり、内容もほぼ完成していることもある。それもあってか、中間試験の平均点は高く、生徒も多くを学んでいた。しかし期末試験の平均は急に下がった。特に中間試験で高得点を出した生徒にそれが見られた。考えられる理由としては、中間の出来が予想以上に良かったため、期末で手を抜いてしまったことだろう。採点をしていて、授業の後半で使っていた文献をそれらの生徒がしっかり読んだというものが見出せなかった。

もう一つの授業はアジア政治だった。これは朝9時半という、比較的早い時間帯に始まった授業だったこともあり、生徒の中には遅刻するものも多く(私のクラスでは5分以上の遅刻は欠席扱いになる)、授業に出ても眠そうな顔をしている(従って中々授業に参加できない)ものが多かった。それもあってか、試験と論文の平均点はあまり高くなく、生徒が多くを学んだというものもあまり見られない、ある意味残念な結果になった。また、私の大学が不必要にヨーロッパ志向が強いこともあり、アジアを含むそれ以外の地域への理解が比較的乏しく、この授業に対する生徒の態度もそれほど強いものではなかった。

来年の春学期には、このアジア政治の授業と、3年前に教えた「戦争・平和・政治」の大学院の授業を担当する。

卒業式

去年は出れなかった大学の卒業式、今年は参加した。とはいっても学部主催の謝恩会だけだったが、羽ばたく教え子たちとしばしのお別れをすることができて良かった。

中にはほぼ3年前に教えた学生らが私を探して笑顔でハグしにきてくれたのは嬉しかった。彼女らの就職先を聞くと地元のセントルイスからシアトルからニューヨークからイタリアのボローニャまで幅広い。

今年は私が担当した大学生が卒業生の最高賞を受賞した。担当教員にとっては誇りである。

大学学長の話の最中。
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1時間半ほどでお開きになり、今度は学部の同僚のスティーブ宅で学期終了の乾杯。楽しい時間を過ごすことができた。

高校生からインタビューを受ける

今週、地元の高校生から授業のプロジェクトでインタビューを受けた。その際に予め送ってもらった質問は以下の通り。高校生とは思えないほど高いレベルの質問だった。

Since China abolished presidential term limits, president Xi Jinping has been likened to Mao. Do you think he deserves that title? Why or why not?

 

What kind of response do you expect from the United States as China potentially slides into a more dictatorial governed state?

 

How do you see the politics of the North Korea situation and additional tensions in the South China Sea affecting trade between United States and China?

 

Is it realistic to expect alignment with Vietnam over disputes in the South China Sea?

 

Are import tariffs on China a mistake? Why or why not?

 

How do you see European markets being affected by trade disputes between the US and China?

 

Should the US adopt policies to defer Chinese aggression that are targeting at damaging the Chinese economy?

 

Is stability in East Asia more important than pushing for change that promotes American ideals?

 

Should American corporations and investors with heavy ties to East Asia worry about unpredictable or aggressive actions leading to a reaction from the US that hurts their interests?

 

What do you think the US should change in foreign policy in relation to dealing with communist-governed nations?

担当した生徒が合格した大学院

私が去年担当した優秀な生徒から連絡があり、以下の大学院に合格したようだ。とても嬉しい。かなり頑張る生徒だったので、強力な推薦状を書いていた。

ジョージタウンMSFS
ジョンズホプキンズ南京センター
ジョージワシントンのエリオット・スクール

残念ながらコロンビアからは不合格だったが、この3校からの合格通知にとても喜んでいる様子だった。あとは奨学金の有無などを考慮しどの大学院に行くかを決めるようだ。


海軍兵学校会議に参加する生徒が決定!

毎年春、海軍兵学校ででは大学生の年次会議が開かれ、選ばれた学部生がアメリカの外交問題を様々な角度から議論し交流を深める。今まで私の大学は招待されていなかったが、年末に私が兵学校の代表と交渉し、今年より私の大学にも招待状が来るようになった。政治学部がスポンサーになり、海軍とコストを共有することになる。ただ、大学を代表できるのは僅か1名の生徒である。

冬休みを通して政治学部の学生を中心に参加者を募ってみると、先週の締め切りまでに8名の学部生が手を挙げ、履歴書と願書を提出してきた。今回、私が中心になり学部の別の教授と共に審査会を行い、代表の生徒を決めた。私もその教授もよく知っている、学部でもトップクラスの学生である。早速、その生徒におめでとうと伝え、オファーを出し、今後の方針を説明した。

この会議は私が博士候補だった数年前にもシニア・アドバイザーとして2度参加した、1960年から続く由緒ある国際会議である。陸軍兵学校のそれにも劣らず、海軍らしく参加者には会議の一環として船に乗せるサービスもあった。ちなみに日本の防衛大学もこの会議に学生を送ることがある。世界の裏側から日本人を代表してメリーランドの港で会議に出席するのである。日本にとっても、防大にとっても、その参加者にとっても、とても良いことだと思う。
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