Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士号取得→アメリカ空軍戦争大学勤務→現在はセントルイス大学の政治学部准教授及び国際関係学科主任。専門はサイバー、国際安全保障。航空自衛隊幹部学校客員研究員(2016-18)

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教育・TA・学部

毎日新聞「修士号でも年収300万円台 非常勤講師の男性「まるで捨て駒」」

日本のブレイン・ドレインに更なる拍車をかけるこの種の報道は止まらない。



一方で分野にもより、外国語教育学が大変そうだとの印象を持っている。ステムの分野と一概に比較することはできない。

実はアメリカでも講師採用の問題は大きく認識されており、各大学で講師を転々とする学者も稀にだが見られる。しかしほとんどの場合は、その悪循環に気付いて転職している。

このブログでも何度かペンでの同期や先輩後輩について書いてきたように、公職への転身、一般職、教育事務職に移る同僚は何人も見てきた。

国際関係論のゼミの研究論文

今学期は私の国際関係論のゼミで研究論文を課題に出しており、履修生13名全員が自分で選んだ議題で書くことになる。

今週、そのテーマを決める締め切りがあったのだが、議題を学生と決める過程で気が付いたがことが一つある。

コロナ期に大学に入学した今の4年生の多くは高校の時の社会の授業をズームで受けており、論文の書き方や国際問題の考え方が例年と比べ少し劣っている。これは前から覚悟してきたことだが、この段階でやはり顕著に感じている。

4年生の多くは更に、大学1年2年次の授業をズームで受けている場合も多く、授業で行う議論への姿勢も比較的受動的だ。これは彼らの責任ではないのだが、研究論文の執筆や思考能力に否定的な影響を与えている場合があり、今学期は少しそれを感じながら授業を行っている。

それもあり、来週のゼミでは国際関係学の論文の書き方を2時間半かけて教える。

秋学期に教える授業

秋学期に教える授業が正式に決定した。今回はゼミを2つ教える。

一つ目は私の十八番である国際安全保障学のゼミ。2年ぶりに教えることになるこの授業ではこの分野の大切な部分をほぼ全て網羅する。前回は満員御礼のクラスでとても楽しいゼミになった。

もう一つは国際関係学のキャプストンで、国際関係学を専攻した生徒のみに4年間のまとめとした授業を行う。使う文献はまだ決まってないが、去年はリチャード・ハスの教科書を使い、生徒から高評価を得た。

ここ最近はしばらく1年生の授業を教えていないが、来年あたりに私の順番が回ってくるかもしれない。

文春オンライン「「TOEICは実にくだらないですね」国立大の“ギャル准教授”が日本の受験制度を破壊したいシンプルな理由」

この方のような経歴と経験を備え合わせた方の見解は日本人に非常に有益なはずだ。



英語教育に関しては考えがとても近い。

少し異なる点を一つ挙げるのならば、私は記事で強調されている自己アピールの点は特に英語の授業でする必要はなく、これは国語や道徳の授業で小学生の時点から行われるべきだと思っている。そしてそれを英語の授業で更に向上させれば、この方の仰るような人材が徐々に形成されてゆくのではないかと思う。

いずれにせよ、日本の英語教育は今後も抜本的な改革が必要だ。

大学から南を向くとこの景色

金曜日は学部会議の後、学部の連中と飲み会をした。この写真はその後の帰宅する際の駐車場でのもの。大学から南を向くとこの景色がある。実際には普通の場所だが、このように写真で見ると殺伐としている。

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セントルイス大学模擬国連

ここ3年に渡り模擬国連の担当をしている。今年のグループも例年通り非常に組織力・結束力が強くよくまとまっている。

昨秋はシカゴの年次会に参加し、先週はハーバード。そして来週はカリフォルニア大学バークレーの年次会に参加する。

年によって参加する場所が異なるのが興味深い。去年はニューヨークで楽しい思い出を作ったようだった。

大学合格者・保護者との学部懇談会

先週の金曜日は会議を6つこなすために大学へ。その中の一つが今年度の受験合格者で最も価値の高い学長奨学金の候補との会合だった。

この奨学金は4年間の大学費用が全て免除になるもので、アメリカ全国から候補がこの数日間に大学に集合し、大学関係者との最終面接審査を受けるものだ。名誉ある奨学金であるためその数は少なく、特に大きなイベントというわけではない。

私は国際関係学科主任として、国際関係学と政治学を主選考にしようとしている候補たちを学部に招待し、保護者を混ぜて懇談した。この懇談自体は審査ではないため参加者はリラックスしており、政治学に興味を持つ人たちに我々がどのようなプログラムを行っていることを説明し、質問に答えることを目的をしている。

その日はあいにくの雪となったが、20名を超える参加者が学部ビルを訪れ、学部の会議室は満席となった。同僚のウィンと行った懇談は予定時間の1時間を超えた。プログラムを簡単に説明すると強い興味を持つ学生や保護者から幾つもの質問を受けた。政治学・国際関係学に相当強い興味を持っていることが明らかで、懇談が終わるとウィンと共に喜んだ。

今後数週間はこの種のイベントが数多く並んでいる。今回のは小規模だが、これからは一般合格者との懇談などが予定されており、主任としてそれに参加することになる。今学期も忙しくなってきた。

大阪公立大学の英語公用語化について

物議を醸している大阪公立大学の英語公用語化。私は強く支持する。



素晴らしい試みだと思う。反対意見が色々出ているようだが、この種の改革がなければ日本の国力の活性化は達成されないし、日本の英語力問題は解決の方向に向かわない。

英語を導入することにより日本人の論理力が飛躍的に向上するだろう。実際に英語で物事を考え論文を書き、英語のわかる教授に採点して更に英語のトレーニングを受ければ、今まで日本語で受けていた授業との差が一気に浮き彫りになるだろう。

テキサス大学サンアントニオ校での新しい人口知能・サイバー学部

テキサス大学サンアントニオ校で、人口知能・サイバー・データサイエンスに特化した新学部を設立するとの報道があった。



サンアントニオという大都市に位置する企業や学生からの需要に応える形で、ある意味当然の動きだろう。素晴らしい計画で支持したい。

9時台に就寝するアメリカ人

昨日のウォール・ストリート・ジャーナルより。Z世代のアメリカ人の睡眠開始時間が早まってきており、9時台には就寝するという記事。



素晴らしい生活形態の変化で、これは大人の世界でも見られる。そしてより多くの人たちが早い時間に就寝すれば、その分店も早く閉じることになり、外出しづらくなる点もある。昔したような「オール」や3次会という感覚は徐々に薄れてきている。
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