Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士課程を卒業し、アメリカ空軍戦争大学で教鞭を取った後、アメリカ中西部のセントルイス大学の政治学部で教えています。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。ここ数年は日本の軍事力と文明間の紛争の研究を進めています。 このブログでの意見と表現はあくまで著者個人のものであり、必ずしも関係機関の政策を反映するものではございません。

政治・政策

DMZでの亡命劇

先日の北朝鮮兵士の亡命劇は収束を迎えそうだ。

場所となった板門店のJSAには仕事で何度か足を運んだ。韓国側の建物内に加え、DMZ近くの国連軍の基地ではスイス軍とスウェーデン軍の将官からもブリーフィングを受けた。米軍一向で歩いた地形もよく覚えているし、他の軍事基地で見られる以上の緊張感も味わうことができた。現地では例えば、北朝鮮側に向かって手を振ることなどのシグナルを送ることは禁止されていた。

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しかし記事を読んで、少し違和感がある。韓国側の地域には確かに隠れることのできる地形はある。しかし下の写真にあるような監視所を囲む森の中を走って韓国側に向かったとしても、40発以上も北朝鮮側から韓国側に発砲されて反撃しないのは不自然に感じる。

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また、記事には「銃声で異変に気づいた韓国側は、実弾を準備し、防弾チョッキを着用するなど態勢を強化」とあるが、韓国軍の兵士はエリート中のエリートの兵士で、常に実弾を装備し防衛体制は24・7である。

拙著「トランプ政権の今、米軍で何が起きているのか?」@治安フォーラム

毎月連載させて頂いている治安フォーラムの最新号に、拙著「トランプ政権の今、米軍で何が起きているのか?」が掲載されました。

今回は、普段情報が限られている米軍の内部の変化について書きました。特に、米軍内のトランプ政権への支持率の変化と、軍人を多く擁するミリタリー・コミュニティが政権の政策をどう評価しているのか、そして政権のアフガン政策や北朝鮮政策をアメリカ人がどのように見ているのか、などについて言及しています。

また、アメリカでのトランプ評価と日本での評価に温度差がある点、そしてトランプの一連の問題発言が日米関係を混乱させる可能性についても考察しています。

興味のある方はぜひどうぞ。

ヒラリー・クリントンがコロンビア大学の教授に

File_What_Happened_(Hillary_Rodham_Clinton)_book_cover報道によると、ヒラリー・クリントン・元・大統領候補がコロンビア大学の教授になるという。

この重要な時こそ、経験を踏まえて教育の世界でしっかりと貢献して頂きたい。

What happened という、今回の大統領選挙について書いた著書を出したばかりの元候補の授業はおそらくそれについての言及が中心になるだろう。教育の視点からはプラスとマイナスの点が見受けられる。

ただそれでも伝えられるべき点は多い。それに期待して正式の決定のニュースを待っている。

拙稿「自衛隊派遣の際に考える民族・宗教問題 :ミャンマーとフィリピンを事例に」が出版されました

拙稿「自衛隊派遣の際に考える民族・宗教問題 :ミャンマーとフィリピンを事例に」が治安フォーラムに掲載されました。

今回は私自身のフィリピンやミャンマーでの観察を元に、世界の民族や宗教の問題に焦点をあて、将来の自衛隊の行動にどのような影響があるのかについて書きました。

興味のある方は是非ご覧下さい。

トランプ政権のオフショア・バランシングの可能性

今学期教えているアメリカ外交政策の授業では、来週トランプ政権の外交政策について授業をする。

去年の11月の大統領選挙からほぼ一年経ち、授業で使える文献も徐々にだが増えてきた。授業のシラバスを完成させたのは夏であるため、実際には夏の時点での文献で授業を構成するのだが、それでも有益な視点を生み出す貢献は多い。

その中でも重要なのはやはりオフショア・バランスに対する見方だろう。ここ10数年に渡りその戦略を唱え続けてきたミアシャイマーとウォルトは、この数ヶ月の間にトランプ政権に対してもその戦略を薦めている。

来週の授業ではクラスを半分に割り、オフショア・バランス賛成派と反対派に分けて議論をさせる予定である。
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