Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

ペンシルベニア大学政治学部博士号取得→アメリカ空軍戦争大学勤務→現在はセントルイス大学の政治学部で教えています。政治学部准教授、国際関係学科主任、そしてアジア学科主任。国際関係学、安全保障、東アジアの政治学を担当しています。

ポスト・コロナ

今夏二度目の大学訪問

昨日は久しぶりに大学を訪れた。1ヵ月半ぶりだ。



あと10日で秋学期が始まるため、授業で使う予定の教室やコンピューター設備などの講義を受け、実際に使えるか確認するためである。

他にも大量に溜まっていた論文十数本を印刷したり、郵便を受け取ったり、図書館で書籍を渡してもらったりと大忙し。

その後は買い物のためコスコなど3店回った。ヘトヘトになって帰宅。

ところで大学キャンパスを歩いていて気付いたこと一つ。外を歩いている人で(学生や大学訪問していた家族)マスクをしている人は10%にも満たなかった…。

秋学期の始業まで2週間

秋学期の始業まで2週間を切った。

アメリカ各地では完全にリモートに移行した大学が増えている中、私の大学は今のところ、教室での授業とリモートのコンボで行くようだ。ハイブリッド形式の是非は今夏色々議論されている。

しかし各地ではコロナ感染が未だに広がっており、終息の時期が見出せない。新学期になれば感染者の拡大は避けられない。

従ってリモートに完全移行するのは時間の問題だろう。多くの学生は来週中には入寮するようだが、結局のところリモート授業になるのなら、その際の保障など考えるべきだろう。


今秋の予定

秋学期に担当する授業は一コマで、2時間半のゼミを週に一度行う。安全保障のゼミで、4年生と大学院生を中心とした政治学と国際関係学部の精鋭13人を集めた。

月一の学部会議はズームなので、大学には週一の通勤で済みそうだ。ただ、このゼミがオンラインに移行すれば、通勤自体がなくなることになる。

コロナのおかげで春夏同様、今秋の予定は大きく狂ってしまった。

紅葉の美しい時期に、パリとアムステルダムへの出張を予定していたが、両方とも吹っ飛んだ。9月に予定していたアメリカ政治学会の年次会もオンラインになり、今回はキャンセルすることした。

大統領選挙の数日前には国際関係学科の担任を集めてオンラインのプレゼンをすることなどは予定している。

東京新聞「東京は今でもファクスと手入力 コロナ情報共有システム2カ月たっても導入進まず」

「技術大国」日本のはずだが、危機における対応能力がこれ。当事者の間で相当の抵抗があるのだろう。


ポスト・コロナの学者の仕事

ウィズ・コロナが幕開け数か月、学者としての今後の仕事の仕方を考える機会が多少あった。今後とも変化し続けるだろうが、現在の自分の見解を書こうと思う。

1.学会はズームなどで無料でできる事が確認されたので、今までのような参加費だけで数百ドルかかるような学会は廃れるか、参加費が下がるだろう。

2.また、長距離の移動をして学会に行くことも減るだろう。ズームなどのリモート技術は距離感を克服するからだ。大学の事務側はそれを知っているため余分な研究費を削るだろう。

3.私の大学は秋学期のキャンパスでのイベントは全てズームになった。学部会議や教員の研究発表も全てズームである。授業は教室で行うのが今のところは大半だが、学期の途中にオンラインに動く可能性は高い。

4.研究に必要な要人とのインタビューなども出張で行くのではなく、ズームもしくはメールだろう。私のように質的手法を使う研究者は出張が大切だが、最近はアーカイブもデジタル化され、自宅からでも見れる。

5.講演の謝礼の額も下がるかもしれない。ズームができるようになるため、招待側の予算は限られる。また、ズームでやるなら、なぜ謝礼を払うの?とも思われるだろう。

6.普段の仕事の場所も、大学に加えて自宅のオプションが増えるだろう。アメリカの場合は教員などは都市から近郊へ引っ越す動きが強まるのではないかと思う。都市住宅の魅力は多様性や便利さがあるが、消費者技術でそれが補えるし、少なくとも中短期的にはコロナの影響で都市住宅の魅力は減少したはずだ。郊外に住めば分かるが、綺麗で、安全で、静かで、便利な場所は多い。
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