Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

セントルイス大学政治学部教授。国際関係学科主任。元米空軍教員。

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2008年06月

よく言われる誤解3つ

最近また色々言われたので、今回は自分に関してよく言われる誤解を3つ。

1.のりは忙しい。

もっと時間があればと思うが暇である。このブログの更新頻度を見れば明らかである。従って私が「忙しい」と言う時は基本的に社交辞令(50%)か興味の欠陥(49%)か本当に時間のない時(1%)を意味するだけである。ただし人の言う「忙しい」には様々な理由があるのも承知 (whatever)。

2.怖い。

私を知る者にとっては意外なイメージのはず。このブログでの表現の仕方が原因だろうが、逆である。一般的に私は年下や社会的弱者の味方だと思っているから。逆に権威に対して立ち向かう傾向があるため、年上の方で私に噛まれた人は多いはず。

3.頭が良い。

これも私を知る者は誤解だと知っている。親友を含め友達、そして先生方には一度もそう言われた事がない。何度も書くが私は自分に足りない賢さや能力を努力で補っているだけである。

今週後半の出来事

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水曜は午前10時にイギリス大使館。現在訪ワ中の英国内諜報部長とアポが取れたので1時間強インタビュー。イスラム系団体の情報、パキスタンの内情をガッツリ入手。正午職場に到着、仕事を進める。午後3時、ランドの研究員と会談のために機密のフロアへ。相手は心の通い合うフェロー政治学者。話の内容はイラクの軍事状況について。

木曜、職場に午前8時半到着。午前中は仕事を済ませ、正午過ぎにダウンタウンへ向かいCSISへ。「日米同盟に関わる新世代による会議」とやらに参加。参加者数は約15名で日米割合は五分五分、日本側の参加者は過半数が若手外交官。会議の内容は日米関係における核抑止と拡大抑止について。アプローチの仕方に気になる点があったので会議中に指摘させて頂く。2時過ぎに職場に戻る。

3時、研究員のジョンとの会談のため機密のフロアへ。話の内容はアフガニスタンのテロ状況について。ランドは予想以上に軍事オタクな場所で、多くの研究員のオフィスにはプラモデルが飾ってある。米空軍が主な顧客であるため当然戦闘機・爆撃機をよく目にするのだが、先日話をしたデービッド(私のボスとは別人)のオフィスの半分は文字通り戦闘機で埋まっていた。どうやって仕事をしているのか、果たして仕事をしているのか不思議に思う。今回のジョンのオフィスには珍しく零戦が飾ってあり会話が弾んだ。1943年ほどまで世界でトップだった日本の誇るべき零戦の話になると彼は止まらず、戦中の日本海軍エースパイロットの坂井三郎の講義を十分ほど聞かされ機密のフロアを後にした。4時、ランドの別の研究員と会談。この方のテロの考え方は革命的で素晴らしかった。6時過ぎ、ダウンタウンに戻り職場の同僚らの飲み会参加。参加者数は20名強の大騒ぎ。

金曜午前8時半、CSISへ赴き東アジア戦略会議に出席。この朝食会議には前から誘われていたが今回初出席。オーストラリアの新聞記者が今日のスピーカーで、トピックは米豪同盟について。参加者はアメリカ人がほとんど。会議前には前日本部長のビル・ブリア氏と久しぶりに挨拶。記者の発表の中で、ラッド新政権の外交政策に関して不透明な叙述があったためそれを指摘し質問させて頂く。12時半、ランドの政治学者の同僚を集め近くのタイ料理屋で昼食。4時半、ランドの研究員と会談。

アバクロ

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私のモットーの一つに、「脱いだら凄いんですが脱がなくても凄いんです」というのがあるのだが、いずれはアバクロの裸のモデルでデビューするのが私の目標である。負けへんで!



楽しいけれどブログで書けない内容の研究をしていると欲求不満になりこうして暴走する。

PS.ランドはホット・チョコレート飲み放題、アイスクリーム食べ放題(マジ)。

テロ研究とアラビア語

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現在の私の仕事の内容は特殊作戦部隊による対テロ戦争の戦略・作戦考案なのだが、その研究の目的に私自身が個人的に強く賛同しているためその分気合が入り、自分なりの効果を予測している(参照:http://psf.blog.drecom.jp/archive/183)。同時にこの研究課題は私の博士論文に直結する内容であるため士気が特別高い。

昨日はボスのデービッドと2時間以上会議をこなし、当研究所でアラビア語を自由に話すテロ専門家と数十分間話す機会があった。

アルカイダを研究していると、入ってくる主要情報はアラビア語であり、その重要性をひしひしと感じる。もちろん地域的には、パシュトゥン語やウルドゥー語などがアフガニスタン・パキスタン国境に当たる「現地」の言葉なのだが、メディアなどを通す研究で頻出するのはあくまでアラビア語であり、今まで学んできた英語も仏語も露語も副次的にしか使えない状況に直面し、改めて言語の重要性を実感した。テロ研究の同業者で(私は「テロ専門家」とは名乗らないが)今日のワシントンポストの記事(Al-Qaeda's Growing Online Offensive, http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2008/06/23/AR2008062302135.html?hpid=topnews)を読んだ者なら分かるだろう。

写真:図書館にあるジェーンズ年鑑。シリーズで連続して揃っているのを見るのはここが初めて。一冊10万以上の代物。

週末のソフトボールとポトマック川

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土曜日はポトマック川東側のグラウンドにてソフトボール。午後1時過ぎに始まったゲームは次第に練習に移り変わり、お開きは4時半。30度を超すいい快晴だったが長時間のためさすがに疲れた。筋肉痛は感じずもあまりの疲労で翌日は完全に仕事に充てた。

次の試合は今日月曜日の仕事後にて!

PS.今週木曜CSIS安保部の核拡散のミーティングに参加される方おりましたらご連絡下さい! 私も行きます。

写真:ポトマック川沿いから眺めるワシントン記念塔

故人を村長に再選するルーマニアのシブい村

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Romanian village re-elects dead mayor
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/romania/2149411/Romanian-village-re-elects-dead-mayor.html

ルーマニア北部のヴォイネスティという村(地図はここ)で最近開かれた選挙では、故人である事を知りつつも現職の村長を再選したという。こんな面白い現象は初耳。

村政のためにという理由で、結局は二着に終わった対立候補を繰り上げ当選したそうだが、祝ってもられないそんな彼に同情する。本人の正当性の形成が何よりも最初の仕事になるだろう。

同時に、チャウセスク独裁政権後続いた政治不安定を乗り越え、こんな村レベルまで民主主義的制度を浸透させた元共産主義国家にグー!(また書きよった…)

イメージ:ルーマニアの村。一度ウクライナとルーマニアの国境沿いの村を訪れた事があるが、本当にこんな感じ。牧歌的な風景がたまらん。
http://ajt.iki.fi/blog/main?cat=27

ペンタゴンの防衛政策計画課

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水曜夜は国防総省で勤務するペンの後輩のティムと久しぶりに再会。職場近くの飲み屋で待ち合わせすると、彼の所属する防衛政策計画課の連中数名に紹介された。その後、同課と防衛分析研究所(IDA)の両方に勤務するアンドレアに紹介される。彼女の博士論文の内容がイラクの対反乱軍戦略と聞いて嬉しく思った(同業者であるため)のと同時に、その研究のためにイラクの戦場でインタビューを繰り返していたと聞いて驚いた。

「ちっ、俺もアフガニスタンかパキスタンにでも行きたいな。行けるの今だけだろうし。」

その後、私がちょうど2ヶ月前に上司のデービッドと行ったレバノン料理屋のタベルナでティムと3人で夕食。話の内容は政策計画課の官僚的な話題がほとんど。そういえば彼らのボスであるトムとは2年前のスワモスで意気投合し、彼の博士論文のケースであった真珠湾の話で盛り上がった記憶はグー!(寒)

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写真: 私のグローブ。ランドに来てからは週3回のペースでソフトボールをしている…。

筋の通る矛盾

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私の同期の一人はイラン出身者で、ここで核兵器の研究に勤しんでいる。言葉を変えると、ここ数年「悪の枢軸」を形成しアメリカと敵対する一国として世界政治を騒がせているペルシャ国家の出身者を研究所内に堂々と歩かせ、安全保障の中でも最もセンシティブな問題の一つの研究を任せているという事である。

日本で考えてみれば、防衛研究所で北朝鮮出身者を雇い拉致問題の研究をさせるようなものである(想像して)。国家安全保障の視点から一見矛盾しているように見えるその現象は実は筋が通っている。ペルシャ語(ファーシ)とイラン国内情勢を人以上に理解するアドバンテージは大きい。この種の大きな社会・経済的機会を与え新米的にする利益、そして人的ネットワークの形成に務める理由もよく理解できる。そんな事を話しながらその人と笑っていた。一方でアラビア語を全く理解しない私がなぜアルカイダなどのテログループを担当しているかは未だに不明。いずれにせよこのような形で門戸を開くことには賛成する。

もちろん私に日本の現状を批判する意図はなく、上の記述が示唆(あくまで示唆)する政策を唱えるわけでもない。私は日本の世界での政治を強く応援する人間の一人で、世の中にはこのような面白い現象があるという事を指摘するのがこのGントリーの主旨。

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橋下知事「40代府職員の自衛隊体験入隊検討」

素晴らしい!

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写真:職場近くから見る米空軍記念塔
http://www.airforcememorial.org/

ホーチミンの名言

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"… against the enemy’s airplanes and artillery we had only bamboo sticks. … The discrepancy between our forces and the enemy’s was so great that at the time some people likened our war of resistance to a fight between “a grasshopper and an elephant."

- Ho Chi Minh Selected Writings, Part II (1945-1954), Political Report at the Second National Congress of the Viet Nam Workers’ Party (February 1951).

インドシナ紛争での仏軍は「象」でホーチミン率いるベトミン軍は「バッタ」。良く分かるがなんという例え!

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イメージ: http://en.wikipedia.org/wiki/Ho_Chi_Minh

今週はかなりファンキーなことをした

1.研究所内にある、私のカードのみでは入室の許されない機密部屋に招待され研究員数名と会議を幾つかこなした。同時に、所内にはその種の会議室が幾つもある事に気がついた。実際、いたる所に監視カメラが設置されていて、それがハッタリでないこともよく分かる。そんなん国務省やペンタゴンの中だってない。映画のミッション・インパッシブルの世界である。滅茶苦茶ファンキーな経験である。

一方で、食堂や台所、仕事場のコンピューターや研究材料や図書館など、内部の施設はこれとなく充実している。今までは一番だと思っていたブルッキングスのとは比べ物にならない。

2.同期の博士候補ら10名程と飲み会に行って打ち解けた。そのほとんどが安全保障問題を中心に勤務しているが、掘り下げてみるとその内容は軍艦建築(マジ)やエネルギー、ポーランド陸軍の改革など様々。その中でクリアランス(機密情報取扱許可)所持しているのはほぼ半数で、みんな仕事内容も機密なので内容中々教えてくれねーよ! 一方でハードコアなテロ問題を担当しているのは私だけという事が判明した。プレッシャーだが名誉なこった。

3.所内のみで回されている機密文書に多く接する事になった。内容も凄まじい。決して表に出ないだろうが博士論文レベルの内容の濃いネタがかなり転がっている。つまり私の必要とする研究材料を惜しみなく提供してくれているということ。そんな待遇も「想定外」。
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