Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

セントルイス大学政治学部教授。国際関係学科主任。元米空軍教員。

経歴・学術論文等はこちら:https://researchmap.jp/katagirinoriyuki

ブルースカイはこちら @norikatagiri.bsky.social。

執筆、講演等の仕事の依頼は nori.katagiri@slu.edu までお願いします。

研究者の方々へ、Global Studies Quarterly (https://academic.oup.com/isagsq) への寄稿を是非ご考慮下さい。副編集長として編集作業に携わっております。お気軽にお問い合わせください。日本の多くの大学がそうであるように、JUSTICE (https://contents.nii.ac.jp/justice) 所属大学の方々はオープンアクセス出版料金が免除されます。

2009年01月

政治学部の受験、SRFのフェローシップ

今年の我が政治学部の入試情報。結構凄い日本人が受験したと聞いたよ。しかもちゃんとプレッシャーかけといたよ。結果楽しみにしてる。今年は例年よりも合格者が増える予定。早く後輩できんかね。

今日はSRF(スミス・リチャードソン基金)から、今年度の World Politics and Statecraft Fellow に選ばれたと連絡を受けた。早速うちの学部内のメールでこの連絡がされると直後から担当教授や同僚から祝福のメールを受けた。同窓のメレディス、アリソン、マット、そしてエルスペスからは直々にお祝いの言葉をもらった。やりぃ! 

この奨学金は博士課程で安保系の研究をする人間なら世界中どこからでも応募できるので、興味のある方はぜひご考慮下さい。















-----
5月に帰国するからその時メッサ遊んだるわ。中学の同窓会だってスポンサーしたるよ。せんけどね。

「軍事的に去勢された」日本、ですか?

0559d090.jpg
朝、いつも通りシブく学部に顔を出すと、今朝のニューヨークタイムズを読んだのか開口一番、「のり、日本はソマリアに派兵するんだって?」と言われた。

「ああ、けどあんな派兵の仕方は気に入らないんよ。」

そう、今月7日の勉強会でも少し触れたが(ブログには書いていない)、私が今回の政策に賛成できる部分は少ない。そしてまたいつもの通り、この派兵の是非に関する国内でのまともな議論が皆無なため、いとも簡単に法案が通り国際政治における「日本の普通化」を推し進める官僚の皆様の大勝利なのである。

そしてネットの新聞に目を通すと

「日本がインド洋で活動する理由 国際テロのない世界を目ざして?政府広報」

とある。私にはインド洋派遣に説得力のある主張はもはや見出せない。ただここで注目して欲しいのは、この政府の「広報」を宣伝している機関は産経でも讀賣でもなく朝日新聞だという事なのである。

-----
今日、学部の連中に「戦後日本は "militarily neutered" だ」と呼ばれた。「軍事的に去勢された」ですか。アメリカで13年間、日本の恥ずかしい事を幾度と言われ続けてきたけど、今回のは初耳だったよ。周りの同僚も驚いてたよ。ただもちろん、わが国の軍事はアジアを代表するだけの力がある一方、憲法は解釈の部分に頼るところが大きいため(そして大きくなってきている)、どちらかと言うと「政治的に去勢された」の方が近いとは思うけどね。ま、聞いた瞬間は納得してしまったよ。

-----
先日のその勉強会の後、秋葉原での打ち上げの最中にワシントン時代から色々お世話になっているWさんと話をしていて、「東海岸で日本外交政策の話を聞くたびにテンションが下がるんですよ。だから僕博論のトピックから日本外したんですよ」系の話題で少し盛り上がった。未だに「日本は安保政策面でもっと独立すべき」との理想論を熱く語る私は、Wさんの隣で話を聞いていた人にだが、「のりは日本人を買いかぶってるよ」とまで言われてしまった。私の見解と一般的な日本での安保観に大きなギャップがあるのは分かる、このブログでも何度も書いている通りにね。

ただ、一般の方々がどう思われようが構わないが、あたかも己の考えのみが正しいと勘違いし、日本国民にそれを数十年と垂れ流し信じさせ、血税を払わせ続けている極端に親米派の外交官の方々、私から見れば彼らの主張とワシントンの戦略にこそ、本当に大きなギャップがあるように思える。ワシントンにいる日本の高級官僚は東京にいる高級官僚とはその重要性が極端に違うのである。そして一般の日本人の方々は、彼らが日本で言う事にもう一度疑ってかかるべきなのである。ワシントンの連中の本音を聞けば一発で分かるよ。日本政治を専門にせず、従ってスポイルされていない、一般的な国際政治の専門家に話を聞いても一発で分かるよ。逆に今までなぜそのギャップが日本の国民にもっと強く、明確に伝わっていなかったのほうが興味深い問題だと思う。

untitled.bmp少し国際関係に興味のある方々が、次の駐日アメリカ大使の候補にジョセフ・ナイ(写真)が挙がっている事に興奮を覚えるのは理解ができる。ただ同時にご存知の通り、ナイ、駐インド大使の可能性も高いよ。そしてそちらの方が国務省内で重要な立場であるのは明らか。ナイの名が日本のメディアで挙がって1ヶ月経つ。調整の問題も当然あるけど、まだ決まらないのはなぜだと思う?

-----
写真上
http://img.timeinc.net/time/asia/magazine/2007/0305/jap_military.jpg

写真下
http://powerfulpeace.files.wordpress.com/2008/07/joseph-nye.jpg

苦労するぜ博士課程

61e9eae8.jpg
ここ数日、睡眠時間を毎晩削って博士論文を書き続けていたが、どうも今週中に終わる見込みがなくなった。100?の論文を形よく、そして内容をレベルを維持したたま削るのは至難の業である。「時間のために」という理由で妥協もできない。なので今さっき4人の担当教授にメールで新しい締め切りの来週火曜を知らせておいた。こんなに頑張ってるのに!悲しい

苦労するぜ博士課程。しかも教授陣が結構厳しくて中途半端な論文じゃ卒業させてくれないので、その分質の高いのを書かなくてはならない。たくさん期待してくれているのは名誉な事だが、それは同時に失敗の可能性も高いという両刃の剣である。

ギニア・ビサウの章提出まであと6日走る

写真:2年前に訪れたストックホルム。3月また欧州旅行してきまっさ。

締め切り延期…

今週末、全て仕事に費やしたがそれでも論文が終わる見込みがない。締め切りは火曜日にしていたが2日余分に取ろう。悲しい

ギニア・ビサウの章提出まであと3日走る

「私も後輩が欲しいんですけど、何か?」

金曜は朝から大学で論文の加筆作業。大学院生センター(写真下)で仕事をしていると同期のメレディスと再会。お互いの近況を報告しながら談笑。そして東アジア学部の友人のネイサンと日本語で話しているとソーシャルワークの勉強をされている日本人の方にお会いし、3人で会話成立。日本の世界遺産に登録されている文化財からそれぞれの学部の先輩・後輩事情まで話が広がった。

私の学部には私以外に日本人の大学院生がいたという記録がなく、私には事実上日本人の先輩も後輩も誰一人いない。学部には日本の政治に関心がある教授が数名いるため日本からの留学生が数名いてもおかしくはない。他の留学生の出身地は様々で、特に多いトルコやイギリス、カナダ、中国を始め、インドネシア、ヨルダン、クウェートなども含まれる。私も学部長のエイブリーに何度か「私も後輩が欲しいんですけど、何か」と「怒りオヤジ的な」口調で頼んでいるが、今年も分からない。逆に、「特に言葉の問題があるから、アメリカで修士号を持っていてある程度証明されている日本人なら合格させるという見方がある」と結構もっともな返事が返ってくるのである。

話を元に戻すが、金曜の午後は同センターで加筆作業を進め、その後は図書館で更に加筆。図書館の孤独なエリアで3時間も過ごすのは珍しい。図書館の前にはギャップ(店)に寄って経済不況の波であろうか、あり得ん程に割引されたセーターとスラックスを購入。

ギニア・ビサウの章提出まであと3日(キャー)走る

487596a4.jpg

やっと一息…

e32d1ad7.jpg
やっと一息…

つかねー。

来週火曜の論文提出日を目前にしてそろそろラストスパートの必要性が出てきた。毎日毎日誰も知らないギニアの戦争に関して執筆し、物語の中に登場するカブラルやらスピノラ(写真)やらFARPやらカーネーション革命やらについて考え、延々と修正過程が繰り返される。そしてそれが終わる来週からは130年前のスーダンの研究と執筆悲しい。紛争とその終焉について研究するのは最高に楽しいけれど、早く終わらんもんかね。

-----
今日は今学期初のオフィスアワーを開いた。先学期の教え子のステファニー、サーロウ、ジョニーが訪れ推薦状の依頼を受けた(ガッシリ書いたる)。

ギニア・ビサウの章提出まであと4日走る

Mambo Nr 5
http://www.youtube.com/watch?v=hfvJOL1gpic&feature=related

-----
写真:スピノラ(駐ギニア・ポルトガル軍最高司令官と後のポルトガル首相)
http://rulers.org/spino.jpg

就任式の日は…

8da6c1e3.jpg
今日は正午から始まる就任式に合わせエイブリーの国際安保の講義は早めに終わる。担当教授のジェニファーと久しぶりに話した後オフィスに戻ると、同期のマットと後輩のクリスとエリックが就任式の同時放送にジーッと黙って目を向けている。普段は明石家さんまのように話し続けるこの3人が黙っている姿は奇妙である。就任式の模様は後で観ようと思っていた私は一人でジムへ。病み上がりの体調を忘れてバスケとサウナで汗を流す。

午後になり図書館に向かうと後輩のダレイと再会し、お互いの研究の進行状況を話す。その後はシカゴから取り寄せていた、ギニア・ビサウに関する情報の入ったマイクロフィルムを機械を通して読み込むこと小1時間。今度は学部に戻って後輩のロゼラと担当教授のエイブリー、クリス、そしてジェシカと談笑。未だ時差ぼけで夕方になると疲れが出るので、そのまま大人しく帰宅。

シブ過ぎる!

sex bomb

-----
最近、様々な方々からオバマ政権での日米関係について話を聞く機会がある。その中で必ず思い出されるのは、いかに「親日家」「知日家」を新政権に入れ込むか日本政府が努力してきたかという、オバマ政権の対日政策に関する悲観的な必死論が跋扈している事である。例えば反日家だと思われているヒラリー・クリントンが国務長官に任命されたため、「日本のメンツを保つ」という漠然とした意味でキャンベルの国務次官補就任を(外務省が押していた)喜ぶといった類のものである。

同時に、その種の主流派と私の考えの間には大きなギャップがある事も感じる。「日本は安保面で独立すべき」との私の(これまた漠然とした)理想論は現代日本のプラグマティズムと一線を画し、間違えれば今後再び、一昔経験した中年「実務家」からの批判を目にする事も可能である。ただ学者間での国際関係「論」に精通した人間ならば、彼らのその主流の見解こそが実は理想主義である事は理解されていると思う。日本の国際関係学はいつから、同盟関係を信じ切ることのできる反リアリズムになったのだろうか。

私の博士論文では日本の政治については全く言及しないが、卒業する時に合わせて少しずつ、日本の聴衆に向けてメッセージを送りたいとも思っている。

-----
就任式の模様はこちらから。

Barack Obama Inauguration Speech Part 1
Barack Obama Inauguration Speech Part 2

イメージ
http://i192.photobucket.com/albums/z288/DemRising/obama-inauguration.jpg

オバマ就任を迎えて

休日の月曜はここフィリーでは2?程の積雪。病み上がりのため大人しく自宅で執筆に充てている。

明日からここアメリカではオバマ政権の元、新しい外交、経済、そして軍事政策が施行される。継続される面もあろうが恐らく、経済、イラク、そしてグアンタナモなどの重要案件に関してはある程度ブッシュ政権とは異なる抜本的な変化が見られることを予想している。1月7日の勉強会で述べたようにイラクからアフガニスタンへと戦場、そして政治の場が移り、グアンタナモも一定期間を置いて閉鎖され、そして経済問題に関しては私は非常に楽観視している。

日本へ影響を与える外交問題に関しては、この時点で確定なのは国務次官補(東アジア)のキャンベルと国防次官補のグレッグソンくらいか。彼らの部下に誰がなるかという問題にも興味はあるが、ブッシュ政権時の政策の根本的な継続という意味では特に際立った重要性は見当たらない。駐日大使としてハーバードのナイが上がっているが事実上の降格を彼がどう受け入れられるか。また、この人事で日本国内で直接影響があるのはほんの一握りの外交官と官邸と防衛・経済関係者だけであり、東アジアの政治でも、日本の安全保障でも、はたまた国際関係理論でも特に重要な人事ではない。我々一般市民は各々の仕事に戻るべし。

ギニア・ビサウの章提出まであと7日走る

世界の学者を結ぶネットワーク academia.edu

先日後輩のティムに教わった新しいサイト http://www.academia.edu/。

一般的にはフェイスブックというSNSが世界レベルで有名だが、このサイトは分野を問わず世界中の大学院・ポスドク、そして教授陣が無料で入会可能のコミュニティ。私もさっそく加入。興味のある方はどうぞ。

執筆終了まであとわずか

b823af52.jpg
金曜はようやく休みが取れたので自宅で論文執筆。ギニア・ビサウの章を猛急ぎで進めている。確か一週間ほど前に自分の博士論文委員会のメンバーに、「あと2週間ほどで提出する」とほざいてしまったため、本気にならざるを得ない。ページ数として言えば100?超えてるから纏(まと)めるのも大変だよ。この章を終えると論文執筆のゴールが本格的に見えてくる。

同時に授業のための読書も欠かせない(涙)。来週から本格的に始まる授業のために読むのはノーベル賞受賞者(経済学)のシェリングの Arms and Influence、元ブラウン大教授の Richard Smoke の National Ssecurity and the Nuclear Dilemma、そして担当教授エイブリーによる Deterrence and Security in the 21st Century。

ここ最近の最高気温はマイナス6℃。夜半は氷点下10℃以下まで落ちる。
月別アーカイブ