Politologue Sans Frontieres 「国境なき政治学者」

セントルイス大学政治学部教授。国際関係学科主任。元米空軍教員。

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2020年10月

国際関係学科主催のイベント続編

先日宣伝した国際関係学科のイベントは大成功を収めた。



今回はスタイルを変えて学生に司会をしてもらった。するとこれがお見事で、4人の教授に次々と難しい質問を投げかける。今回の私の仕事はイベントの挨拶だったが、パネリストじゃなくて良かったと安心してしまうくらい、上手なMCを学生は披露した。

ズームで行われたこのイベントは最高48人が参加した。ズームでも中々やれることを実感した。近い将来またやりたい。

セントルイス大聖堂

しばらく前に、通勤の途中に寄ったセントルイス大聖堂。数年ぶりだった。

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久しぶりに中に入る。コロナ期でもマスクをしていれば問題はないが、距離は保つのと、入り口付近には除菌用のスプレーも設置されている。

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告解の場。

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この聖堂の地下には小さな博物館があり、珍しいものが展示されている。モザイク・ミュージアムと呼ばれる場所で、モザイクのデザインの芸術が飾られている。

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14世紀に使われていたという。

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1999年にヨハネ・パウロ2世がセントルイスを訪れた際に用いられた道具と記念物。

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国際紛争中のサイバー攻撃を国際法の視点から

サイバー関係の研究に関するネタは久しぶりだが、最近良い論文を読んだ。



国際紛争が起きている際のサイバー攻撃の問題を国際法の視点から分析する大切な研究だ。長い論文だし、かなり踏み込んだ詳細を提示しているため一つ一つ理解して進めるには時間がかかる。

だが、専門家にとっては必要な過程だ。また、結論の部分では主張が明確にまとめられていて理解しやすい。現在進行形のクロス・ドメインのサイバー攻撃の研究では非常に有益な分析を得ることができた。

今週の授業は民族紛争について

今週のゼミでは民族紛争について教えた。

私の学部には多少なりとも近いトピックの授業を別の教授が教えているため、私の授業では他では使われていない教材を用いた。

まずはルワンダの1994年の虐殺を例に、国際社会、特にアメリカがどうすべきだったのか、という難しい問題を議論した。生徒の意見はまっぷたつに割れ、白熱した議論が行われた。片方の意見ではアメリカは介入すべきだったという見方、そしてもう片方はそうすべきではないという考え。生徒からは道徳的な見地や政治的な現実性からの見方が見事に披露された。

そして今度は民族紛争の解決法として、対立する民族グループを物理的に分ける方法の是非について話をした。これも刺激的なトピックであるため、生徒からの意見は多くシェアされた。

休憩を挟んで、今度は国際社会は民族問題にどのように介入するのか、そして介入すべきなのか、という点を様々な条件を引き出して議論した。これは特にアメリカの軍事介入に必要な条件を導く、大切な議論になった。

最後は国連軍の平和維持活動について。これも大切な問題で、維持活動の必要的な観点からの話と、実際のその効果について批判的な視点で分析した。普段よりも少し難しい文献を宿題として果たしていたため少し不安だったが、生徒は予想以上に細かく読み込んでおり、詳細部分を含めてよい議論を行うことができた。

日本の抑止戦略の出版物

去年から楽しんでやっているオランダ軍とのコラボ、最終段階に入った。12月に出版される予定の原稿の最終確認の依頼が来たのである。



私の担当は日本の戦後の抑止と防衛政策の分析だった。この原稿は他の専門家との共著として、オランダの出版会社により出版され、オランダ国防大臣に提出される。向こう側の担当は王立防衛大学校の軍人である。

他の共著者のリストには大物が揃っている。キングス・カレッジのフリードマンやランド研究所などの専門家など、また一緒に仕事をしたい人たちで一杯だ。

ナゴルノ・カラバフの傭兵

紛争続くナゴルノ・カラバフの一つの側面に、海外からの傭兵がある。特にシリアとトルコからの傭兵である。この記事は特に良かった。



トルコだけでなく、ロシアやリビアとの関連にも注目すべき。ただ、今回私が興味深いと感じたのは、傭兵の給料だった。この記事によると、

ナゴルノ・カラバフに派遣されたシリアの傭兵は大体一日1ドルあたりの給料をもらっている。しかし給料日は2ヶ月に一度のため、その間に死んでしまったらどうなるのか。

リビアでは毎月二千ドルの給料だが、その半分が上司に持っていかれているようだ。

アゼルバイジャンでは600ドルから2500ドルの契約を結んでいるようで、シリアでの給料よりも高い。

傭兵の相場決定の要素は研究のしがいがあるかもしれない。

今週の授業はコロナと生物兵器について

今週の授業はコロナと生物兵器について教えた。コロナに関しては現時点で優れた研究が少なく、政治学や安全保障の文献では特にそうである。ただ、安全保障の観点から教えるべき点は幾つもある。

今回話したのは、コロナが国際関係にどのような影響を与えるのかについて。特にコロナは国家間の平和を促進するのか否かである。また、コロナが民主主義国家の戦闘能力にどう影響を与え、今後は民主主義国家を含む国々の関係はどう発展するのか、などについて話をした。

休憩を挟んで、今度は生物兵器の話をした。コブレンツの本は10年ほど経っているが、そこから学べることは多い。



今回の宿題の量は普段より軽かったものの、大切な時事問題であったこともあり、時間一杯まで生徒と話をし充実した授業を行うことができた。

久しぶりの Kaldi's Coffee

このブログに何度も登場している Kaldi's Coffee。地元セントルイスの喫茶店で、アトランタなどに拡張している。この店にはコロナの影響で1年近く行ってなかった。

昨日は家族に頼まれてコーヒー豆を買ってきた。するとコーヒー一杯無料でくれた。

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2週間後のセントルイス美術館近くにて

最後にセントルイス美術館を訪れたのが2週間前。今日、寄り道してみた。紅葉の具合を比較して頂きたい。



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日経ビジネス記事「新型コロナが追い打ち「月収10万円」貧しさの現実」

以下のはとても良い記事。是非読んで頂きたい。



重要部分を抜粋すると、

「95年の貧困ラインを基準にして相対的貧困率を推定したところ、01年の貧困率は20%。なんと5世帯に1世帯が貧困ライン以下という、かなり衝撃的な状況」

などがある。この20%にあてはまらなかった人にとっても、このデータが20年前のだという事実を踏まえれば、他人事ではないはずだ。

私は毎日の新聞に加え、主要週刊誌を毎週読んでいるが、著者のように警笛を鳴らす記事は多くは無い。が、ワーキングプアの問題は、日本が直面する大切な現実の大きな一面だと感じる。

携帯料金の値下げや学術会議の問題等などに何時間もかけて報道するよりも、日本経済の構造的な問題をより深く、国民にもっと分かりやすい形で説明し、この状態をどう改善するかの策を議論するほうが、貴重な時間のよい使い方だと思う。
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